【MLB】International FA(国際FA)ってなに?
皆さまこんばんは。BAL担当のもくろーです。
表題の通り、本日はInternational FA(以下、「国際FA」という)についてお話しできればと思います。
自分自身、国際FAの存在は知っていましたが詳細までは理解できておらず、この機会に理解を深められればと思っております。
国際FAとは?
国際FAとは、その名の通り国際的なFA(Free Agent=自由交渉)であり、
MLBのドラフト対象外となる国(ドミニカ共和国など)の選手に対して、各球団が自由に交渉して有望選手と契約できるというものです。
◆国際FAの対象国
上記にありますように、MLBのドラフト対象外の国が対象になるため、
アメリカ合衆国、カナダ、プエルトリコ以外の国が対象となります。
なぜプエルトリコも?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、プエルトリコはプエルトリコ自治連邦区であり、アメリカ合衆国の自治的・未編入領域に存在するため、MLBのドラフト対象になるためです。
◆国際FAの対象年齢
16歳以上が対象となります。
ただし、
①現在25歳以上
②海外リーグで6年以上既にプレーしている選手
の2つを満たす選手については対象外とされます。
現LAAの大谷翔平選手が渡米した際は、
①23歳
②日本ハムファイターズで5年しかプレーしていない
ため、上記の2点を満たさず国際FAの対象となったようです。
ですが実際のところ、超有望株は16歳になる前に球団が接触し、表舞台には出さないようにすることで他球団との競合を避ける囲い込みが横行しているようです。
◆国際FAの制限
上記の点から、①MLBドラフト対象外であり②16歳以上かつ25歳未満の③海外リーグで一定の期間プレーしていない選手であれば無制限に、何人でも契約してもいいのか?というとそうではありません。
人数には制限はありませんが、各球団ごとBonus Pool Slotと呼ばれる契約金の上限が決まっており、各球団はその上限に収まるように選手と契約を行う必要があります。
ただし、このBonus Pool Slotは全球団同じというわけではなく、総年俸等を加味した上で、その金額が各球団毎に決定されます。
国際FAで獲得された有名選手
これまで多くの選手が国際FAで指名されてきましたが、中でも2015年はFernando Tatis Jr.(CWS→現SD)やVladimir Guerrero Jr.(TOR)、Juan Soto(WSH→現SD)など現在球界を代表する選手が多く指名された年となっております。
今年の指名選手
◆国際FAプロスペクトランキング
今年も多くの選手が国際FAで指名されましたが、1番の注目は560万ドルでSDと契約したベネズエラのEthan Salas選手でしょう。
MLB.comが選ぶトッププロスペクトランキングの1位になっており、身体能力に優れ5ツールプレイヤーに成長する可能性を秘めた右投左打の捕手です。SDが持つ582万ドルのBonus Pool Slotの殆どをSalas選手の獲得に使ったと考えると、球団の期待の大きさが伺えます。
その他にも数多くの選手が指名されましたが、この中で何人がスター選手として羽ばたくことになるのでしょうか。
◆国際FAで指名された日本の選手
日本もMLBドラフト対象外の国であるため、国際FAの対象国となっていますが、その国にドラフト制度等の移籍制限規定が整備されている場合はそちらを尊重する(日本、韓国、台湾など)という暗黙の了解が存在するため、過去に指名されたケースは殆どありません。
ですが、過去には2018年に結城海斗選手がKCに指名されて話題になりましたし、(残念ながら、怪我のため2021年に現役引退されたそうです)今年は日本とボリビアとの二重国籍を持つHiroshi Takahashi(高橋浩)投手がMIAに指名されたとのことで、今後こういったケースが少しずつ増えてくるのかもしれませんね。
最後に
フワッとした知識でしか知らなかった国際FAを改めて学んでみたく、本noteを執筆いたしました。肝心の指名選手の情報等を知りたかった方にはご不満な内容かと思われますが、概要を知る一助にはなったのではないでしょうか。
個人的に一番興味深かったのは、プエルトリコがアメリカの自治連邦区であり、ドラフトの対象国となっていることです。普段全く意識していなかったのですが、野球と世界史の関係性も改めて勉強できればと感じた次第でございます。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
参考記事
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