人工生命なコミュニケーション

いらっしゃい!
まあ、久しぶりやないの!
なにしてたん!!
まあ、いろいろあるやろから、
ねほり、はほり聞くのは止めとくけどな。
せやけど、あんたの
「女将さん」
ていうの、嬉しいけどちょっと
気恥ずかしいわ
おっきい声で、おかみさーんって
うち、オオカミやないんやから!
ところで、あんた
『サピア =ウオーフの仮説』って、いうもん
知ってはる?
言語の中にはな、文章の構造は、その文章を使うてはる人たちの認知構造が反映されてるから、同じように見えてるもんを英語で
言うて日本語で言うてって、翻訳可能って
言いはるけど本当にそやろか?

見てはる認知的構造が違ってんねから
怪しいもんやわ。
心っていうもんはな、外からやって来て
内側から生まれるものやないんかって、
この頃、うち、思うねん。
あんな、狼に育てられた少女は狼の心を
持つって言う話しやけど、それは狼の心が
少女に伝染してるんやないかなあ。

今こうして、あんたと話しているときも
うちは、あんたの心の一部がうちの心の中に入ってくるみたいな気イーしてるし、
うちの心の一部は、あんたの心の中に入っていってると思うねん。

それがコミュニケーションっていうのんと
ちゃうのん?

確かにな、計算っちゅうもんを新しく
捉え直したい時には 、うーん、どない言うたたらええんやろ…
せやなあ、例えば、そういう要素とかも入ってくるんちゃうんかなあ。

あっ、しょうもないこと、だらだら
しゃべってたせいで、シシャモこげてしもたやんか!!
ああ、はずかし!
えっ、コゲて苦いのが好きやって!?
あんた、相変わらず優しいなあ
ちょっと これ、 食べて!
近所に生えてんの摘んできてん!
土筆(つくし)の甘辛炒め。
お口に合うたら嬉しいな。
なんや、ちょっと前まで寒い日続てたのに
知らんうちに春が来てんねなあ…


なんと、ありがたいことでしょう。あなたの、優しいお心に感謝