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樋口婚(切腹婚)のすすめ#15迫り来る期限の3ヶ月記念日

この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。




Rさんは本当に優しい人だった。

私が車を手放したことを伝えた時も

「僕が運転すればいいじゃん。
 それより歩道だって危ないから気をつけてね。」

と言って、実際に仕事の昼休みに抜け出して、送迎をしてくれたこともあった。


子宮頸がんのことも

「治るの?良かった。
 僕にできることがあれば何でも言ってね。
 自分の体第一にしてね。」

と言って、私が無理をしてたら、私より先に気づいて、さりげなく休ませてくれ、婦人科にも積極的についてきてくれようとした。


入院、手術の時なんかは
「過保護か!」というくらい心配してくれて

Mちゃん旦那のいう通り、本当に支えになってくれた。




これが・・・あの、噂で聞く・・・



大事にされている、ということか・・・!!!



Rさんの言葉ひとつ行動ひとつがとても新鮮で

有り難く、感謝の毎日だった。


「自分を大事にすると、人からも大事にされる」


とはよく聞いていたけど

今までの恋愛と比較して
改めてこの理論は正しいと確信した。



一緒にいればいるほど、どんどん好きになっていくし
不思議なくらい順調に交際は続いていた。



とはいえ、心はずっと、焦りを感じていた。



そう、切腹婚の事前締め切り日の9月16日が
もうそこまで迫っているのだ。


3ヶ月記念日に結婚の話をきちんとしよう。

そこでもし断られたら、次に行かなくてはいけない。

もしもの事を考えると怖いけど、
しっかりそこで向き合おう。




不安と緊張でむかえた
3ヶ月記念日の8月22日


Rさんがうまいと喜んでくれた
バナナ特製キーマカレーを食べている時に

なんと、Rさんから、その話を切り出してくれた。



「結婚相手はバナナちゃんだと思ってる。
 だから、同棲してほしい」



うえーーー!!!?



なになに!プロポーズ!!!!!?



・・・ん?待てよ、ちょっと違う・・・?



同棲・・・??



「うれしい!私もそう思ってる!
 でも、同棲してからってなると時間もかかるし…
 いきなり結婚じゃ駄目なの?」


「正直、僕は同棲しても
 結婚したい気持ちが変わらないと思ってる。
 でも…絶対なんて無いってことも知ってる。
 それに、もしかしたらバナナちゃんが
 僕を駄目だと思うかもしれない。
 その時は正直に何でも言ってほしい。
 それに…
 結婚は、片方だけが都合いいものだと成り立たない。
 お互いが本当に一緒に暮らしていけるかどうか
 短期間でいいから、ちゃんと確認したい。」



Rさんは
実は、過去の人と
私の経験なんて、比べられないほど
とても、とても、辛い経験をしていた。


それを知っていたから
この条件は飲まないといけないと分かっていた。




そして

絶対なんてないのは分かってるけど


絶対、心からRさんを安心させてあげるんだ


と心に誓いながら、私は頷いた。

(続く)

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