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件名テストをやる時に注意したいこと6つ

件名テストは一次目的は開封率アップのために実施しますね。
しかし最終目的はメールからサイトに訪問してコンバージョンしてほしい以上、ユーザーやランディングページに応じた件名付けやそのテストを実施せねばなりません。一般的に認識されている件名テスト上やってはいけないことを取り上げます。

(1)ターゲットが明確ではない一斉メールで件名テストすること

長年の既存顧客と、新規の見込み顧客に同一件名のメールを送るのは良くありません。お題を用意します。
楽天の社員として「毎月5と0のつく日は楽天カード利用でポイント4倍」の販促メールを作成するとしましょう。
 この開催日にページ上でエントリーボタンを押して、楽天カードで商品を購入すると楽天ポイントがたくさんもらえるというもの。私の考えた件名の例を出します。
A.明日はポイント最大4倍!毎月5と0のつく日はお得 - 楽天市場
B.明日は【5と0のつく日】ポイント最大4倍 - 楽天市場
 しかしこれは多数のユーザーに一斉に送るメールの場合ならばテストしない方がいいのです。新規ならAを配信すべきで、既存客はBを配信すべきと思いますから。理由を述べます。

<新規の見込み客>
新規の見込み客はランディグ先のことをよく知らない。「毎月5と0のつく日」がいかにお得かというメリットをご存知ありません。新規の見込み客には、"ポイント最大4倍"というメリットを知ってもらうのが優先度が高いです。なのでAの件名にすべきでしょう。

<既存客>
既存客、特に「5と0のつく日」参加歴が多い人は楽天ポイントが付与されるメリットはご存知なわけなので"ポイント最大4倍"は不要。「明日」「5と0のつく日」が開催されるというリマインダーの意味が重要で、Bの件名にすべきでしょう。
したがって、以下の手順が重要です
1.「誰に」「どんなメールを送るか」を書き出す
2.メール配信をセグメント毎に分ける
3.件名テストを実施

よく件名改善の記事では「ファクトを示しましょう、特に数値などは良い」など解説してあります。それもターゲットによります、ということです。

(2)誤差レベルの件名の違いで実施すること

これは理解もできまして、件名を大きく編集すると本文やランディングページの文言も一緒に変更しないとパフォーマンスが良くありません。
広告などでも広告文とランディングページの一致は重要事項ですね。
実際、件名を大きく編集して開封率は上がったがクリック率が減ったり、CVR(CV/配信数)で見ると効果が微妙な場合がありますし私も経験あります。
 また、B2BのようにN数(テストの対象件数のこと。メールでは宛先数)が少ない場合テスト結果が信頼できるかも怪しくなります。
 ランディングページ改修も伴うと労力が要るので先に説明した以下のことは実施しましょう。
1.「誰に」「どんなメールを送るか」を書き出す
2.メール配信をセグメント毎に分ける
3.件名テストを実施
そうすれば、テストをしなくても今までの知見で優劣がわかる場合もあります。

(3)件名上の変更の要素が複数あること

こちらは仮想の楽天の年次のリアルイベントという体裁で件名を作りました。
A.参加しませんか?2024年楽天ワールド
B.10月1日は空けておいて!三木谷が登壇

"?"と"!"で前半と後半が分かれています。
しかし前半後半それぞれ編集しすぎて、どちらが開封率に貢献したのか不透明になります。

(4)テスト部分が後半にある

人間が一気に見られる文字数に限りがあり、しかもメールチェック量の多さや疲労などによりさらに制約が出ます。前半の書き出し部分が優先的に見られる訳なのでそこに変更要素を出してテストしましょう。

(5)パーソナライズできる場面でしないこと

1to1で一人一人に名前や金額などを出し分けて件名にするなら、運用経験の長さや場合によってはコーディングのスキルまで要求されたり、エンジニアと協力したりと大変な場合もあります。
でも部署や、既存客か新規客かなどセグメントごとにメールを分けるくらいならできる場合も多いでしょう。それができるなら件名テストよりも優先度が高く、開封率向上の期待値が持てます。
既存客への件名例: いつもありがとうございます…
総務部署の件名例: 管理系部署の方必見…
セグメント別に出し分けされた件名なら開封率は当然高いわけなのでパーソナライズした方がいいでしょう。パーソナライズした件名の中でさらに優劣検証するためにテストしてみるのもいいですね。

(6)世にある知見を使わない

以下に列挙したことはメルマガマーケター向けの記事でよく書いてあることです。それを参考にせずに件名を作文しても効果が不透明なだけでなく件名の策定に関して承認者がいる場合、根拠について証明しにくくなります。
<ノウハウ例>
・数字...例:最大4倍、半額、コストを下げる31の方法
・新規性や希少性...例:新作、新発売、限定
・韻を踏む...例:あなたの高い車を高く売る
・緊急性...あと3日、本日限り
・オファー...無料、進呈

以上いかがでしたか?もし思い付いたらまた加筆いたします。

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