スターでも憧れでもない「人間」に自分でも思ってた以上に惹かれていた

キングオブコント2020、放送が終わった次の日、その大会に出場したある芸人のラジオを聞いて僕は泣いていました。

初めてちゃんと認識したのは去年のキングオブコント。それまでも電車のおじさんやクローゼットはテレビで見たことはあったけど、コンビ名と顔が一致したのはキングオブコント2019でした。
その時もネタは面白いと思ったけど、特別気になる存在でもなかったです。
それが「空気階段」でした。


時は経って2020年4月頃、もともといろんな芸人さんのラジオを聞いていた僕は新しい番組を聞いてみたくなりました。
Twitterのタイムラインでよく見かける #odoriba954
面白いとは聞いていたのでとりあえずその週の放送をタイムフリーで聞きました。
面白い、これは1話から聞いてみたいな。
ラジオクラウドを覗くとしっかり1話から保存されてました。(越崎さん、本当にありがとうございます)

もうそこからはあっというまです。鈴木もぐらといういわゆる「やばい」人間の話に笑っていたらそれを超えてくるやばさの「じゃない人」、そしてもぐらとは全く違うヤバさを持つ水川かたまり。
全部が全部面白かった。トークもコーナーも喧嘩も何もかもが。

# 20ぐらいまで聞いたあとに空気階段のYouTubeにアップされている単独ライブ「mosaipue」を見た僕は本当に開いた口が塞がりませんでした。
YouTubeにある他のネタはラジオを聞き始めた頃に全部見ました。
単独ライブだけは残して、時間を見つけて一気見しようと思っていました。本当にこの判断で良かった。こんなの時間が無い時に見てしまったら次の日の仕事や予定に身が入りません。

コントやお笑い、ツッコミやボケを超越した「ファンタジーと現実の狭間の世界」がそこにはありました。この2人はなんなんだ?ともう、少し腹が立つほどに好きになってしまいました。

その少し後、第3回単独ライブ「baby」を見終えたばかりの僕は、言葉にならない言葉を30秒ほど発していました。
これはもはや深くは語れません。是非見てください。僕はこの2人のコントに触れ続けていたいと思いました。


その後もラジオクラウドで踊り場を聴き続ける日々(元々聞いてたラジオも聞き続けているので一気聞きとかはできませんが)。    
 

そしてキングオブコント2020、去年最下位だったなんとも思っていなかったコンビを今年は応援している、何が起こるか分かりませんね。

1本目のネタ、初見のものだったけど腹抱えて笑いました。もぐらさんの強すぎるキャラ、かたまりさんの作る世界観。
そしてラジオを使ったネタに勝手に2人のラジオ愛を感じてしまい少し感動していました。
ファイナルステージ進出が決まった瞬間は父と姉がいる前でガッツポーズをしてしまいました。
姉に「そんなに空気階段好きだったん?」
と聞かれ、この時僕も初めて気付きました。
「僕は空気階段をいつの間にかこんなに好きになっていたんだ」

2本目のネタ。
見ている時はただただ笑っていました。ネタが終わった瞬間は、審査員の大竹さんも言ってたように「優勝するネタではない」とも思いました。
それと同時に1人で勝手にグッと来ていました。
父と姉がいたので大丈夫でしたが、1人ならもしかしたら泣いていたかもしれません。
2本目のネタを見終えた時に、なんともいえない感動が僕の脳を支配していきました。

ずっとみんなから嫌われて、クズの道を歩んで素人童貞だったけど、自分のことを好きと言ってくれる人に出会って結婚して子供も産まれて、でもクズで、でも変わろうとしている鈴木もぐらと。
お笑いに出会って人生を変えられて、でも人間的に必要だと言われる部分は確かに欠損はしていて、熟女好きで、マザコンで、そんな自分を変えてくれた1人の女性に泣きながらプロポーズしていた水川かたまりが。

世間一般で見ると普通の女性が、世間一般で見ると汚いおかしいおじさんに恋をすることをコントを通して肯定してくれたようで。
「俺らの人生はこのコントそのものだ」とキングオブコントの決勝という大舞台で表してくれた気がして。
間違いなく僕が知っている空気階段というものが、生々しくそこにはありました。

こんなことを感じてしまった次の日、生放送をリアルタイムで聞きたかったけど、それは体力的にしんどくて、でもタイムフリーでキングオブコント終了から24時間もしないうちに聞いた「空気階段の踊り場」。

そこにはキングオブコント直後の清々しい2人の声と、リスナーからの温かいメールと、かたまりの中のレインボー池田が色濃くありました。

その中でもリスナーからのメールを受けた後もぐらさんの熱い語り、そしてエンジェルベイビー。
そう。空気階段は駆け抜けた。

自意識と自慰で息がつまる頃
ラジオからロックが流れた
ロックンロールは世界を変えて涙を抱きしめて
ロックンロールは世界を変えてエンジェルベイビー
ここにしかないどこかへ

僕にとってのロックンロールは間違いなく空気階段。
ありがとう空気階段。


お笑いのある世界に生まれてきて良かった。

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