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染色技法について

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作品制作で主に用いる蝋けつ染めをはじめ、その他の染色技法について記します。
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使用染色道具と販売店

蝋けつ染め絵画を制作するときによく使う染色の道具と、売っているところのまとめです。
販売中止になったり(染色道具はよくある)、新しく使う道具など、随時情報を更新していこうと思います。

■蝋
パラフィン
標準的な蝋です。一番よく使います。
http://www.tanaka-nao.co.jp/shop/218-009-50.html
蝋を焚く時は必ずマスクは必須です!

■チャンチン
みやこ染の

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蝋けつ染め絵画の制作工程

蝋けつ染め絵画の作業工程を順々に画像でおって説明します。
(※私の制作での工程なので自己流です。)

防染のための蝋をひいていきます。チャンチンで蝋をひきます。
蝋の線、この部分が防染されるのです。

酸性染料を使用します。とても鮮やかな発色の絹布用の化学染料です。
日本画用の筆で彩色します。

新聞紙に挟んでアイロン脱蝋をします。
アイロンの熱で蝋を溶かして新聞紙に吸着させます。

筒型の蒸

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蝋けつ染めとは

防染剤に蝋を使った染色技法。
溶かした蝋を布に塗り、模様を描く。染料にてその布を染色し、蝋を落としす。蝋を塗った部分は水(染料)を弾くため白く染め抜かれる。より複雑な模様を作るためにこの工程を繰り返す。

日本においては奈良時代に唐から技法を学んだ﨟纈(蝋を使った紋様染め、蝋けつ染めの原型)が盛行する。しかし奈良時代以降は防染用の蜜蝋の入手が難しくなり途絶えてしまう。
明治時代になって、京都高等工

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