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209日目 バブル

2022年 5月 31日 (火)

●先日、合宿でのこと。

友「そういえば、インスタとかやってる?」
自「あぁ……やってるよ……」
友「まじか!フォローさせてよ!」
自「……うん、いい、よ」
友「あれ?見せたくない感じ?」
自「う--------------ん」

といった会話があった。
正直インスタのアカウントは知られたくはなかった。
だって変な写真ばっかり上げてるから。
一応部活内では真面目な奴だと思われてるはずなので、毎日インスタによくわからない写真を上げまくっている奴だと思われたら、部内に居づらくなってしまうかもしれない。そんな懸念からあまりインスタのアカウントを見せたくはなかったのだが、そこで断りきることもできず、結局アカウントを教えてしまった。
自分のアカウントを見た友人からの反応も特になく、ID覚えやすいね、などと謎のコメントをさせてしまった。ごめんな。
でもこんな人間のアカウントを知りたがってしまった君にも責任の一端がないとは言い切れないぞ。

おかしな写真をアップしている自覚はあるんだ、それを狙ってやっているのだから。インスタにおかしな写真をアップする楽しさに憑りつかれてしまったのだから。

●自分はどんなおかしな写真を上げていただろうかと気になり、久しぶりに自分のインスタの投稿を振り返って、そういえば1か月前くらいに毎日投稿チャレンジなどやっていたな、ということを思い出した。
そしてそれは4月の23日で途切れており、無事毎日投稿チャレンジは失敗に終わっていたことになる。

せっかくなので再開しようと思い、頑張って36枚のなんでもない写真を一気にアップした。
30枚目くらいでネタが尽きてそこからは過去写真から引っ張ってきているものもいくつかある。もっと人様に見せられる写真を撮らないとダメだな。

これからは毎日投稿、頑張るぞ!
こうやって毎日の習慣を増やしてくのはとてもいいぞ、次は何をしようか。
腹筋でもするか?

●朝起きて9時半。
今日は珍しく朝から学校以外の予定があったのだが、少し時間に余裕がなかったので急いで着替え、部屋を出てチャリを漕いだ。

近所のデカいイオンにやってきた。
映画を見るためにやってきたが朝ごはんが食べたかったので、イオン内のパン屋でベーコンマヨポテトパンとカレーパンを買って食べた。

腹ごしらえも済ませ、コンタクトを買いに行った。
昨日眼科で貰った処方箋に期限があったので早めに使用したかったのと、せっかく映画を見に来たんだから視力が良い状態で見たかったので、時間はなかったが急いでコンタクトを買いに来たのだった。

しかしここで大誤算、コンタクトレンズ屋の店員の丁寧さを舐めていた。
まさかあそこまで懇切丁寧な対応をされるとは思わなかった。もっと雑に扱ってくれればよかったのに。

初来店と言うことで会員登録のフェーズがあり、会員登録のためにアプリをインストールする必要があり、店員さんも丁寧にはきはきとした説明をしてくれるのでそこでも時間がかかり。

自分がコンタクト屋で身動きがとれなくなっている間にも映画はどんどん始まりに近づいていく。
アプリのインストールを待つ間も、店員さんが他の客に対応し終わるのを待つ間も、クレカで支払いをしたために複雑になった会計が終わるのを待つ間も、時間は刻一刻と過ぎていく。
やっとコンタクトを購入し終え店をでたときには、上映時間3分過ぎというかなりギリギリの時間になっていた。
最初の予告部分を計算に入れても、これから映画館まで走ってチケットを購入して劇場に入ってコンタクトを装着することを考えると間に合うかどうか微妙なラインだ。

とにかく急いだ。映画館まで猛ダッシュ。
そこまで距離が無かったのですぐに到着した。
チケット購入器の前へ。座席を選んでいる時間はなかった、劇場の後方の列の真ん中あたりがそこそこ埋まっていたので、適当に劇場前方から中央の間くらいの列の座席を選んだ。

チケット購入も済ませ入場。こういう時に限って特典を貰えたりするのは何なんだろうか。荷物を増やすのはもっと余裕がある時にやってほしい。

劇場に入ると、後ろの方にもう他の客が座っているようだった。
映画はまだ予告の段階だったのでそこまでの迷惑はかけていないだろうが、だからと言ってわざわざうるさくする理由もない。
暗い劇場内で列の表示が見えなかったので、予告の映像が明るくなる時を狙って座席を探した。

席も見つかり着席。静か―にコンタクトも装着し、そこからは特に問題なく映画を見終えることができた。
平日の午前に映画を見に来ているお客さんたちなだけあって、マナーは非常に良かった。雑音が一切聞こえてこないので快適に映画に集中することができた。

映画が終わった。
先ほど貰った特典をバッグにしまってから劇場を出ようと思い、しばらく座っていたが、ここで違和感に気づく。

後ろの客、立たないのかな?

劇場内から一切音がしないのだ。
通常時の劇場でも劇場内が明るくなってすぐは、劇場内の全員が喋らない謎の時間が流れたりする(自分はこの時間が結構好きである)が、流石に席を立つ音も何もしないのは不自然だ。
怪しく思い後ろを振り返ると、そこには誰もいなかった。

ちょっとマジでこれは怖かった。
チケットを買うときの座席予約の画面でも間違いなく後ろの方の座席が購入済みになっていたし、自分が劇場に入った時も確かに後ろに人影があったのだ。
それなのに、自分が映画に集中している間に、劇場内から自分以外の人間が全員泡のように消えてしまうとは。
なにこれ本当に怖いんだけど。

映画館で一人って結構怖い場面かもしれない。
というかせっかく劇場を貸し切りしてたんならもっとのびのびと映画を見ればよかったよ。

●映画も終わり、そのままその足で大学に行った。
かなり早めの到着だったので学食でスパイファミリーを見ながら優雅なランチを取りつつ、その後授業を受けて帰ってきた。
学食でスパイファミリー見るのめっちゃ嫌だったな。
「こいつ、話題作に飛びついてるだけのニワカじゃねえか」
と自分の後ろを通った嫌なオタクに思われていそうなので。

帰ってきてこの前オモコロの記事で見た、野菜を30分煮込んでグジュグジュにしたあと仕上げにバターを入れてパスタのソースにするやつをやってみた。やってみて気づいたが今日の晩御飯にパスタを出す予定がなかったのでとりあえず容器に入れておいた。明日食べよう。

パスタソースと並行してシフォンケーキも作った。
卵黄1つに卵白6つというかなり偏った編成で挑んだが、焼き上がりはそこそこ美味しそうだったので成功と言って差し支えないだろう。まだ食べてないから激マズかもしれないけど。

あとグラタンを作った。

●ご飯も食べ皿洗いも済ませ、なんか部屋が汚かったので部屋の掃除をした。
今日充実しすぎだな。ちょっとした休日並みに濃い1日になってしまった。
最近はやることが多くて助かる。
明日もやることが多いといいな。


●バブル。見ました。
とにかく映像が凄かった。ストーリーが意味不明だとか散々な評価を色々目にしたが、そんな評価もすべて映像の凄さだけでひっくり返せるんじゃないかと思うほど映像が凄かった。
ネトフリで先行公開とかされてたけど、あれは劇場で見るべきだと思う。
でっけぇスクリーンで、でっけぇ音で、2時間画面に吸い付きながら見ることで何倍にも楽しめるようになる作品だった。以下ネタバレ。










映画はいきなりパルクールから始まった。
水に沈んだ東京の街を舞台にパルクールをしている少年たち。そんな街にはそこら中に泡が浮かんでいて、バブルと言う映画の始まりにはふさわしいだろう。
ここだけでも十分な迫力があった。水に沈んで荒廃した東京の街並みを見るだけでも楽しく、そこを駆け抜けていくような作画も本当に圧巻だった。
初っ端からとにかく映像美が凄い。

しかしこちらはパルクールをしている少年たちを見せられても彼らが何をしているのかわからない。
そこで視聴者と同じ目線に立ってくれるのがモブの不良だ。
彼が「すいません、自分新人なもんでまだこれのルールが覚えられてないんっすよ……へっへっへ」みたいなことを聞いてくれたので、こちらにもわかりやすい説明がなされる。彼がいなければ世界観が理解できなくて作品への没入感もかなり薄れていただろう。
初心者の不良に感謝。

そこからなんやかんやあって主人公と泡のヒロインが出会い、荒廃した世界での日常シーンや、パルクールの試合に向けた主人公とヒロインとの練習シーンが描かれる。
流れとしてはかなりありがちでベタだが、とにかく映像美が凄いのでただの食事シーン一つとってもまったく退屈せず見られる。

ヒロインは最初は喋ることができない。結局最後まで流暢に喋るような場面は見られないが、ヒロインが色々な本を読んでいるシーンが妙に頭に残っている。
人間が知識を身に着けるプロセスを一から見ているような感覚。
ヒロインがどのような本のどのような知識に惹かれるのか、そこでヒロインの存在性をどんどん作り上げていくのがいいなと思った。

ヒロインのパルクール勝負の初陣は、悪役である謎の仮面チームとの試合だった。こいつらの悪役っぷりは凄かった、試合中もめちゃくちゃな妨害行為の連続だし、水圧でジャンプ力を強化したブーツを使ったりもしている。
そんな極悪非道チームが主人公たちの仲間の一人を拉致ったので、しょうがなく主人公たちはその極悪非道チームと闘うことになったのだった。

色々あってそのチームに勝つことができたが、この試合の中でヒロインの片腕が失われてしまう。元が泡なのでそこまでショッキングなシーンではないのだが、ヒロインが主人公に触れると触れた部分がが泡になって戻らなくなる、という悲しい境遇を、悪役に勝つという気持ちのいいシーンで同時に見せてくるのがいやらしかった。
泡をモチーフにしているのだからそういう儚さみたいなものを持ってくるだろうなと言うのはある程度予想できるだろうが、それでもそういう儚いものがオタクは大好きなので、めちゃめちゃ心を動かされてしまった。

そこからどんどん終わりに向けての展開が続いていく。一度日常が崩壊してからの終わりに向かうスピードがどんどん上がっていく感じにとてもドキドキした。

色々あってヒロインが東京タワーの泡がいっぱいあるところに閉じ込められ、主人公とそのチームメイトでヒロインを助けに行く流れになる。

ここもモチーフがスカイツリーじゃなくて東京タワーだったのがなんかよかったな。
スカイツリーのシュっとした感じもいいが、崩れ行くタワーをパルクールの要領で登っていく、と言うシーンを見せる上で、いい意味でのシュっとしてなさみたいなものが感じられる東京タワーを舞台に選んでいるのはなかなかいいチョイスするじゃんと思った。
あとタワーの赤と泡の青がシンプルに映えていた。泡まみれにするならスカイツリーより東京タワーだよな。

そこから色々あって、主人公はピンチに陥る。
それを助けるためにヒロインが主人公を助け出すが、ヒロインは主人公と触れ合うとどんどん泡になっていってしまう。
ヒロインの頑張りあって主人公は助かるのだが、一方のヒロインは半身が泡になってしまい、いなくなるまでもうすぐと言った感じだ。
他の問題はすべて解決したが、ヒロインの体はどんどん泡になっていく。

ここの主人公がよかったな。
みっともなさと言うのか、それまでクールを気取ってツーンとしていた奴が、感情を露わにして必死にこぼれる泡を手でかき集めようとするみっともなさ、これが本当に良かった。

ヒロインが完全に泡になって消えた後、濡れた地面の上に残る、主人公がヒロインに贈った貝殻の首飾り。これもよかったな。
濡れた地面の上にって言うのが、さっきまでそこにヒロインがいたことを強めているので、より儚さみたいなものが出ていてよい。



バブル、ぜひ映画館で見るべき映画だった。
噂によるとネトフリと劇場版で異なるシーンがあるらしい。ネトフリ版も見てみるか。


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