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エケベリア属・大和錦の水栽培化

 過去にサボテンで行った水栽培化を多肉植物でもやってみる。

ダイソーの多肉植物を買ってみた

 ダイソーの植物コーナーを覗いてみると、観葉植物のほかにエアープランツや多肉植物も以外にも種類豊富に取り扱っていることに気付く。
 今回も面白そうな植物を探して、目に入った多肉植物を購入してみた。

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 「エケベリア」と書かれたプレートが付いているが、専門的に多肉植物を扱う店でない限りより詳細な品種名まで記載されることはないため「エケベリア属の一品種」として扱う。
 調べてみたところ「大和錦(エケベリア・ディオニソス)」という品種と考えてよさそうだ。

 すでにサボテンを含む多肉植物をいくつも育てているので、この大和錦では別の栽培方法を試してみたくなった。

水栽培化とは

 今まで土を使って育てていた植物を使って水栽培をすること。厳密には「水栽培化」という言葉はないのでほぼ造語のようなもの。

 水栽培化にあたって必要なことは、植物をこれまでと異なる環境に適応できる状態にもっていくことである。

 ちなみに、「水栽培」は水のみで育てる栽培方法を指す。あまり区別されないものの「水耕栽培」は厳密には培養液(液肥)によって育てる栽培方法である。

水栽培化にあたって

時期
 これといって、水栽培化を避けるべき時期あるいは適期についての情報を耳にしないが、生長の止まる休眠期では水栽培に適応した根も出にくいだろうという判断で、休眠期は避けてそれぞれの植物の植え替えの適期に合わせて行う

材料
-道具
 ・園芸用ハサミ(刃が清潔なもの)
-材料
 ・多肉植物:大和錦
 ・根腐れ防止剤:ゼオライト、麦飯石(ダイソーの水槽コーナーで購入)
 ・鉢底ネット(プラスチック製)
 ・瓶(口が広く、容量の大きいものが好ましい)

作業開始

①土を取り除く
 鉢から中身を取り出して、土を払っていく。
 数日前から水やりを控えて乾燥させておくと土を取り除きやすくなるらしいが、百均のポット苗は土がガチガチに固められていることがあるので大して差が出ないかもしれない。後の作業で根を半分ほど切るので、ダメージを恐れず下の方の土から突き崩していくと楽。

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 根が露出した状態になったら、筆などを使って丁寧に土を落としていく。
 できるだけ清潔な状態にしておきたい。

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②根切り
 清潔なハサミを使って、根を半分~1/3ほど残して切り落とす。
サボテンの植え替えの時と同様に、ルートン(発根促進剤)を切り口にまぶしておいた。

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 この段階で、鉢底ネットを切り出しておく。
 水栽培に使う容器の口にしっかりと乗るサイズで切り出して、根を通しつつ植物が落下しない程度の穴が開いているのが理想。

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③乾燥
 新聞紙で軽く包んで、日陰の涼しく風通しの良い場所に保管しておく。この作業は、切った根の断面を乾燥させて傷口を塞ぐために行う。
 多肉植物は葉や茎に水分を蓄えることができるため数日であれば水を与えなくても問題ない。

 5日から一週間ほどかけて乾燥させておく。

④容器の準備
 水栽培に使用する容器、根腐れ防止剤を用意してよく洗っておく。
この時、絶対に洗剤を使用してはいけない。

 根腐れ防止剤として、有害物質の吸着効果に期待できるゼオライト(写真左)と、水質調整効果とミネラルの溶出ができる麦飯石(写真右)を混ぜて使った。水栽培は土植えと比べてどうしても栄養が不足してしまうので、麦飯石から溶け出るミネラル分に淡い期待を寄せる。

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 容器。
 口のすぼまった容器を使うと、根が成長して広がった場合、今後の水替えや洗浄作業の際に根がつっかえてしまう可能性があるので、できるだけ口が広くストレート形状の容器を使うことをオススメする。牛乳瓶とか。

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⑤作業完了
 根の先端が軽く浸かる程度に水を入れる。
 数日経って、新しい白い根が出てくれば水栽培化が無事完了した証だ。

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 5日ほど経って、小さな根が出ているのが確認できた。
 根が取れることがあるかもしれないが、古い水栽培に適応できていない方の根であれば、それほど気にしなくても良い。

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その後の管理

 常に根の一部が水面から出ているように水位を管理する。植物は根からも酸素を取り入れるが、完全に水没させてしまうと「呼吸」が満足に行えないためだ。

 水換えは一週間に一度(冬場は二週間に一度)を目安に行う。ただし、水が温くなっていたり、汚れている場合はすぐに水を換える。肥料を与えたり、日光に当てた後は水質が悪化しやすいため、直後の様子に気を配る。
 また、容量の小さい容器で栽培をしている場合、水質や水温の変化が激しいため水替えの頻度が増えることにも注意。

さいごに

 水栽培は土を使用しない分、比較的、汚れにくく衛生的に植物を育てることのできる栽培方法で、インテリア性も非常に高いことが特徴だ。
 普段見ることのない根まで観察することができ、見た目も涼し気な水栽培。ぜひ挑戦してみてほしい。


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