見出し画像

WEEK 4 : 98歳シスターに会いにいく

仕事でご縁のあったシスターが御年98歳で、毎日自分でメールを書いているということを知り驚愕しました。98歳といえば、大正生まれで戦争中がティーン、高速道路、新幹線、三種の神器に、ネット爆発普及のWindows95/1995年時点で、すでに69歳です。き、きみは69歳で覚えたテクノロジーを28年間使えるか…?どうやってモチベーション保ってるの…?どうしても会いたくて、共通の知り合いと新年のご挨拶を兼ねて関東の修道院にいってきました。

お会いしてみたら以前と全くお変わりなく終始笑顔のMシスターでした。片耳の聴力が少し落ちていたり、歩行は椅子カート押しだったりするのですが、カートから手を離してちょっと歩行することもできていらしたし、意思疎通も約束もできるし、なにより明るく冗談をいえる!私もこういう98歳になってみせる!その秘訣はなに!と力強く思ったので分析してみました。

食事は1日1食。

98歳の今、朝食と甘い系のおやつは食べるけれど、昼食と夕飯は食欲がないそうです。朝食はパンとヨーグルトとサラダやフルーツと紅茶やコーヒー。甘いものは、かたいクッキーお煎餅も大丈夫なんですって。食べられるものを食べられる分量だけ食べる!これなら私にもできる…!そして歯だけは死守!毎日フロス&年2の定期検診続けるぞー!

老後こそシェアハウス

この修道院はシスター7〜9人による共同生活で、掃除や料理が当番制なのですが、お歳のこともあり、このシスターはお役目免除っぽかったです。カート押しの98歳先輩に、かがむ必要のある掃除や、視力重視の料理はさすがに…!でも、もしこれが一般人の一人暮らしだったら、掃除や料理が物理的にできないんですよね。

さらに、一般人が高齢になったときの毎日の髪やメイクや服問題も、シスターたちはクリアしています。特に髪…!ベールマジックの若見え、メイク不要の修道女は最強なんじゃないかとつくづく思います。制服生活も楽…。

私も将来、美容院の長時間座りが苦痛になりそうなので、まだ髪があるようなら、ベールかぶるか…!一般人だけど(笑)

手帳が大活躍

シスターの制服のポケットにはA6サイズの手帳がいつも入っていて、予定を書き込んでいました。シスターはとにかく明るいので、いまだにいろんな人や教え子が会いに来たがるのです。スマホ予定入力では得られない刺激が手帳にはありますよね。ひとつは字の大きさ。最大のメリットは電源不要です。スマホは数分でロックがかかって見えなくなってしまいますが、手帳のカレンダーは、ゆっくり眺めていることがいくらでもできます…!私も施設入ったらリアル手帳にのりかえようと固く決意しました。そして、私は手帳が入るポケットのある服しか着ないぞ…!

人とのつながりはメールがベスト

シスターは毎日午後1時〜3時に、PCが置いてある部屋に移動して、PCを起動、パスワードをいれて、メールアプリをたちあげて返信しています。キーボードはかな入力、2〜3行は書いてちゃんと送信。シスターの教え子のうち、メール交換をしている人は4人いて、この4人が数日に一度メールするので、毎日誰かしらからメールがきているのだそうです。ちなみにレギュラーが4人で、私みたいにイレギュラーな人はもっといます。シスターの人柄がこれでわかろうというものです…。

ただ、シスターがいうには、メールの返信が「もう面倒だなあ」と思ったり、PCがある部屋に移動するのも、おっくうだなあと思うことがあるそうです。でも、必ず誰かがメールを送ってきているので、「これだけは」と思って続けているとのことです。この気力、すごいなあ…!メールの返信が人との絆を保つ…!

私が思うに、これがメールではなくて、電話やLINE通話ではつながりが保てないと思うんですよね。メールだと相手の時間をうばわないし(海外在住の教え子も多数)2ー3行というのがいいサイズ感なんだと思います。私が98歳で同じことをするなら、ツイッターかDMかなあ。写真送信やボイスメッセージは高齢になってもできそうなので、最後までiPhone握ってそうな気配…。

年齢早見表の罠

シスターが「去年まではなんとも思わなかったのに今年になって急に死を感じた」というので、98歳の思うそれはいったい…と我が人生の参考にきいてみました。手帳によくおまけでついている年齢早見表が、紙面の都合上なのか、0歳から100歳までしかなく、今年98歳のシスターは、急に「あとこれしか寿命がないんだ」と、うっかり思ってしまったそうです。て、手帳会社、9万人超えの100歳以上日本人の存在を全無視…!2ページぐらい使って、150歳ぐらいまで書いとくべきだったのではと思ういっぽう、数字って、成績だの成果だの身長だのあらゆる数値となって、人間の気持ちをあげたりさげたりするやっかいなものなんだなあとあらためて思いました。

元気をもらえるシスター

98歳でメールってどういうこと…!という半分好奇心の面会だったのですが、終わってみれば、今私が考えていることってちっぽけなことなんだなと、急に灯台のように背が高くなり、目線がぐっと高くなって、遠くまで世界を見ることができるようになった気持ちになりました。私はまだ若かった…!

この面会がきっかけというわけではないんですが、またプログラミングを習い始めました。今度は対面なので心折れないことを願って…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?