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「じゃない方芸人」が「コロナ禍」で「100人とお茶して」わかったこと。

コロナ禍 、652日をかけて
100人と「お茶」しました。 

お茶です。

男性、女性問わず。

下は21歳から上は60歳まで。

旧知の仲の方もいれば
まったくの初対面の方。

芸能人、先輩芸人、後輩芸人、同期の芸人、作家、
サラリーマン、主婦、起業家、DJ、声優、アイドル、コスプレイヤー、ダンサー、ファンの方、アニメ監督、漫画家、怪談家、Vtuber、etc....

いろんな方とお茶して、会話してきました。

ここでは100人と話して理解したこと。

そして 

100人と話していく中での自分の心境の変化を述べさせていただきます。

この文章が
全ての話下手に
全てのコミュ症に
全ての寂しがりやに
全ての誰かと話したい人に届きますように。


まずは自己紹介を。

遅くなりましたがここで自己紹介を。

私、吉本興業でお笑い芸人をやってますBANBANBAN鮫島一六三と申します。 一六三 は「ひろみ」と読みます。芸名です。

相方がドラゴンボール芸人のフリーザをやってたりします。というとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。

このスーツの方が私です。

見てくださいこの普通さ。

俗に言う「じゃない方芸人」というやつです。

相方はテレビでキェイキェイ言ってたら練馬に家を建てました。うそです。

この現状を何とかしなきゃと、2010年から「アニソンディスコ」というアニソンDJイベントを主催し始め、

周りの芸人仲間や、
それこそ本職のDJさんからも散々叩かれながら、

なんとかかんとか、2015年には日本武道館に!

2019年には中国 上海のステージにまで出させていただくことができました。 

武道館です。信じてください。
上海です。本当なんです。

日本武道館で7000人の前に立たせてしっかり盛り上げたあと、そのまま飛び出しで吉本の劇場20人ぐらいの前で漫才やったり

上海で現地の方しっかり盛り上げて、
帰国して吉本の舞台にチケットノルマ払って出演してたりしました。

「落差」という言葉は、
この場面に出会うために生まれたのでしょう。

2020年には実はDJでの海外公演も3回決まっていて、

真っ当なお笑いの道ではなかなか結果を出せなかったけども、

この道を歩んできてよかったな、

とそう思っていた矢先に…コロナ禍へ。

あらゆる仕事が飛んでしまい、

なんとか配信的なことで凌ぐ日々。

私だけじゃなく、いろんな芸人さんタレントさんがそうだったと思います。

国内初の緊急事態宣言。

漫才師の間にアクリル板が立った日もありました。  

落語家の前にアクリル板が立った日もありました。

まともに人と会話ができなくなったあの日。

コミュニケーションが断たれたあの日に話は遡ります。


緊急事態宣言とウォーキング

2020年4月。

まさにコロナ禍真っ只中。

緊急事態宣言が発令されました。

私には子供がおります。

学校、保育園は休校休園。

出演が決まっていたライブや営業、仕事もDJ現場もなくなりました。

当時レギュラーでやっていたラジオ番組はリモートでの収録。

zoomが当たり前のように国民全員のパソコンにダウンロードされましたね。

zoom飲み会とか
アバターを使ってバーチャルの世界で集まろう、とか。

ツイッターでは歌を繋ごう、とか
一発ギャグを繋ごう、とか。

星野源さんが「うちで踊ろう」を発表したり
それをいろんな人がインターネットでコラボしたり。

みんながもがいて
誰かが何かをバズらせる日々。

明るいニュースはそれぐらい。

私は家で子供の相手を一日中してました。

子供が飽きないように、

家でできるあらゆる遊びを考えます。

かくれんぼなんか隠れる場所がなくなるほどやりました。最後のほうはもう、隠れてなかったです。

丸見えんぼであり、バレバレんぼでした。

なんかわかんないけど、畳のヘリだけを歩いてOKという謎の鬼ごっこ。

部屋のあちこちに点数ボードを貼り付け、そこにボール当てたら得点になる、という家庭内野球盤。

外に出れないから、ベランダにレジャーシート引いてそこでハンバーガー食べたりしてピクニック気分を味わってみる、とか

そんなことを一日中やって、なんとか子供のゴキゲンを伺ってました。

一日中やるんです。マジで一日中です。

気が狂いそうでした。

はっきり言って、

私はそんなに子供の相手が好きではありません!

めんどくさい!

いいパパでも何でもないです!

めんどくせぇんです!

めんどくせぇけどやるんです。

なぜなら理屈じゃないから。


子供の相手を一日中、それを毎日してると、

発狂しそうになりました。

ごめんなさい。

これはもう、ほんとそうなんです。

夜中になり、子供が寝静まると
私は逃げるように
ウォーキングに出かけてました。

その時間だけが自分の自由時間でした。

夜中のウォーキング中、人がいないのを確認するとマスクを少しはずしたりして開放感に浸ってました。

「大人と喋りてぇなぁ。」

そんな思いが日々募ります。

ある日、自宅から徒歩圏内に(と言っても一時間とかかけますが。江戸です。江戸の徒歩圏内の概念です。)知り合いが結構いることに気付きました。

実はこの夜中のウォーキングをしながら、
そんな人たちにコンタクトをとり、
公園とかで30分ぐらい喋っては帰宅する、
ということを夜な夜な繰り返してました。

1時間かけて会いに行って
30分しゃべって
1時間かけて戻る。

そんな夜が、とてもとても大事でした。

30分でも喋ったあとは、
頭がめちゃくちゃすっきりするんです。

信じられない現象でした。
アハ体験、てやつでした。

「人と雑談できる、てめちゃくちゃ贅沢なことだったんだな」

私はそんなことに気が付いたのでした。
(ウォーキングしまくって、この期間に体重が10kg減ったことも記しておきます。)

しかし実は、それは子供たちも一緒だったようです。

緊急事態宣言当初は「やった!学校休みだ!」

と言っていたのに、

最後の1週間ぐらいは「こんな生活いやだ!学校行きたい!友達に逢いたい!」

と泣き叫んでいました。

もしかしたら
子供たちのほうが私の相手をしてくれてたのかもしれません。

ごめんな。お互い大変だったよな。

2020年 4月から5月。

大人も子供も、

私たちは人と会うことに飢えていたんです。


イベントの再開


緊急事態宣言が明け、

吉本の劇場が再開。

しかし再開当初は土日だけの稼働。

出番が与えられるのは、しっかりお客さんを呼べる人気芸人のみ。

当たり前です。

劇場もギリギリだったんです。

自分にはなかなか出番が回ってきません。

ただ、私には「アニソンDJ」があります。

自身のイベント「アニソンディスコ」を再開させました。

発声は禁止。

フロアには枠線を引き、互い違いに立っていただく仕様にしました。

DJブース前には透明なフィルムがあります。


とてもクラブとは思えません。

それでも、人前でDJをやれることの喜びが勝りました。

再開の初回はしっかりお客さんも入っていただきましたが、

ただ、回を重ねるごとにお客さんが離れていきます。

増える兆しが見えません。

ここで私は、起死回生の一発に打って出ます。

八月はアニソンディスコ10周年イベントがありました。

10周年です!

10年やったんです。

毎年毎年、周年イベントは盛り上がるんです。

コロナ禍だろうが、可能な限り盛り上げたいじゃないですか。

制限はありますが

可能な限り盛り上げたいじゃないですか。

起死回生を狙い、

大きなハコを押さえ、告知を発表しました。

そこでまた違和感を覚えるんです。


違和感だらけのSNS

「SNSの反応が鈍い。」

思い切って出した10周年記念イベントの告知が

何か全然お客さんに刺さってないんです。

感覚でわかります。

「あれ?10周年なのにこんなもんか?」

私は愕然としました。

10周年イベントは思ったほどの集客ができず、

来場いただいたお客さんみなさんの期待に応えられたかどうかも正直あまりわかっていないです。

「SNSはもう終わった。」

私の中で結論が出ました。

「じゃ、直接会おう!」

アニソンディスコ10周年記念イベントの翌日から私は人と会って会って会いまくることを決めました。

ただ、漠然と会っても漠然です。
こんな文章はおかしいのはわかってますが、漠然と会っても漠然なんです。

企画にすることにしました。

「 #鮫島一六三を誘ってください 」

というハッシュタグを作り、
私が100人とお茶するという目標を定めて
動き始めました。

少しでも面白がってくれる人がいるといいなというのと

企画にしたほうが、世に対してフックになると言う思いと

奥さんも企画だからと何か安心してくれるんじゃないかというのが狙いです。
ここが一番大事。企画だから女性と会っててもOK。ここです。

まったく人が集まらなかったらそれはそれでまたネタにしようとも思ってました。


#鮫島一六三を誘ってください  スタート

「めっちゃ人がくる!」

私の予想に反して、めちゃくちゃお誘いが来ました。

あっという間に10人ぐらいお誘いいただきました。

それぞれ日取りを決め、すぐ動きだします。

最初の方は同じアニソンDJをやられてる男性。

あ、ここで #鮫島一六三を誘ってください のルールをどうぞ。


上記までが告知で出していたこと。

あとここに裏ルールとして

「イベントに来てください!」
「仕事ください!」


は、絶対に言わないことにする、ていうのがあります。

そこを出した時点で誠意がなくなると思ってました。

イベントに来たい人は自然と来るでしょうし
仕事をくださる方は自然とくださるでしょう。

お金じゃないものを
SNSじゃ得られないものを私は求めてました。

1人目のお茶の話に戻ります。

私は、芸人です。

喋れるエピソードをめちゃくちゃ用意していきました。  

オチの有無かかわらず、
一時間はノンストップでその人に喋れるように用意して行きました。

めちゃくちゃ楽しませようと思っていたんです。

ですがその考えはあっさりと打ち砕かれます。


トークの真髄

「え?しゃべんなくていいの?」

中野で待ち合わせして、ブロードウェイの純喫茶に入りました。

さあ、いざ喋ろう。笑わせまくろう!と思っていたんですが、話は雑談からその方の夢の話へ。

私はその方の話を頷きながら聞いて

そして質問して

また聞いて、いや、違うな。

ほぼ聴いてました。

気がついたら30分を大幅に超える一時間。

そのうち55分は相手が喋っていたような記憶があります。(なんならそこのコーヒー代も奢ってもらってました。え?!?)

そして彼はこう言ったんです。

「めちゃくちゃ楽しかったです!今日はありがとうございました!」

え!!!???

私、楽しませました!!?

聴いてばっかでしたけど!?

なにこれ!?ドッキリ!?

どこかで聞いた言葉が頭の中にフラッシュバックしてきました。

「話上手は聞き上手」

こ、、、このことか!!!

私は持って行ったエピソードトークをすべて忘却の彼方へ捨て去りました。

なのでその「一時間分のエピソードトーク、聞かせてぇや」と言う煽りは私にはまったく無効です。

忘却の彼方に探しに行ってください。

#鮫島一六三を誘ってください  初回で早くも私はトークの真髄に迫った気がしました。

「聴くんだ。とにかく聴こう。聴けばいい。」

「聞くってのは聞くんじゃあない。聴くことだ」 

と確かジョジョの奇妙な冒険 主人公 空条承太郎も言ってます。オラァッ!

スタートさせてから数回目で、まったく初対面の方からお誘いいただきました。

まったくの初対面です。

SNSでこのことを知って「私が誘ってもいいものでしょうか?」と問い合わせをもらったので

ぜひ!とお応えしただけの関係です。

もちろん緊張はありましたが
意外と怖くありませんでした。

なぜなら「聴けばいい!」ということに私はすでに辿り着いていたからです。

あと会話に困ったらもう一つだけ策がありました。

共通の話題を出せばいいんです。

この時期、超強力な、誰もがしゃべれる話題があるじゃないですか?

ラーメン?
わんこ?
占い?
趣味?
ゴシップ?

違います。

コロナです。

新型コロナてものが今一番、なんなら全人類の共通項。

みんなそれぞれコロナに対して思うことはあったし
コロナに苦しめられていました。

喋れることはほぼ無限にありました。

こんな調子で私はどんどん人とお茶を重ねていきます。

とにかく聴く。

この企画によく賛同してくださいましたね?
子供の頃、てどんな子だったんですか?
ご出身はどちらですか?
どんな街だったんですか?
どうして今のお仕事に就かれたのですか?
最近はいかがお過ごしですか?

質問に質問を重ねていきます。

会う人会う人、

その人の人生をめちゃくちゃ聴きました。

とにかく聴く。

頷く。

同調する。

感嘆する。

また聴く。

一日に2人と会うこともありました。

ダブルヘッダーしたその日は、頭がヘトヘトになってましたし、

なんだかその人の業を背負ったような、
何かに取り憑かれたような気持ちにもなってました。

人と喋る
その人の話を聴く というものはかくも体力を使うものかと気付きました。

ただ、どの方も最後には「今日はありがとうございました」とお礼を言ってくださるのです。

「ああ、私は人の話を聴きながら、この人のことをずーっと肯定してるんだ。それでいいんだ。」

なんだか良いことをしてるような気にもなっていました。


トークのゾーンに入った鮫島

周りの芸人さんや関係者さんから、

「鮫、なんか面白いことやってんね」

と言われることも増えていきます。

日々人と会い、喋り、それをSNSに更新し続けていたら

周りの方がそう声をかけてくれるようになっていました。  

SNS、全然終わってなかった!ありがとうSNS!

「鮫がやってること。めちゃくちゃ人にとっていいことしてるよ」

ととある先輩が私を肯定してくれました。

人を肯定することで上がる自己肯定感。 

イェー!と言ったらイェー!で返す。

それでもうアゲアゲの爆上げです。

#鮫島一六三を誘ってください  に私は誇りを持ち始めてました。

当時レギュラーでやっていたラジオでも、その力が発揮されていきます。

ゲストさんをお招きし、喋りながら

「ここをつつけば話が山のように出てくるぞ!トークの金脈はここだ!」

と秘孔をついたかのように喋ることができ始めてました。

なんか漫画であるじゃないですか。

武道の達人が、相手の立ち姿を見ただけで負傷箇所がわかる、みたいな。あれです。

あれの「喋りバージョン」がマジで見える時がありました。

「トークのゾーンに入る」て感覚と言えばいいでしょうか?

2020年中に

69人目まで到達。

これは2021年上半期でもう100人いくな、と思っていた矢先、

また緊急事態宣言に入るのです。


再び緊急事態宣言へ。陥るスランプ。

緊急事態宣言中は #鮫島一六三を誘ってください を控えておこうと思っていました。

そしたら2021年の殆どが緊急事態宣言下。

まったく進まなくなりました。

だんだんとモチベーションも下がっていきます。

同時になんとなく自分の中で引っかかっていくことが出てきます。

「俺、、、、"コツ"で喋ってたりしないか?」

テクニックに走り始めたらつまらなくなることがあります。

この企画によく賛同してくださいましたね?
子供の頃、てどんな子だったんですか?
ご出身はどちらですか?
どんな街だったんですか?
どうして今のお仕事に就かれたのですか?
最近はいかがお過ごしですか?

あれ?これ、、、テンプレ化してないか??

初期衝動の赴くままに走り出したはずが、
なんだか小手先で喋ってることはないかと

自分を俯瞰で見始めました。

この頃喋ってたみなさんがどう感じていたかわかりませんが、

もしそんな素振りがあったなら本当に申し訳ない気持ちです。

いや、わかりません。
自分でもテクニックで喋ってるのか
しっかり気持ちで向き合ってるのか
本当にわからなかったんです。

人と喋りすぎて感覚がおかしくなってきてるんです。

会話のスランプ?に勝手に陥ってました。

そんな中、一冊の本に出会います。


間にあるものを見よう

「会って、話すこと。」田中泰延 著

お、私と同じ考えだ。

そうそう。SNSじゃあないんだよ。
そうそう。オンラインじゃあないんだよ。
会って喋って聴くんだぁよ。

そう思って手に取ったその本のその帯に!

私は目を疑いました。
おい、目よ。お前は本当に目か?
目なのか?と?
目を疑いました。

「自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。」

え!!!!?

じゃ、何喋るんだよ!!

即購入。その本を貪るように読みました。

読み終えて思ったことは、、

なんというか

まとめると「互いのことを見るな。同じものを見ろ」と言うことでした。

まとめすぎちゃってますが
そういうことです。

気になった方は買って読んでください。

私は別に田中泰延さんの回し者でもないですし、マージンなんかも入るわけではありません。(お金はいくらあっても困りません。ください。)

例えば 夕焼け見て「綺麗ですね。」て言ったら「ほんとですね。」
て言えばいいんです。

野に咲く花を見て「綺麗ですね。」言ったら「そうですね。」
て言えばいいと。

お互いのことを話しあうのではなく

お互いの間にあることを目を向ける。

それが雑談だと。そうこの本には書いてます。たぶん。知らんけど。

まあ、読んでください!

これを読んでからの #鮫島一六三を誘ってください はまた変わりました。

いや、その後も相手の人生とか生い立ちとかは聞くんですが、

「そうじゃない会話の選択肢」が自分の中に生まれたんです。

選択肢が増える。それだけでまた余裕が生まれました。

思えば漫才をやるとき
真横に体を向けて、頭から爪先まで相手を見ると
見えなくていいものまで入ってきます

すっっごい腹立ってきます。

何を顔を白く塗ってんだ。
誰がフリーザだ。お前は山本だろ!
たまにはネタを書け。
てにをはを間違えるな。
ネタを作ってるのは相方です、て毎日誰かに言え。
バカ!

向かい合ってると
そんな気持ちになってきます。

暴言が過ぎましたが、私は謝りません!ええ!

しかし、漫才をしながらお互いの間にあるサンパチマイクを見るとどうでしょう。

そして、その先に広がるお客さまを見るとどうでしょう。

二人で同じ方向を見ればどうでしょう。

あら不思議。喧嘩はなくなるもんなのです。

夕焼けを見て「綺麗だね」と言えば、君は「そうだね。」と言う。
客席を見て「はいどーも」と言えば、君は「キェイ!」と言う。

それでいいんです。
それがいいんです。

人とお茶をしながら
相手のことを聞きながら

私はもう相手の業を背負うことは無くなってました。

時を同じくして、R藤本というドラゴンボールのベジータをやってる芸人とPodcastをスタートさせます。

雑談ばっかりしてますが、

僕はこの回が一番好きです。


どうでもいい話しです。

どうでもいい話しがいいです。

「雑談」です。


2020年8月17日からスタートさせた

#鮫島一六三を誘ってください

は、2022年5月30日をもって終了。

きっちり100人。

どの方も本当に面白かったです。

1人1人と喋ったあと、私は全員との記録をつけてました。

誘ってくださいノート


全ページにびっしり。その時の心情やお相手から特に気になったエピソードなどを記してます。


みなさんの普通は、私にとっての新発見でした。

面白い、てのは笑うてことだけじゃなくて
ぐっと興味を惹かれるとか、心が動かされるということ。
roughだけじゃなく、funnyだけじゃなく
interestingてこともまた面白いということ。

とある海の見える街 ご出身の方が居ました。
僕はサザンが大好きでそれだけで羨ましくも思えました。
話の中で、「駅の北側(山側)と南側(海側)で、海への信仰心が全然違う」という話しを聞いたときは驚きで椅子から転げ落ちそうになりました。桟敷でよかった。

保険をお仕事にされてる方と話しをしました。
その方から「私たちの仕事は、人からお金と命を預かる仕事なんですよ」という言葉をいただきました。
なによりも説得力を感じました。
自分からは絶対に生まれてこない言葉に、
尊敬と畏怖を感じました。

幼い頃、いじめを受けていたという方がいました。
いじめから自分を救ってくれたのが「好きなもの」だったとおっしゃってくれました。
「好きなもの」に熱中していたら、いじめなんか気にならなくなったと言ってくれる方がいました。

ブスだと言われ続けていたという田舎育ちの女性がいました。
都会に出て、ダイエットを重ねてバチバチのオシャレを覚えて田舎に帰ったら、みんながびびって話しかけてこなくなったそうです。その瞬間、私の人生にそのいじめっ子たちはいなくなったとそう言ってました。

今は契約社員だけど、正社員になりたくて誰よりも早く出社し、その日の仕事がスムーズにいく様に資料をまとめるのが日課だと言う方。

ただただずっとハイキューの話で一緒に盛り上がる方。


芸能の人の話ももちろん面白かったですが、
一般の方も本当に面白かったです。

誰もがみんな純正のオリジナルでした。

みんな違ってました。

芸能の方とお茶した次の回が
一般の方で「次が私でなんかすみません」と言われることがありました。

まったくそんなことないんですよ。

あなたはあなた。

たった一人のあなた。

誰一人キャラ被りなんかなかったです。

誰も「じゃないほう」なんかじゃなかったです。

どの方も
みんな面白かったです。
みんな違ってました。
みんな特別でした。

100人と喋りまくった私が言うんですから間違いないです。

みんな特別でした。

僕の人生に現れてくださって、本当にありがとうございました。

コロナ禍で、100人とお茶してわかったこと。

それは「自分もきっと、純性のオリジナルなんだ」ということ。

ここで言う「自分」てのは、

鮫島一六三のことであり同時に

あなたのことです。

誰も比べることはない
自分も誰とも比べなくていい

だって、全員違うんだもの。

全員、異種格闘技戦みたいなものなんだ。

相撲と野球を戦わせようがないじゃないですか。

そして面と向かって人と喋るその時間てのは、
とてもとても贅沢なものだと実感しました。

言葉に音程が乗っかって
表情が見えて
身振りが重なって
その場所、風景と一つになりまくるんです。

文字だけじゃ辿り着けないモノが、目の前に、在る。

その人がそこまでの人生を経て最適解だと判断して出した「言葉」てのは、一言一言にロマンがあります。

なんて贅沢なんでしょう。

「雑談」とはとてもとても贅沢な行為でした。

ひとまず100人とお話しさせていただきましたが

これからも私は、直接誰かと会ってお茶がしたいです。

そして僕は、もう自分から「じゃない方芸人」だと言うことを辞めることにします。※いじられる際に言われる分には構いません!そんなもんです!曖昧でいい!

ここまでお読みくださり本当にありがとうございました。

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500円 ご支援いただけると嬉しいです。

500円てのが大体のお茶代と交通費ぐらいかなーと。

ここまでかけた652日と約1万文字が少しでも報われます。何卒!

※この先の記事は 500円ご支援くださった方へのお礼のメッセージとなってます。

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