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775日目 Lemonade

2023年 12月 18日 (月)

●Lemonade、聴きました。

このリリックビデオのミアちゃん、自分が今まで知らなかった可愛さに溢れていてとても良い。年相応の可愛さとも意外と大人びている可愛さとも違う、なんというかミアテイラーその人の可愛さがとてもこちらに伝わってくる本当にありがたいリリックビデオになっていて、それが凄く良い。

この曲はとにかく真っすぐだったな。駆け引きとか変化球のない真っすぐな恋愛が歌われているように感じたのだが、それはやはり節々から感じられる初恋要素がそうさせているのかなと思った。

二人が出会って、恋に落ちて、少し不安になる日があったりして、そして結ばれる。王道でストレートな恋愛が最初から余すことなく語られていて、ラブソングなんて何曲も作ってきたんだ!と威張っていたミアちゃんも自分ごととなるとこんなに丁寧な曲を作るんだなという良さがあった。
そんな中でも、確かに感じられるミアちゃんらしさ、それは自分の価値への絶対的な信頼だと思う。つまりは自信満々ということだ。
Never want you seeking someone  For I'll be the one you'll findのところなんか特にそれがよく表れていると思う。
他の誰かを求めてはいけない、あなたが見つけるのは私だから。
いやはや凄いことを言う子だ。見つけるべきなのは、ではなく見つけるのは、なのが凄い。ここまで言い切るかと。
あなたが見つけるのは私、それが当然であり必然だと信じて疑わないこの力強さ。この自身こそがミアちゃんの良さだろう。

また、この曲では彼女自身にも負けないくらい、結ばれた二人の関係もすごく高く評価されているなと思った。
私たちの愛はDramatic storyだと言っているところだったり、二人の物語がlove divineによって結びつけられたという表現だったり、自分への自信に留まらず自分と相手の関係性にまで彼女は高く誇りを持っている様子がうかがえる。
divineと言う言葉は神聖とか神々しいとか言った意味があるらしく、なにかを高く評価するときにスラング的に強調の意で使われることもあると言う。マジ神だよね、的なニュアンスをイメージしてもらえればそれでいいと思う。
そんな言葉を自分と相手の関係性に当てはめられてしまうミアちゃんは凄い。この曲では想い人の素晴らしさもまた存分に語られていて、そんな凄い人と凄い人が結ばれて凄い関係性が生まれる、と言うのがこの曲だ、もうとにかく自信が満々で止まらないのだ。ここまでのラブソングで、ここまで全体的に自信に満ち溢れたものがあっただろうか。


ただ、この自信がどうしても虚勢に見えてしまうのもまたミアちゃんなのだ。普段の負けず嫌いな感じとか、それでも同好会でお姉さんたちに翻弄されてしまう姿だったりとか、過去の苦い経験からとことん弱気になってしまう弱気な姿とか、ミアちゃんのこれまでを色々見ていると、そこまで100%自信しか持ち合わせてませんよ!と言う子にはどうしても見えないのだ。

聞いたところによると、I willとその短縮形であるI'llには、少しニュアンスの違いがあるらしい。
I willはI'llと比較して、意志の強さの度合いが大きいと言う。
I'll goよりもI will goの方が行かんとする意志が強いらしいのだが、では先ほど注目したフレーズはどうだっただろうか。
I'll be the one you'll find、I'llの方ではないか。
自信に満ち溢れたフレーズだと数行前に書いておいて手のひらを返すようだが、ここに絶対にそうあるものだという意志を込めたかったのなら、I will be~の方がより適していたのではないかと思う。しかしミアちゃんが出した言葉はI'llだった。
自分はここに、ミアちゃんの虚勢を感じた。
(もちろん曲に乗せて歌わなければいけない関係で短縮形が用いられている、という方が事実に近いことはわかっているが、まあいいじゃないですか。)

ではその虚勢は嘘なのだろうか。
本当は自分に自信なんて持てない子が、自分の弱さを悟られまいと、嘘をついて自信満々に振舞っているのだろうか。
自分は否だと思う。だってミアちゃんの自信にはちゃんと根拠があるのだ。あの年齢であれだけの作曲スキルで周囲からの評価もしっかり受けていて、ちゃんと説得力のある納得のいく自信満々だからこそミアちゃんのそれは良いものなのだ。

その上で、そんな彼女でも、不安で弱気になってしまう自分に負けまいと張る虚勢だからこそ、その姿が本当に良いんだ。
その自信満々は嘘ではないし、しかし100%の本当でもなくて、彼女が本当であって欲しいと絶えず願いそのように振舞ってくれることで限りなく本当に近づいていく、というのが正しいのかなと思う。

そんな彼女が歌うこの自身に満ち溢れた曲、どうだい、良いよな。

あと気になったのはlemonadeの意味だろうか。
Our love is like lemonade, I keep on tasting、めちゃめちゃオシャレな言葉だと思う。
私たちの言葉はレモネードのよう、私は味わい続ける。
なんというか、英語ならではのストレートな比喩の美しさが感じられてとても良い。
最初は甘酸っぱさを表しているのかもと思ったが、色々調べてもう一つ面白そうな意味があるなと思った。

アメリカにおいてレモネードと聞いてよく連想されるのは、夏場に子供たちが家の前で自家製のレモネードを販売する文化らしい。
砂糖とレモンと水があれば簡単に作ることができるレモネードを、子供たちがお小遣い稼ぎのために販売する。この文化の存在を知って、Lemonadeと言うタイトルに、子供ならではの背伸び、みたいな意味が込められていたら面白いなと思った。

大人の真似をしてお金を稼ぐ子供たち、そんな自分から遠い存在を強く追い求めて踵を地面から離す姿を、恋愛なんてまだ自分にはよくわからない、けれどもその魅力について知りたいと思うミアちゃん自身の姿と重ね合わせた上で出てきたlemonadeだったのなら。
オシャレだ。ひたすらにオシャレだ。そういえばこの曲を作り上げたのは世界的作曲家だったな。某腹黒系スクールアイドルの子と仲良く喧嘩している姿ばかり見ていたからすっかり忘れていた。

ミアちゃんはずっと全歌詞で英語を貫いているのが本当にかっこいいと思う。良い曲、良いリリックビデオでした。



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