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押し目買い・戻り売り手法①

ここではEMAとフィボナッチリトレースメントを使った押し目買い・戻り売りの裁量手法を紹介します.
トータルで勝ち切れない初心者向けの手法です.
勝率は高めでRR(リスクリワード)が1となります.
フィボナッチリトレースメントは苦手意識のある方もいるかもしれませんが,使った事が無い方が使えるように解説するので大丈夫です.

1.コンセプトと高勝率の理由

■手法概略

200期間EMAでトレンドを把握し,50期間EMAとフィボナッチリトレースメントを用いて押し目の位置を推定し,IFDOCOでエントリーします.
利食いは直近高値付近です.
損切りは勝った時に得る獲得pips数と同じ幅です.

大きな上昇トレンドにおける押し目を狙ってIFDOCOでトレードする.

こうする事で,誰でもできそうな高勝率のトレードを実現します.ただ,その代償にRRは悪くなります.

■高勝率の理由①

なぜこの手法は勝率が高いのかを説明します.
下の模式図のように損切り幅を広くとる事で,反転直下に逆指値を置く逆張りエントリーよりも難易度が下がり,勝率が高くなります.

損切り幅に余裕を持たせる事で,狩られる負け方を大幅に減らせるため,エントリー成功率が高い.

一般的に損切り幅を広くとれば勝率が高くなるとは言われますが,それは広くすればどこまでも高くなるというわけではありません.
こういった狩られる負け方を排除できる程度に損切り幅を広げれば,それ以上損切り幅を広げても,損切り幅を広げる事による勝率の向上は打ち止めになります.

補足として,これは逆張りエントリーが悪いと言っているわけではありません.難しいからいきなり挑戦するのは辞めた方が良いので,一旦こういったザックリしたエントリー方法でトレードする事を覚えてみてください.
とくにあなたがまだトータル勝ちできていないならなおさらです.

■高勝率の理由②

利食い目標は直近高値ではありません.
直近高値”付近”です.
これはトレンドの天井でロングしても利食いに成功しやすいところです.

上昇トレンドの終盤では,次の図のいずれかの反転チャートパターンを形成して反転する事が多いです.
もちろん他のチャートパターンや,名前が無いような形になる事もありますが,よく出現するのが次の4つです.
そして,このいずれも直近高値付近を利食い目標とする事で,利食いに成功しています.

直近高値”付近”に利食い目標を設定する事で,相場の天井でエントリーしてしまっても利食い成功率が高い.

直近高値付近に利食い目標を置くと,まだまだ伸びるのではないかと思ってしまい,勿体なく感じるかもしれません.実際大抵の場合まだ伸びます.
しかし,MA等のインジケーターやダウ理論等のトレンド判定方法が『トレンドです』と教えてくれるときには既にトレンドは成熟しており,反転する事も多いです.
多くの方はエントリー前の分析しか意識していませんが,遠くまで握り切るにはエントリーと同様に,そこまで伸びるという根拠が必要です.
それが分析できないうちは手堅いところで利食いしないと含み益をリスクにさらすギャンブルになってしまいます.

2.使用するテクニカルの解説

■200期間EMAと50期間EMA

200期間EMA(200期間指数平滑移動平均線)は最も多くのトレーダーが使っているMA(移動平均線)と言われています.使用率が高いと言われているもの程,皆それを使ってトレード判断を行うので,よく機能するといわれています.

200期間EMAに限らずですが,MAの使い方は大きく分けて次の2つがあります.

①トレンド判定
MAに強い右上がりの傾斜がかかっていれば上昇トレンド
MAに強い右下がりの傾斜がかかっていれば下降トレンド
MAが水平であればレンジ

②抵抗帯
MAに右上がりの傾斜がかかっていると上に反発しやすい.
MAに右下がりの傾斜がかかっていると下に反発しやすい.

MAの使い方

実際に見てみましょう.
次の図は米ドル円1時間足チャートと200期間EMAです.
水平な長方形で囲った部分はレンジです.

レンジではMAは水平になり,それ以外のところでは傾斜がかかる.

見ての通りこのようなレンジの期間は,200期間EMAは水平に近い横ばい状態になります.

次の図は米ドル円15分足チャートの200期間EMAを表示したものです.
右上がりの200期間EMAが価格をサポートし,上に跳ね返しながら上昇していく様子です.

上昇トレンドでEMAがサポートとして機能する例.赤い印の位置で価格が反発上昇している.

15分足の200期間EMAは1時間足の50期間EMAにあたるので,200期間EMAと同程度に50期間EMAも機能します.

同じチャートを1時間足で見てみましょう.

先ほどの図と同じチャートを1時間足で再描画したもの.MAは1時間足に対する50期間EMA.

15分足と同様に50期間EMAに反発しながら,価格は上昇していきます.
200期間EMAが機能するのと同程度に50期間EMAも機能している事が確認できます.
ロウソク足パターンに詳しい方はこちらの方がロウソク足パターンがはっきり見えて使いやすいでしょう.

メジャーなロウソク足は15分足,1時間足,4時間足などがありますが,これらは4倍ずつタイムフレームが増加します.
同様に,30分足,2時間足,8時間足なども4倍ずつタイムフレームが増加します.
このうちのいずれかのチャートにおいて50期間EMAが機能すればその1つ下位のロウソク足のチャートでも200期間EMAが機能します.

次の図のように4時間足でも同様に50期間EMAは機能します.
赤矢印のような下降トレンドではレジスタンス(上値抵抗線)として機能し,青矢印のような上昇トレンドではサポート(安値支持線)として機能しています.

米ドル円4時間足と50期間EMA

MAの欠点はどのようなパラメーターにしようが,少々突き破ったり,MAに到達する前に反転したりする事です.
これではいつエントリーしていいかおおよその位置しかわかりません.
そこで,水平線やフィボナッチリトレースメントを利用します.

■フィボナッチリトレースメント

価格は,赤矢印のような下落があればそのうち必ず青矢印のように上昇してきます.このような下降に対する上昇を戻りといい,青矢印の終点を戻り目といいます.
同様に上昇に対する下降を押しといい,その下降の終点を押し目といいます.
下降トレンドでは赤矢印のような下落の幅の方が,青矢印のような戻りよりも大きいため,全体的に下降していきます.

その赤矢印に対して青矢印の終点がどの程度逆行した位置に来るものなのか.その目安を教えてくれるのがフィボナッチリトレースメント(以下FR)です.

赤矢印に対して青矢印の終点の候補を教えてくれるのがFR

次の図のように赤矢印に沿って,FRをあてると,いくつかの水平線を描画してくれます.
今回のチャートではおおよそ0.5の水平線で青矢印の終点となり反転しています.
この場合は赤矢印の値幅を1としたときに,それに対してちょうど半分価格が上昇したという事を表しています.
このように価格が反転しやすいいくつかの候補を水平線で教えてくれるのがFRです.
上下どちらにあてたらいいか混乱する人は1のラインまで戻ってきたら100%戻った,つまり全戻しになるという事を意識してください.
1のラインが赤矢印の終点に合わせるわけがありません.

0.5以外に0.786,0.618,0.382なども価格を止めやすいです.
0.236もありますが,経験上その水準での反発はレアケースなので,表示しない方が良いと思います.大体反転せずに突破してしまいます.

FRに慣れていない人にとっては,問題点が2つあります.
①候補を教えてくれるのは良いが,どの候補で実際に反転するのかわからない.
②どこにあてれば良いかわからない.

FRだけでトレードしようとすると確かにそうです.
しかし,我々にはMAがあります.

価格は
(1)MAで反発しやすい.
(2)FRのいずれかの水平線で反転する.
(1)(2)より,MAの付近のFRによる水平線で反転しやすい.

また,FRをあてる場所は直近の50期間EMAにひきつけられたところです.
これは具体例をいくつか後ほど見せているのでそこで学んだり,実際に自分でチャートにFRを当ててみて感覚をつかんでください.
とは言え,今回紹介する手法は損切り幅が広いのでそこまで神経質になる必要はありません.

実際の手法解説でこれらのテクニカルをどのように組み合わせるのかを,より具体的に見てみましょう.

3.手法解説

1.環境認識 目線の決定

押し目買いや戻り売りというのはトレンド相場で有効な戦略です.レンジ相場で同じようにエントリーしてはいけません.
レンジは避け,レンジ相場ではそれに合ったトレードをしなくてはなりません.
この手法は押し目買い・戻り売り戦略です.
従って,200期間EMAでトレンドであり,レンジではない事を確認する必要があります.

200期間EMAが水平に近くなり,レンジかな?と思えばこのチャートのように長方形で囲うとよいです.それをブレイクするまではレンジ取引手法でトレードし,ブレイクしたら押し目買い・戻り売り戦略に切り替えます.
レンジトレードができないのであればただただ待つのが最善です.

このように,200期間EMAはどこがレンジでどこがトレンドであるかを大体教えてくれてはいますが,緩やかすぎてサポートとして機能していません.
そこで,50期間EMAを描画します.

次の図の青い曲線は50期間EMAです.
裁量的な部分はあるのですが,結構抜けていても青丸のような箇所は50期間EMAの反発とみなします.
こういったところでロングエントリーすると勝てます.
セットアップのところで詳しく説明します.

200期間EMAはトレンドの判定に,50期間EMAは抵抗帯として使う.

2.環境認識 タイムフレームの決定

これは先ほどの図を4時間足チャートで見たものです.
赤色は4時間足チャートの200期間EMA,青色は4時間足チャートの50期間EMAです.
このように,MAに限らず,ほとんどのインジケーターはロウソク足の終値を用いて計算するため,ロウソク足の時間軸を変更すると同じ相場でも全く異なる様に見えます.
そこで,50,200というEMAのパラメーターを固定したまま,ロウソク足を選択して調整します.

4時間足,2時間足,1時間足,30分足,15分足,5分足の中から最もその相場で50期間EMAが抵抗帯としてきれいに機能しているロウソク足を選んでください.

2時間足
1時間足


30分足

1時間足でよさそうですね.
ここでは1時間足としますが,悩んだときはより大きなタイムフレームのロウソク足の方を選んでください.この相場を2時間足でトレードしても今回紹介する手法では問題ありません.

3.環境認識 利食い目標の決定

利食い目標を決定する事は環境認識の一部です.
相場の様子を観察し,到達しうる可能性の高い範囲でできるだけ遠くに設定します.
到達する可能性の低い位置に設定したり,到達する可能性が低いところまで無理にホールドしてはいけません.
それは既に述べたように勝率の低いギャンブルをしている事になり,含み益をリスクにさらしている事になります.
結局のところどこで利食いするかは,エントリーと同様にそのトレーダーの分析能力や,トレード戦略のコンセプトによって変化します.

このトレード戦略は簡単かつ高勝率を実現したいのでRRは犠牲にして,直近高値付近で利食いします.

次の図のように赤の矢印でのエントリーを狙っているとします.
この場合,直近高値とそのすぐ右では大きめの陰線や,陰線が連続するような強い売りが入っています.
それぞれ青矢印で示している部分です.

青矢印のような強い売りが入った水準に再度到達したとき,上昇トレンドであっても緑矢印のように価格が下落する事が非常に多い.

これらの青矢印の部分では売りが入ったから下がったので,多くの市場参加者がその価格は割高だと判断したという証拠になります.
そして,次にその割高の価格に到達すると待ち構えていた新規ショート勢や,ロング勢の決済売りが入ります.ようはどいつもこいつも皆売るわけです.緑の矢印の値動きの事です.

※少し脱線しますが,水平線ブレイクアウト等と考えて緑矢印付近で買っては絶対にダメです.それはただの高値づかみです.水平線のブレイクアウトをするぐらいなら,押し目買いをして握り続けてください.

赤矢印でロングする場合,緑の値動きを想定して,最も赤矢印にちかい青矢印の価格で利食いします.
つまり利食い目標は次の図のようになります.
これが一番手堅い利食い目標です.

直近高値にした場合,次の図のような値動きにもなりえます.
オレンジの軌道もトレンドですが,高値で売り抜けた方が良いです.
オレンジのトレンドの3波が取りたいならば,再度エントリーしてください.

また,既に述べたように左肩が最も高いダブルトップとなってトレンドが転換する事もあります.

4.セットアップ 

セットアップという言葉は,準備するという事です.
トレードにおいては環境認識した後に,エントリーしてもよさそうな状況になるのを待つという意味です.
押し目買いであれば,上昇トレンドの途中の押しが適切な位置に来るまで待つという事です.

上昇トレンドだからと言ってどこで買ってもよいわけではなく,少しでも安い位置で買います.
この手法は押し目買いなので,調整の下げを待ち,押し目ができる位置を推定し,そこまで待って買います.
推定方法は,
50期間EMA周辺の利食い目標に近い方のFRの水準か,
次の図のように50期間EMAが0.382より上の場合は0.382の水準とします.

5.エントリートリガー

エントリートリガーはセットアップを満たした後に,どのタイミングで,どこに損切りを置いてエントリーするかという意味です.
勝率と,RRと,機会損失の頻度を天秤にかけて決定します.
この手法で重視しているのは勝率です.
なので,次の図のように,TPとエントリーする水準と同じ幅を開けて損切りを置きます.
そして,TPに利食いの指値,エントリーするフィボナッチの水準にエントリーの指値を設定し,IFDOCOでエントリーします.
損切り位置が十分に広いため,セットアップが整ったと同時にエントリーしてよいという考え方です.

上昇トレンドならば,50期間EMAに反発上昇していくので,50期間EMAのはるか下にSLを置くと勝率が高まります.
FRの水準で反転しやすいので,FRの水準のはるか下にSLを置くと勝率が高まります.
また,手法概略と高勝率の理由で述べたように,損切り幅が広いため,FRの水準を間違えていたとしても狩られずに結局勝ちトレードになる可能性が高いです.
非常に手堅いエントリー方法という事が理解できると思います.

以前資金管理の記事で説明した通り破産するかどうか,トータルで勝ち越せるかどうかは証拠金リスク率と勝率とRRで決まります.
勝率が高ければ必ずしも損小利大である必要はありません.

ただし,この方法でも負ける事はあるので,ドローダウンを考慮して証拠金リスク率は多くて3%とし,慣れるまではもっと下げるか,デモトレードで練習してください.

6.ポジション管理

エントリーした後も本来は相場を監視し続け,利食い目標に到達しない可能性が高いと判断したならば薄利決済するか,損切りせねばなりません.
そういった技術はトレーリングストップ(利食い方向に損切りとして設定した逆指値を移動させていく技術)と言われますが,下手にするとトータル収支が余計悪くなってしまうため,今回はしない事にします.
ここまでで説明したように,手堅い利食い目標と損切り位置なので,大丈夫です.

ただし,エントリーの指値が空振りしたのに,放置する事はやめてください.少なくとも利食い目標に到達したらIFDOCOをキャンセルします.

4.具体例と補足

他の例と補足も少し載せておきます.

■戻り売り

単純な戻り売りの例です.

■戻り売り 機会損失とその回避

やっていくと機会損失になる,つまり,エントリーの指値にかからない事がよくあると思います.
次の図はその機会損失の例です.

FRはビタビタを狙いに行くため,空ぶる事があります.
この手法はRR固定なので,少し特殊なのですが,RR固定の手法を行う上で,獲得値幅はあまり関係ありません.なので,多少雑なエントリーでも大丈夫です.
次のように微調整する事も覚えてみてください.
機会損失が回避できると思います.

赤矢印は売り圧がかかった水準です.そこでは市場参加者が割高であると判断しているため,売り手が待ち構えており,再度到達したときに反転しやすくなります.
また,そこに到達するまでに売られる事はほとんどありません.なぜなら高くないからです.
売り手は皆高く売りたいと考えています.
なので,上昇してる途中でエントリーしてくる者は皆買い手となり,価格が高くなるまで上昇します.
つまり指値にかかりやすいという理屈です.

あまりに低くしてはいけませんが,FRと50期間EMAを参考に微調整してみてください.

■押し目買い

単純な押し目買いの例を再度載せておきます.

■押し目買い 負け

大抵勝ちますが,次の図のように負ける事もあるので,しっかり損切りしましょう.
証拠金リスク率も3%以上にしてはいけません.

5.まとめ

■手法手順まとめ

このように環境認識で上昇トレンドである事を確認し,抵抗帯となる50期間EMAとフィボナッチや水平線で押し目・戻り目の位置を推定し,押し目・戻り目付近でエントリーするため,うまくいくとほとんどの時間が含み損にならず,エントリーしたらロウソク足数本で含み益となり,真っすぐ利食い目標まで行きます.

しかも,この方法はロウソク足を選んで,フィボナッチをあて,IFDOCOをして放置して終わりです.慣れたら,チャートを開いて予約注文をするまでにかかる時間は10分で済みます.
これを証拠金リスク率3%で月たった3回勝ち越せばほぼ1割証拠金が増えます.ロウソク足のタイムフレームを変更する事で監視通貨ペアが米ドル円だけでも毎月3回以上のチャンスは余裕であるので,十分な方法と言えるでしょう.

この手法の手順をまとめておきます.

環境認識① 目線の決定
200期間EMAの傾斜と長方形の描画でレンジかトレンドかを判定する.
レンジであればこのトレード手法ではトレードしない.
右上がりならば買い,右下がりならば売り目線.

環境認識② タイムフレームの決定
・ロウソク足の時間軸は4時間足・2時間足・1時間足・30分足・15分足・5分足のうち,50期間EMAが上手くサポートとして機能しているロウソク足を選ぶ.
悩んだときはより大きなタイムフレームのロウソク足を選ぶ.

環境認識③ 利食い目標の決定
ロングならば直近高値付近の売り圧がかかった位置を特定し,その水準で最も低い位置を利食い目標とする.
ショートならば直近安値付近の買い圧がかかった位置を特定し,その水準で最も高い位置を利食い目標とする.

セットアップ
押し目・戻り目の位置を50期間EMAとFRで推定する.
FRは最後に50期間EMAで反発した位置から直近高安にあてる.
ロングならば,50期間EMAの1つ上の水準
ショートならば,50期間EMAの1つ下の水準で価格は止まる事が多い.
※これは悩んだら大きい時間軸のロウソク足を選ぶというルールによる.
※FRもインジケーターも実際そこまで精度の良いものではない.慣れてきたらそれらの補助輪を取って自分で水平線を引いて決定してよい.やってみるとたいして勝率に変化がない事に気づくはずだ.

エントリートリガー
利食い目標とエントリーの位置が決まったら損切りの位置も決まる.
損切り位置はエントリーする位置から獲得幅と同じだけ離れた位置とする.
これまでの分析がすべて終わればIFDOCOを設定する.
証拠金リスク率は多くて3%まで.そうなるようにロットを計算する.

ポジション管理
最初にストップを置いて起き,その後特に何もしない.
※ただし,エントリーの指値にかからずに利食い目標に到達したときはIFDOCOを解除する.

■この手法の長所と短所

この手法の長所は高勝率で初心者でも比較的やりやすい事です.
そして着実にトータル勝ちできます.
難しいところは押し目・戻り目の推定ですが,練習すればある程度実用に耐える精度ですぐにできるようになるはずです.

しかし,短所はRRが1である事です.これは高勝率で簡単にできるという事を考えると仕方がない事です.
もっと損切り幅を狭めたりしたくなるかと思いますが,あなたがトータル勝ちできていないならば,一旦この方法をマスターしてください.
損切り幅を狭めるという事はその分エントリー精度が必要です.

考えてみてください.
押し目の位置が上手く推定できないのにビタビタエントリーができるわけありません.
こういったザックリエントリーができるようになるのが先です.

また,EMAの精度が荒い事にも苛立ちを覚えるかもしれません.
それはその通りで,慣れたらあなたが裁量的に引いた斜めのラインが同程度以上に使いやすい事にいずれ気づくと思います.

■まとめ

この手法は私の手法のうち,最も基礎的なものになります.
RR(リスクリワード)は1と低いですが,勝率は高い手法です.
私の技量が上がったので,今ではもうあまり使っていませんが,たまにやります.
私のトレードは全てこの手法を基に改良したものになります.
最終的にメチャクチャ低くてもRR3以上が出せるようになります.

今後,別の記事で改良した手法も紹介していきます.
ここでは実際に環境認識や,セットアップ,エントリートリガーポジション管理とはどんなものかを知ってもらう事が第一で,そのあとエントリートリガーだけ変更したり,いろいろと改善する事ができます.

このようにトレードの戦略を要素還元的に考える事で,自分に合った方法でトレードできるように手法をカスタマイズする力をつけてください.

今後,トレーリングストップやマルチタイムフレーム分析を用いたRR向上の方法なども具体的に紹介していきます.

次回はロウソク足パターンを使った簡易的なマルチタイムフレーム分析でこのトレードのリスクリワードを向上させることを考えていきます.


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