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ギル・ブレイクのマーケットタイミング戦略
『新マーケットの魔術師』で取り上げられているレジェンド投資家のギル・ブレイクのマーケット・タイミング戦略について、このnoteではたびたび参照しています。
しかしその詳細、特に、シグナルの発生ロジックや銘柄選定のクライテリアについては、本書のインタビューでは明確には回答されていません。
英語での記事や論文を検索してもほとんど何も見つからず、彼自身、詳細を語ってはいないようです。辛うじて分かることは、彼がキャリアの初期に取り組んでいたという地方債ファンドのタイミング戦略、「ペニー・ルール」と呼ばれるアプローチがベースになっているということです。
これは銘柄の価格の持続性に着目したロジックで、私の推察では、以下のルールであると考えています。
「価格が前日より高く引けた日の次の日は高確率で同じ方向に動く」という傾向を持った銘柄をユニバースとして選ぶ
一定期間のヒストリカルデータをもとに、価格の持続性とボラティリティを合成した指標が最も高い銘柄を買う
その銘柄が前日までと逆の方向に動いて(つまり安く)引けたら売り、その銘柄の次に価格持続性とボラティリティが高い銘柄を買う
ユニバース内のすべての銘柄が買い基準を満たさない日は、MMFに資金を移す
こちらのサイト(eurekahedge.com)によると、上記に近いルールで資金を運用した場合のバックテスト結果が掲載されています。デュアルモメンタム戦略にも非常によく似た結果が出ているように見えます。
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ただし、ブレイクのインタビューを読む限り、ドローダウンはもっと低くなっていたはずです。
彼は自身のファンドの出資者に対して損失の25%を自己資金から補填することを約束していましたし、月次パフォーマンスでは96%で勝利(139ヶ月中134ヶ月で利益を出した)という安定した成績を出していたとのことです。
多くの期間では、1ヶ月以内かつ5%以内など、極めて浅いドローダウンしか出していなかったと考えられるのですが、どうでしょうか。単に時代が違ったという可能性はもちろんありますが。
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