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診断結果

先日、長年悩まされてきた症状についに診断が下った。


その病名は…


   「一生片付けはできない病」


診断を下された今、私はというとこの症状が自分ではどうにもならない不治の病?だったと分かり正直ホッとしている。


頑張れば、本気を出せば、私にだって出来るハズ。というのは幻想だった。

それに、よくよく考えてみたら片付けなんてする気もさらさら無かった。

そんなのは私の仕事じゃない。他の誰かがやれば良いと思っていた。

それなのに、「片付いた家で気持ちもアタマもスッキリさせて、やるべき事にしっかり取り組みたいのに、上手く出来なくて困っている」という悩みを勝手に創作し、脳内のカセットテープを擦り切れるまで再生しながら動き出さないことへの言い訳にしていたのだ。

自分に対する「やるやる詐欺」である。

しかしこの診断が下るまでの数十年間、昨今の断捨離ブームや「家を片付けて開運☆」などという話題やステキなミニマリストさん達を見聞きするたびに、小さな胸を痛め、それが出来ない自分をディスり続けてきたことも紛れもない真実。

これを機に頑張ればどうにかなるという幻想にはサヨナラして、もうカオスのまま生きて行く。

そう決めた日の夜、実家の母親から電話があった。

「ちゃんと部屋の片付けやってるの?一人だからって散らかしっぱなしにしないで、キレイにしときなさいよ」

と、唐突の生活指導。

来た来た来たーーー!!

急にまた、どうした母ちゃん⁇ここ数年は言わなくなっていたのに、久しぶりにそのセリフ言ったね。

と、あまりのタイミングにおののきながら


「母ちゃん、私もう片付けはしないって決めた」


そう宣言した時、私の中で何かがスポン!と抜けたのが分かった。

ああ、ここだったんだ。私の詰まりは。

対する母親は一瞬バグったかのように無言になり、そのあと若干テンパった様子で「なに言ってんの!そんなのダメに決まってるでしょ!!」と、怒りながらうろたえている。

そりゃそうだよね、何十年も続けてきたロングランのお芝居で相手役が突然台本にないセリフを喋りだしたようなものだもの。(例えが変だけど)

それでも頑張ってお芝居を続けようとする母ちゃん。

「私もたまにはアンタの家に行って手伝ってあげなきゃと思ってるんだけどね。遠くてなかなか行けないわ」

という、いつものセリフ。


ああ、擦り切れそうなカセットテープがここにも・・・。

と、その時初めて理解した。


きっと母親も母親なりに、「母親たるものこうあるべき」という脳内の脚本があって、幻想的なセリフをオート再生しているのだ。


母ちゃん、ムスメのカオスは母ちゃんのせいじゃないよ。

だからそんなこと言ってくれなくても、丈夫に生んでくれただけで、元気に長生きしてくれているだけで、十分感謝してるよ。

と、変容してしまったムスメは思う。


そして、これからは空いた時間とエネルギーで旅にでも出よかと思ってる🎒


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