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星空マジック in チリ: ひとり旅の冒険、夢、そして願い事


サンペドロ・アタカマは、砂丘のオアシスに村があるわけではなく、空港から車で1時間の砂漠観光村です。雨は何十年かに一度、昨今はゼロ。一生、雨を見ない人生ってあるってことですよねえ…。建物は枝の束を芯にして、ねんどっぽい赤茶けた日干しレンガで作ってあります。道路は一部しか舗装されていないので、風が吹くと砂が建物の中に入ってきます。そのため、ドアや窓の開口部は小さく作ってありました。そして、常に人が床や地面をはいて建物から砂を出しています。掃除機で吸える量ではないし、結局外は全部砂なので意味がないんですが、掃かないとたまっちゃうんだろうなと…。

このあたりは少しは木があるんですが、この村を少し離れると木がなくなってごろごろした採石場みたいな場所になります。この村自体は教会を中心に江戸時代初期からあるそうなんですが、そんな村でも、今は、お湯のシャワーが待ち時間なしで出るし、ネットも入るし、キャッシュレス決済ができるし、クロワッサンもサラダも食べられます。チリでは誰もが知っている国内観光スポットなので、ちゃんとしたホテルもあればグループ宿もある一大砂漠リゾート地。日本からは行きづらいことこのうえないんですけどね…!

アタカマ砂漠では、砂漠の星空ツアーが最高でした。この砂漠は世界一高い緯度にあり、雨が降らないため、雲がなく直接宇宙とつながっているようなところです。星空ツアーはたくさんあるのですが、偶然選んだツアーが私の好みど真ん中の構成でした。

ツアー公式 Instagram:https://www.instagram.com/bajolanochedeatacamaツアーサイト:https://www.bajolanochedeatacama.com/
どちらもスペイン語ですが、写真がわかりやすいです。

まず、ホテルから車で20分走り、村の明かりがまったく届かない砂漠で、ぽんと降ろされます。足が砂にふっさりと沈む…!参加者は私をいれて計2名のほぼ星空独り占め。車から降りて空を見上げると、そもそも見上げられないというか、目の前に星がちりばめられている壁があって、その星々に沿って視線をあげていくと、天頂に星をスプレーしたような天の川があって、そこに日本からは見れないみなみじゅうじ座がありました。広大な天然プラネタリウムの中心に立たされたかんじで、地平線のふちまで星が見えて、夜の隙間が見えないほど星で埋め尽くされているので、閉所恐怖症の人には申し訳ないんですが、星に押しつぶされそうな感覚になります。

そんなところで、あらかじめ砂漠で待機していたガイドさんが私たちを出迎えてくれて、ついていくと、おおきな背もたれ付きの4つの椅子が焚き火跡を囲むように配置されてました。椅子においてあった星模様のブランケットで体を包むと、今の気温、6度だった…ということを思い出して、あったかさにほっとします。円陣を組んだ椅子のまわりに置かれたサイドテーブルにはおしゃれなLED蝋燭と本、大きなテーブルにはイルミネーションで照らされたワイングラスがきらきらしていて、チリ産ワイン、コーヒー、ホットチョコレート、紅茶に、カナッペ、グラスデザートが並んでいました。砂漠のウェルカムスペース!

ブランケットでほくほくしながら星を見上げていると、暗さに目がなじんできて、まずゆっくり動く衛星がいくつも見えてきます。そのあと、ひゅん…、ひゅん…という5分に1つ間隔で、尾の長かったり短かったりする流れ星が。そして何より驚いたのが、目が慣れてくると、星と星の間の遠近感がわかるようになってくることです。闇なのに…!モビールを見上げていると、オブジェクトの遠近感がわかりますが、あんなかんじで空から星がぶらさがっているように見えます。

また、星と星の距離が短いとなぜか線でつながっているように見えるんですね…。目の錯覚じゃないことをツアー参加者と確認してしまいました。子供のころ、なんで星座って線がある前提で描かれてるんだろうと思ったんですが、実際にそう見えたからだったとは…。人間の目が、輪郭を見てパターンを探すようにできてるからじゃないかなあ。

このガイドさんがアタリだったのは、星観測におじゃまな月がない時間帯の30分をあえて選んで、肉眼で空をみあげる時間にあててくれたことです。暗さに目が慣れるのももちろんなんですが、ガイドさんが言っていたように、電気やガス照明ができたのは19世紀と最近で、それまですべての人間は、何千年も、今の携帯をチェックする普通の感覚で、夜になると星を見ていて、彼ら見ていた空は、今見上げているこの空と同じなんですよという話に、「たしかに!」となりました。

見ているうちに、ぞくっとしたのが、私の見上げていた位置です。私はプラネタリウムでも、お茶碗で閉じ込められてるアリサイズ感覚があるのですが、あれと同じ感覚を、広大な砂漠で感じました。月がない時間帯というのは、月が砂漠の下に隠れているので、地平線の際が今にも昇ろうとする月でうっすら明るいんですよね。それが、伏せられたお茶碗のむこうに明るい外の世界があるかんじで、ちょっと怖かったなあ。一人じゃなくてよかったです。天頂にあたるお椀の一番高いところは真っ暗なので、グラデ効果で空がまじで半球に見えるし、星は吊ってあるようにしか見えない…!昔のひとが、地球が宇宙の中心と考えたのも無理はなく、見たまんまを言ってただけなんだと納得しました。

ガイドさんは、いきなり星座の話をするタイプではなく、すべては観測から…!というタイプの人だったので、なんでも自分で見てから質問したい私にあってました。例えば私が「なんで星がぴかぴかしてるんですか」ときくと、スッとレーザーポインターを空にあてて、空気の波のせいなんですねといいながら、「ほら、地平線に近いこの星はぴかぴかしてるけど、天頂のはしてないでしょう」「ほんとだ…!してない!」など、こんな素朴な質問にも現場で答えてくれるんでした。よい…!

肉眼観測のあと、ちょうど月が昇ってくる時間帯になったのでみんなで自分たちの影が砂漠にくっきりと落ちてのびていくのを見ました。月がでると星の観測はできなくなるのですが、ガイドさんは「ここからは天体望遠鏡で」といって、星雲、老いた星、二重の星、土星、月の表面を見せてくれました。どれも肉眼では白い点にしかみえないのに、望遠鏡でみると、青が神経細胞みたいなかたちをしていたり、黒布に白点の散らしにみえたり、虹色に光っていたり、くっきり輪っかが見えたり、月のクレーターがはっきり見えたりするたびに「まじで!?」となってました。

天体望遠鏡観測が終わったら、お茶タイムです。焚き火にチリ産ワインを瓶ごとつっこんで少しあっためる手法。私はオーロラ回で学んだので寒いときの飲み物=ホットチョコレートにしたんですが、体があったかくなって、さらに火を囲むと人間はぽつぽつとなにかをしゃべりたくなるものですよね。英語やっててよかったなーとつくづく思いました。足元あったかい炎に、星をみあげて、お酒!(私はホットチョコレート!)ライスクラッカーにチーズとなにかがのったカナッペもおいしかったし、甘い系デザートもちょうどいいサイズで、ガイドさん、こういう「忘れられない思い出ぽくする」雰囲気作りも好きなんだろうなあと思いました。これで7000円だか8000円だったような…。日本でも星空ツアーがありそうなんですが、ガチ観測とか、ガイドさんがしゃべって参加者はきくだけ…というのになりそうなのかなあ。唯一のマイナスポイントは、焚き火のにおいが服や髪にうつったことです。もう、このにおいを好きになるしかない…!

※タイトルはAI様に考えてもらいました。どこをどう解釈したら、星空マジックで願い事になるんだ…?

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