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樋口婚(切腹婚)のすすめ#19ありがとう樋口婚よ!刀の意味とは・・・

この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。




2021年12月25日 友引


年始に字の如く
決死の思いで手帳に♡をつけた日

市役所に婚姻届(ドラえもん柄)を提出しにいった。


なんとその日は
たまたま年に1度の電気点検日で
市役所内は真っ暗、
休日担当職員もお休みだった。


警備員のおじさんに懐中電灯で照らして貰い
これまた警備員のおじさんに婚姻届を提出。
(翌日職員さんが正式に受理してくれるそうです)


おじさんと暗闇に包まれながらの婚姻届提出。


「ネガティブな人だったら
 うちらの結婚お先真っ暗やんとか言いそうやな」

などと冗談を交わし

「レアでめっちゃええなあ」

と笑い合った。





2022年1月


年末年始をRさんの実家で過ごし
私は36歳になった。


1年前のあの朝

コメダ珈琲で1人、パンをかじっていた私が

1年後の今

新しい家族と一緒に、お雑煮を食べている。


あんなに何年も苦しんでたのに
たった1年で人生が変わった。



もしもあのとき
トッキンマッシュの二人に出会っていなかったら




もしもあのとき
コテンラジオを聴かなかったら



もしもあのとき
ポッドキャストをはじめなかったら



もしもあのとき
樋口婚をすると決意しなかったら・・・




そんなの無くても
出会えていたのかもしれない。


ただ
そんなたくさんの「もしも」の先にたどり着いた
「私」だから


「彼」と結婚できたことだけは
間違いの無い事実だ。





正月の宴会の後

お義母さんから
「大事なものだから、バナナちゃんに渡しておくね」
と、Rさんの実印を預かった。

そして
お義母さんからの説明に
私は耳を疑った。


本当はね、うちの苗字、刀がついてたの。
 あまり使われないから、簡単な字になったんだけど。
 実印とかには、昔の漢字のまま、刀を入れてるんよ」


思わず、Rさんと顔を見合わせた。

Rさんも初耳だったみたいで
驚いた顔のあと
思わず2人で笑ってしまった。


お義母さんは
笑う私たちを不思議そうに見つめ

Rさんは
実印を確認し


「僕、こっちの字の方が、好きやなあ」


と言った。




こんなオチまで用意してくれているなんて。

私の作り上げた神様は
仕事が出来過ぎだろと思った。



私にとって刀は

決意の象徴で

腹じゃなく

未来を切り開くものだったようだ。



実印に刻まれた刀の文字を眺めながら

心の中で、あのフレーズを歌った。





「愛があるのがあたりまえ~♪」




(完)

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