見出し画像

975日目 さんぱい

2024年 7月 6日 (土)

●昼頃家を出て、電車に乗ってやってきたのは大津駅。
大津は来ようと思えばいつでも来れるくらい近い場所なのだけど、その近さが逆に枷となって今日までじっくり歩き回ることはできていなかった。

とりあえず駅から琵琶湖に向けて歩く。アッホみたいに暑い。7月初めでこれとは、末恐ろしいことだ。途中見つけた店でエビフライのランチセットを注文。割とデカめのエビフライと山盛りの野菜を頑張って平らげ、そこからはひたすら炎天下をテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテクテク歩いていた。

旧大津公会堂、びわ湖浜大津駅と、市街地の気になる建物にフラフラ歩みを釣られたのち、やってきたのは三井寺という寺。これがまあデカい。メガも超えてギガも超えてテラ、まさに寺。つまんないね。

デカさの分だけあって拝観料が600円ほどかかるそうで、生憎現金の持ち合わせがなかったため三井寺は一旦諦める。

しばらく歩いて法明院という寺にやってきた。正直名前が法元明菜さんに似ていたからと言うだけで割と坂道を登った先にあるここにはるばるやって来たのだけど、法明院と書かれた札が背の高い草草に囲まれている光景に迎えられてしまう。これは流石に廃寺かと思われたが、意を決してかろうじて歩みを進められそうな道なき道をずんずん進んで行けば、木々に隠された中に確かにお寺があって、100円の拝観料で入場が叶う寺の奥の方の雰囲気はこれがまた素晴らしかった。背の高い木に日差しが遮られ、薄暗さとひんやりとした空気に包まれながら、全く人気のない、けれど手入れの整った庭を歩いて回るのはなんだか不思議な気分で、とても貴重な時間があそこには流れていたと思う。またここの近くにどうやらデカい野球場があるようで、そしてちょうど今日はそこで試合が行われているらしかった。大自然の中にひとりぼっちの身で、遠くから薄っすら聞こえてくるウグイス嬢のアナウンスに観客の歓声、あれはとても独特な空間だった。
法明院に行くなら休日がいい、休日の、野球の試合をやっている時がいい。

いやはや改めて法元さんの名前に似た名前の寺であってくれてありがとうと言いたい。いやむしろ逆か。その名前で、法明院に興味を持たせてくれてありがとうと、法元さんの方に感謝すべきなのかもしれない。とにかくめちゃくちゃ良い寺だった。

その後、アホみたいに長い階段を登り、高速道路の上にかかった歩道を歩いた先にあるこれまた山奥の神社に参拝。そこにいたおばあちゃんにこれ甘いよとオレンジ色の飴玉を貰ったのだけど、これを自分が舐めたかどうかは闇の中……。

山奥の神社をハシゴした後は麓のファミマまで下って来て、ATMで金を下ろす。これで三井寺の拝観料を支払うことができる。
ついでにここのコンビニでパックのリンゴジュースを購入。エビフライからここまで何も口にしていなかったので、水分を取っておかないと太陽に焼かれて消えてしまう気がした。
あ、自分がさっきおばあちゃんにもらった飴玉を舐めていないのがバレた。

来た道を戻りいよいよ三井寺へ挑む。ここまで歩き回りすぎていたせいで、入場が営業終了30分前と非常にギリギリになってしまった。
この三井寺の広さを思うと30分はあまりに心許ないのだ。それくらいにこの寺は広く、デカく、そして見応えに溢れていた。

途中雨も降ってくるバッドコンディションの中、割と駆け足も混ぜてなるべく全体を見て回ろうと頑張ったのだけど、やはりこの寺のあまりの情報量を思うと、心行くまで存分にとはとても言えないくらいの満足感しか得られなかった。今度また行かないといけないな。

三井寺を見終わった、というか後にせざるを得なかったため、近くにあった長等神社を参拝。ちょうどここで滝雨に降られてしまって、入口の門の屋根を借りてほんの少しの間だけ雨宿りをさせてもらう。
狙い通り雨はすぐに止んだので、その後も気になる神社をあれこれ見て回っていた。
三尾神社、大津大神宮、長等山不動明王、高観音近松寺、長安寺と見て回り、この辺で足腰の限界が来たので、大津駅に戻り真っすぐ我が家に帰宅した。
汗まみれのTシャツとエアリズムを洗濯機にかけて、そこからしばらくまったく立ち上がることができず、夜遅くにご飯を食べて今日は終わりだ。

久しぶりに炎天下を心行くまで歩いたが、体力の衰えをひしひしと感じる結果に終わってしまった。夏が来るのももう1年ぶりなので、夏の暑さに負けずにひたすら歩きまわることの辛さを思い出せたのは良かった。今年の夏も歩き倒すぞ。歩け歩け、夏は短い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?