978日目　”あ” ”い” こ

2024年　7月　9日　（火）

●aikoさんのカブトムシと言う曲、この楽曲のサビについて。

サビの歌詞は以下だ。
『♪少し背の高い～』
ここの歌詞の凄さに気づくだろうか。
平仮名にしてみるとわかりやすいかもしれない。
『♪すこしせのたかい～』
お気づきだろうか。
そう、最初の四音。す、こ、し、せ。この四音の中で、なんとサ行の文字の5つの内、既に3つが使われているではないか。
楽曲の顔とも言えるサビの、それも歌いだしのメロディでこれというのは驚愕だ。なぜaikoさんがこんなにサ行にこだわっているのかはわからないが、これを偶然サ行の文字が固まっただけ、と言い逃れるのは少し難しいだろう。明らかに、何らかの意図があって、サ行の文字が使われている。そう思って楽曲を聞き進めてみる。
『♪あなたの耳に寄せたおでこ～』
ここにはとくにおかしなポイントは見られない。しいて言うのなら寄せた、の部分で再びせが使われているものの、先ほどの歌いだし四音の偏り具合ほどの違和感は見受けられない。
『♪甘い～匂いに～』
ここもまあいいだろう。問題はこの後だ。
『♪誘われたあたしはカブトムシ～』
平仮名にしてみよう。
『♪さそわれたあたしはかぶとむし～』
さ、そ、が使われているではないか。
少し背の高いで、す、し、せ、誘われたでさ、そ。揃ってしまっている。サビのほんの少しのフレーズだけで、サ行の文字5つがコンプリートできてしまっているのだ。
これは流石に世界記録だと思う。特定の行の文字5つを楽曲のフレーズの中で使用した時間の最短記録として、余裕で世界記録が狙える位置にいると思う。
ざっと計ってみた所、その間わずか19秒。圧倒的だ。
しかし、五十音を主題にした楽曲であればこの記録はあっという間に塗り替えられるだろう。GReeeeN、ああ失礼。GRe4N BOYZの楽曲にあいうえおんがくというタイトルのものがあり、これは五十音を主題にした楽曲のため、そのフレーズは出だしから『♪あいうえおかきくけこ～』と始まる。
前述の最短記録はこれで簡単に上回ってしまうと思われるが、しかしカブトムシの凄いのは、決して五十音が主題に据えられた楽曲ではないことだ。

恋愛における切ない心模様が描かれている楽曲の中で、ここまで短い尺でサ行の文字全てが使用されているのが、この楽曲の目を見張るべきところなのだ。
なぜaikoさんがここまでサ行にこだわっているのかは全く分からないが、もしかすると恋愛による心の動きの変化に辟易しすぎないことが大切だよと言うメッセージなのかもしれない。
サ行、つまり作業に没頭することで自分の心を守る時間も大切だよと、そういうメッセージなのかもしれない。

ちょっと待ってくれ。aikoさんの他の作品にボーイフレンドと言う楽曲があるが、あれのサビの歌いだしには確か、テトラポットというワードが出てくるのではなかったか。
て、と、ラポット。て、と……。

確認してみよう。

サビの歌詞は以下だ。
『♪（ああ～）テトラポット登って～』
”て”、”と”はクリアだ。

『♪てっぺん先睨んで～』
再び”て”、が出てくるものの、ここは特段おかしなことはない。

『♪宇宙に靴飛ばそう～』
！！！！
う”ち”ゅうに、く”つ”とばそう！
”ち”、”つ”もこれでクリアだ。嘘だろ……。

『♪あなたがあたしの頬に～』
あな”た”。揃ってしまった。”て””と”ラポット、う”ち”ゅうにく”つ”飛ばそう、そしてあな”た”。タ行の5文字が、サビの歌いだしから始まったこの短い尺の中に、すべてコンプリートされているではないか。
MVからこれらの5文字すべてが登場する時間を計ってみた所、テトラポットと言うワードが登場するのが1分43秒で、あなたの”た”を発するのが1分59秒だった。
と言うことは、その記録はなんと16秒。これまでaikoさん自身が保有していた世界記録を3秒も塗り替える、驚きの結果だ。
カブトムシではサ行、ボーイフレンドではタ行。どちらか一つであれば偶然で片づけられたのかもしれないが、偶然が二つ重なればそれは必然へと形を変えるもので、aikoさんが五十音に対してなんらかの思いを抱えていることは自分の中で確信に変わりつつある。

カブトムシのシングル発売日が1999年の11月、ボーイフレンドのシングル発売日が2000年の9月らしいので、1年も経過していないうちにaikoさんは自身の記録を塗り替えていることになる。
物凄いペースだ。
一応この付近に発売された他のシングルの表題曲も調べてみたが、この傾向がみられるのはやはりこの2曲だけだった。
すべての楽曲に耳を通せばもっとたくさんこの傾向にある楽曲を見つけることもできるのかもしれない。そうしてア行からワ行まですべてが揃った時、その時aikoさんは何を思うのだろうか。

適当言ってるだけなのであんまり真に受けないでください。
aikoさんの曲だとあたしの向こうが好きです。