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樋口婚(切腹婚)のすすめ#11ジャイアンからの贈り物

この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り、幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。


3月末日、大学病院へ検査結果を聞きに行った。


結果は「高度異形成・上皮内がん(CIN3)」だった。

命に別状はなく、手術もレーザーで焼き切るという簡単なものなので、現段階では子宮を取ることはないと説明を受けた。

コロナ過だったこともあり、手術はちょっと先の5月中旬になった。


もう以前ほど怖くはなかった。

きちんと説明を受けたからもあるが
むしろこのおかげで、これからの自分の生き方が
はっきりしたように思えて、すっきりしていた。


喉元過ぎれば、事故も病気も
全てが自分にとっては色んな物を手放すための
自分が作り上げた神様からの贈り物のように思えた。


そしてその夜。


計ったかのように
またバンドメンバーのMちゃんから連絡があった。


Mちゃん「バナナ~結果どうだった??」

バナナ「簡単な手術で大丈夫みたい!」

Mちゃん「よかった~!じゃあ例の人紹介するね!」

バナナ「あ・・・それは・・・やっぱり、手術が終わってからがいいな。さすがに今子宮頸がん治療中ですって、ちょっと重たくない?(ただでさえ車も持ってないしなあ)」

Mちゃん「そっかあ~・・・あ、ちょっと旦那がかわれって言ってる」

バナナ「え」

Mちゃん旦那「おいバナナ。病気、とりあえず目処はついたんやろ?」

バナナ「う、うん。でも変に心配や迷惑かけてもいかんし、全部終わってからがいいなって思って」

Mちゃん旦那「それがもう違う、逆やろ!」

バナナ「?」

Mちゃん旦那「いいかバナナ、こういう時こそ、男の力借りないかん。何か頼ったらいいし、支えてもらったらいいやん。あいつ良いヤツやし。もう連絡先送るから、バナナから連絡とって会え!この電話が終わったらすぐLINE送れよ!」

Mちゃん「バナナ~ごめんね急に。私はバナナが送りたいタイミングがいいって言ったんだけど。とりあえず送るね、よかったら連絡してみてね~」


嵐の様な電話の後、LINEの連絡先が送られてきた。

ぬかりなく、送ったら報告しろとのMちゃん旦那からの圧付きで(笑)


Mちゃん旦那、押しがすげえ~・・・


ジャイアンかと思った。


でもあんまり話もしたことのない相手に
ここまで言ってくれる人、なかなかいないよなあ


これはすぐ送るしかないと、LINEを送った。


<Mちゃん旦那さんから連絡先を教えてもらいました
バナナです!よろしくお願いします(^_^)>


妙に疲れたので眠ろうと布団に潜ると
Mちゃんの旦那さんが放った言葉が、妙に頭に残った。



「こういう時こそ、男の力借りないかん。」



今まで彼氏や好きになる人に対しては
「迷惑をかけない」がまず念頭に来る私からしたら
浮かびもしない考えだった。

でもたしかに、結婚を考える相手なら
一方的じゃなくて、お互いに力を貸し借りできる
フェアな関係性がいいよね。


この言葉を受け入れようと思いながら眠りについた。




次の日の朝、相手から返事が来た。


<はじめまして(^o^)●●です(^_^)
Mちゃん旦那さんから少しお話聞きました(^▽^)
よろしくお願いします(_ _)
今日はお仕事なんですか!?>


LINEの文面からは、ちょっと絵文字多いけど
真面目そうで、ほどよくリードとってくれる
優しそうな人だな~という印象を受けた。


ぶっちゃけ、今までの婚活相手やマッチングアプリの
相手とは比べものにならないくらい良いやりとりが続き
だんだん、早く会いたいなと思うようになっていた。
(今までの人はどんなやりとりだったんだっちゅー話)


そんなやりとりの末

私たちは5月4日に会うことになった。

(続く)

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