【今日コレ受けvol.023】幸せな習慣
本当に読んでいないのか、読んだけど記憶に残っていのかはわからないのだが、子ども時代に多くの人が通るであろう道を通過していない、ことがよくある。
『はてしない物語』も『モモ』も。『星の王子様』も。
本だけでない。「これ、知らないの?」というものがとにかく多すぎる。もしかしたら気がつかないうちに一時期の記憶がごっそり喪失しているのかも、と思うくらいだ。夜道を自転車で爆走し、縁石に突っ込んで地面にダイブした、あのときだろうか。
小さい頃、何に時間を使っていたのだろう? 王道の代わる、他の人より詳しい道もないし……。全く思い出せない。
唯一思い当たるのは、夕食の時間。高校卒業するまで、というか正確には父が亡くなるまで、夜の7時から9時まで家族全員で一緒に夕食を食べるのが習慣だった。物心ついてからずっとそうだったので、大学になって「夕食に毎日2時間もかけてるの?」と驚かれるまで、他の家もそうなのだと思っていた。
小学校の通知表には、毎年「給食を食べるのが遅いので、ご家庭でも練習させてください」と書かれたし、社会人になって「ご飯を食べるのが遅い人は仕事ができない」みたいな嫌味を言われたりもしたけれど、幸せな習慣だったといまでも思っている。だから、いまだに食べるのが遅い。
毎朝7時に更新、24時間限定のショートエッセイCORECOLOR編集長「さとゆみの今日もコレカラ」。「朝ドラ受け」のように、その日の「今日もコレカラ」を受けてそれぞれが自由に書く「遊び」です。
幸せな休日。はてしない物語。【さとゆみの今日もコレカラ/023】
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