賛否両論あった、ミュージカル「えんとつ町のプペル」の挑戦。
こんにちは!
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』プロデューサーの瀬戸口祐太です。
たくさんの方々の力をお借りして、先日、東京キネマ倶楽部にて初演を開幕、そして、千秋楽まで無事完走することができました。
劇場に観に来ていただいた皆さん、オンライン配信で観てくださった皆さん、本当にありがとうございました!!
この期間、劇場で見るお客様の顔や、SNSで寄せられる感想を見て、本当に全てが報われるというか、このカンパニーみんなで挑んできたことに手応えを感じられる日々だったのですが、
ここに至るまでには、色んな葛藤や挑戦があったので、そこについても少しずつ、皆さんと共有していきたいなと思い、こうして今日ブログを書き始めています。
まず、一番最初の頃を振り返ると、
このプロジェクトは、全くの0から始まりました。
一年前の今頃、チームにいたのは、僕と、アシスタントプロデューサー(元劇団四季・今回の企画の発起人)の小野さんの2人だけ。
カンパニーとしても、ミュージカルの興行は初めてで、実績も信用もありませんでした。
小野さんとは「どうしようね(笑)」と、不安な心中を必死に隠しながら、一人一人、一緒に戦っていきたいキャストさん、スタッフさんに会いに行きました。
、、誤解がないように、お伝えしておくと、(偉そうだなと思われるかもしれないですが)、やるからには1発目から、全く妥協のない作品を作ろうと決めていたので、
自分たちの信用がまだないことも分かりつつも、ただ、何も忖度せずに、「絶対にこの人だ!」と思った方に、真っ直ぐお願いしに行きました。
終演後もカンパニーメンバーに向けて、ご挨拶させていただいたのですが、改めて、オファーを受けてくださった今回のキャスト・スタッフの皆様には感謝しかありません。
最初から最後まで賛否両論あるプロジェクトでしたし、僕を筆頭に経験の浅いカンパニーだったので、不安にさせてしまったことも多かったと思うのですが、
それでも、「絶対にいい作品を作ろう!」「この作品が何かの突破口になるんだ!」という想いを共にして、最後まで一緒になって挑戦してくださった仲間がいたから、ここまで来ることができました!
間違いなく、今回のメンバーでなかったら、絶対にこの作品はできていません。
ちなみに、「賛否両論ある」ということに関して、僕の見解をここではっきりさせておきたいのですが、
まず、「賛否両論ある」ということは、ポジティブなことだと捉えています!
そして、「賛否両論あるだろうな」と思いながら、そこに突っ込みました。
今回、演劇界・ミュージカル界ではあまり前例のない、「初台本読み合わせの生配信」や、「音楽をMV(ミュージックビデオ)にして先行公開する」といった挑戦を試してみましたし、
「オンライン配信」のクオリティにこだわって、前面に押し出し、今もなお1万枚以上のチケットが売れ続けていたりします。
もちろん、「稽古という神聖な場所を配信するなんて何考えるてるんだ。」「キャストの気持ちを考えてるのか!」
「舞台は生なんだから、配信なんて。。」
といった、批判が来ることもわかっていましたし、実際にたくさんきました(笑)
「お前は経験がないから、舞台のことを知らないから、そういうことができるんだ。」とも。
ただ、「じゃあ、本当に日本の舞台業界はこのままでいいのか??」ということは、真剣に考えた方がいいと思っていて、
僕が飛び込んで見た舞台の世界は、めちゃくちゃワクワクする世界であった一方で、「お金の問題」にあまり踏み込んでいないようにも見えました。
例えば、多くの現場で、「キャストさんに対して、稽古に対するギャラが支払われていない。」という現実を知りました。
「よそ者が偉そうに何を言ってんねん!」かもしれないですが、ただ、やっぱりそこには違和感があって、
僕たちのカンパニーは、一番初めに、「本番出演のギャラの水準を下げずに、キャスト全員に稽古のギャラも支払おう!」ということを決めました。
、、そう決めた上で、「どうやったら支払えるのか??」ということを考えたんです。
もっと言うと、「どうして支払えていないのか??」ということを考えたのですが、
シンプルに、「(従来のやり方では)お金が足りない」というところに辿り着きました。
もっと具体的に言うと、「劇場のチケット代の収益だけを予算にする作り方だと、どうしても限界がある。」ということに気がつきました。
そんなこんなで、「まだ手をつけられていないけど、価値があるもの」を探り、「稽古の配信」や、「生の体験に負けないオンライン配信」、「10万円のVIP席を作る!」といったところに手をつけてみました。
「一般のチケット代収入以外の部分で、いかにお金を作って、それをキャスト・スタッフや、舞台そのものの製作費に還元できるか??」
という挑戦です。
当然ですが、「より多くのお金を支払う、より多くの製作費を使う。」という道を選べば、その分、どこかでプラスでお金を作らなければいけません。
なので、「お金を使う」と「お金を作る」はセットで考えるべきで、「お金を作る」の部分だけを切り取った批判が来るたびに、
そこを否定しちゃうと、どんどん「作品」や「業界」がしぼんでいってしまうな。。と、正直思っていました。
ただ、いただいた意見や、意見をくださった方の気持ちも、めちゃくちゃわかるんです!
どっちの意見も合っていて、どっちの正義もあります。
ただ、それなら、「自分たちがこっちだ!」と思う方に進もうと。
「お前は経験がないから、舞台のことを知らないから、そういうことができるんだ。」と何度も言われましたが、でも、そういう人だからこそ、踏み込める部分もあると思ったんです!
そんな想いがあって、僕は、今回、「舞台を作る上での"お金"の部分、ビジネスモデルの再構築」と、しっかり向き合うことに決めました。
、、圧倒的な作品をお客様に届けるために、そして、チームメンバーを守るために、1番の土台にある「お金の問題」から見直そう!という挑戦です。
なので、今回の、ミュージカル『えんとつ町のプペル』にまつわる、一つ一つのトライや挑戦の責任は、全て僕にあります!
その上で。
「責任」と言っても、僕なんかは、積み上げてきたものも少ないわけですから、失うものも少ないはずで。
心底、カッコいいなと思ったのは、
演劇界でたくさんのものを積み上げてこられた、キャスト・スタッフの皆様が、真正面から、新しい挑戦と向き合ってくださって、
一緒にディスカッションしながら、一歩ずつ前に進んでくださったことです。
僕1人では、影響力も信用もないのですが、今回出てくださったような、演劇界で信用や発信力があるキャスト・スタッフが、頭を突き合わせて、時には意見を戦わせてディスカッションしたり、
実際に、世の中に対して、新しい試みを提案できたことが、すごくすごく大きな一歩だったなと思っています。
そんな意味で、今回のカンパニーメンバーの皆さんに対しては、「ミュージカルを一緒に作った仲間」として以上の想いがありますし、それ以上の感謝があります。
本当に、生き様がカッコいい人ばかりでした!
少し長くなってしまったのですが、
ここまでが、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のこれまでの挑戦についての話で。
近い将来、また日本での再演も考えていますが、
来年は、この日本での初演を一歩目に、NY・オフブロードウェイに、このミュージカルを持っていきたいと思っています!
3日後から、NYに早速飛んで、劇場のブッキングと、そしてNYにいるクリエイターさんと作戦会議をしようと思っているのですが、
絶対に、今年よりも更に険しい道になるだろうなと、覚悟しています。
きっと、「日本から遠隔で!」なんてノリじゃ通用しないと思うので、僕自身も来年頭からNYに移住して本腰を入れる覚悟です。
僕自身、まだまだな部分ばかりなんですが
今回、脚本・演出の西野さんと、そして、キャスト・スタッフの皆さんと命をかけて作ったミュージカル「えんとつ町のプペル」というこの作品を、世界に広げられるように、
そして、この作品をずっと守れるように、日々成長していきます!!
これからもよろしくお願いいたします。
瀬戸口祐太(セトちゃん)
最後まで読んでいただきありがとうございました😊😊
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いつもありがとうございます!! これからも、自分の目で見て、肌で感じたことを等身大の自分で発信していきます。