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うんこ太郎

先生をしていた頃の話です。

1年生の教室に自習監督に行きました。


カルタを読んでやらせてね、と言われていたのに

教室に行ったら急にメニューが変ってて

「国語の教科書を見て物語を創作すること」

になっていました。


えっ? カルタは?

ぼくがいぶかしげな顔をすると

ぼくが来るまで待っていた

1年生の補助の先生が

「それは昨日でした」

そう言い放って帰って行きました。


ぼくと子どもたち。

えっ?


子どもたちは

ギャーギャー

「どうしたらいいの?」

って叫んでいます。


ばなな「何を書くの?」

子ども「わかんない」

「ここだよ、この絵を見て物語を書くみたい」

気の利いた子が教科書を開いてぼくに見せました。


ばなな「ふぅん。じゃあ、それやって」

子ども「どうやるの?」

     「わかんない」

     「はじめてやるし」

ばなな 「げっ、はじめてやるの?」

子ども 「そーだよ」

     「はじめてだよ」

ばなな(何もしていないことを自習でやらせるか?)


困った末

「す、すきなこと書きなさい」


そうしたら、子どもたちが

やったぁぁぁ、って。

子ども「~はいいの?」

「いいよ」

子ども「~したらダメ?」

「いいよ」

子ども「まさか、~はダメだよね」

「書いていいよ」


だんだん子供たちが調子に乗ってきたのがわかりましたが

放置。


すると、やんちゃそうな子が

「う、うんこ太郎は?」


「最高だよ。何、書いてもいいから」

そうしたら子どもが

「うんこ太郎、最高だって」

って大声で叫ぶと、

教室があり方満載の場に。

げろげろげろっぴ

おしっこまんVSうんこまん

仮面ライダー○○

どらえもん

たいていの子が

教科書の挿絵を見て挿絵とは全く関係展開の話ばかり書いていました。


ときどき教科書の指示通り

「はなさかじいさん」

をすごく美しい字で書く

女の子もいましたが

それはそれでいいんです。


あなたの中に

ありのままの自分に連れていくスイッチがあります。

それが「うんこ太郎」です。


ところで

あなたのうんこ太郎は何ですか?


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