112日目 交通安全

2022年 2月 23日 (水)

●ワクチンを打ちに行った。嫌なことから逃げ続けてきたが、そのツケを払わされた感じだった。

地元のワクチン接種会場は何処も混んでいたので、はるばる新宿まで接種に行ったわけだが、予約していた時間に10分ほど遅れてしまった。
だって都庁前複雑なんですもん。
ぐるっと一周してやっとどの入り口に入ればいいのかを理解した。そうかさっき通り過ぎた通路を曲がらないといけなかったのか。

中に入るとたくさんのスタッフさんたちが気持ち悪いほど丁寧に案内をしてくれた。まるで稀代のクレーマーにでもなったかのような気分だ。
あの丁重さは人をつけあがらせると思う。長男だから我慢できたけども。

受付を済ませ、エレベーターで接種所まで登っていく、エレベーターを降りて出た場所には見覚えがあった。確か高校生の時にこの展望室には来たことがあった。無料で入ることができたので、万年金欠の男子高校生からしたらかなりありがたい施設だった。
帰りにマックでハンバーガーを食べたのも覚えている。一人でね。

ワクチンを打つ前に部屋に通された、簡単な仕切りで区切られた、人が4人ほど入れるだろうかといった広さの部屋だ。
医者みたいな恰好をしたおじさんの前にパイプ椅子が置かれており、そうかここで注射をするのかと察して、着ていた薄茶色のコートを脱ごうとすると、
「ああまだまだ、ここでは脱がなくていいよ」
と医者と思しきおじさんが教えてくれた。これがパパ活女子の気持ちか。

そこで副反応についての説明を受けた。
あなたの年代のあなたと同じ性別の人があなたがこれから受ける予定のワクチンを接種して確認された副反応の件数は百万人当たりでこれくらいですよ。といった感じの説明だった。そこで具体的な数字を聞きはしたが、正直その値が大きいものなのかどうかがイマイチ伝わってこない。別に数字はそこまで大きくないよな?という感想と、それでも副反応のジャンルで考えると大きな数字になるんだろうかという感想が両方存在していた。
そんな考えが伝わったのか、医者のおじさんが、
「ちなみに年間で交通事故に遭ってケガを負う人の数は3000件で、このワクチンで副反応が出ている割合の何百倍ですよ」
と丁寧に教えてくれた。
それで「ああ、それなら安心だ」となるだろうか。むしろ自分は交通事故ヤバいという感想しか浮かんでこなかった。帰り道には人一倍気を付けていたように思う。皆も交通事故には気を付けよう。

一通りの説明が終わった後この説明を聞いてもまだワクチンを打つのかどうかを尋ねられた。RPGみたいだな。
あそこで、やっぱナシでと言っていたらどうなっていたんだろうか。登ってきたエレベーターに放り込まれて都民である証を剝奪されでもしていたのか、それなら京都府民になってやるよ。

●ワクチンは一瞬で接種し終えた。その後経過時間と言われて10分ほど展望室の椅子に座っていた。そこではパンダの映像が流れていた。かわいい。

経過時間が終わってエレベーターに乗って一階に帰ってきた。
都庁を出て新宿駅方面に向かう。都庁と京王プラザホテルを右手に歩き出した。
高架下を潜り抜けて、緑の多い道をしばらく歩くと、連絡通路の入り口が現れた。
都庁から新宿駅まではそこそこ距離があり、初めて訪れる人は確かに迷ってしまうだろう、それを防ぐための通路なのか、なるほどよく考えられている。
通路を出るとそこは新宿駅だった。せっかくここまで来たんだからということで、東口の方に向かった。
デカい猫の電光掲示板を見てその後は街をぶらぶらしていた。
ケバブ屋を見つけたのでケバブを購入。300円にしてはボリュームもあって美味しかったが、溢れた肉が服に飛び散って汚れが付いたのでプラマイゼロだ。何事もやりすぎは良くない。

その後は沖縄料理の店を見つけて、少し早い昼食をとった。
念願の沖縄そばをやっと食べられた。薄味で美味しい。そして安い。

●そばを食べたら特にやることも思い浮かばなかったので、家に帰ることにした。時刻はまだ12時少し前、今から帰っても本一冊読めるくらいの時間だ。5分ほど歩いて新宿から外回りの山手線に乗る。
東京の電車はやはり混んでいる、それに今日は祝日だ、座席はすべて埋まっており、朝から歩き回っていた足を休めることはできなかった。

電車は新大久保に着いた。そこで一番端の席に座っていた若い女性の二人組が立ち上がった。若者の街の名前は伊達じゃない。
ラッキーと思いすぐにその席をゲットした。休日の山手線で、一駅乗っただけで一番端の座席を獲得できるとは、今日は運がいい。このまま帰るのが惜しいくらいだ。
そんな安心感からだろうか、それとも昨日夜遅くまでアニメを見ていたからだろうか、電車が高田馬場に到着する前に眠ってしまった。


何分くらい寝ていただろうか。自分は電車で乗り過ごした経験がないので、どうせ目的の駅の2つほど前の駅に到着する頃だろうという自信があった。
寝ぼけ眼でディスプレイに目をやると、そこに表示されていた次の駅は目黒だった。
それほど長い時間寝ていた感覚がなかったため、間違えて内回りの電車に乗ってしまったかと少し慌てる。
まあ目黒で降りて外回りの電車に乗り換えるだけだ、すこし時間を無駄にしてしまったがまあ誤差の範囲だろう。

Twitterでも見ようと思いスマホを開く、そこに表示されていた時間は13:15だった。
おかしい、自分は少し早い昼食を取っていたはずだ。
それに新宿駅で電車を待つ間、オモコロのサイトを開いたが今日の特集はまだ公開されていなかった。後から確認したが今日の記事は原宿さんが作者だった。のであれば目にしていたら絶対に覚えていたはずだ、原宿さんの記事が公開されている事実が頭から抜けるわけがない。
これは自分が電車に乗ったのが昼の12時前後だったことの何よりの証拠だ、つまり自分は1時間も電車に乗っていたことになる。

そうか、一周してきたか。

うっすらそうなんじゃないかとは思っていたが、いざその事実に気が付くとなんだかとんでもなく時間を無駄にした気分になった。
そのまま端の席に座り続け、目的の駅で降りた。
立ち上がって感じた腰の痛みで、自分がどれほど長い時間座っていたのかを思い知らされ、ここでも無駄にした時間を強く意識させられた。なんなん。

その後は結局何もなく家に着いた。一時間のロスこそあったが、寝転がりながら読み進めていたら本一冊は読み終えることができた。

●読みました「ボトルネック」。

面白かった。入り口はSFチックでかなり特殊だったが、その要素を日常の中のミステリーに活かすのが凄く上手だった。またそれが主人公を追いつめるのにも大いに役立っており、流石だった。
米澤穂信さんはやはりいい。小市民シリーズとかも気になっているので読もう。

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