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一番星への視力

ヘッダーはめちゃくちゃ好きな笑顔です。

アイドルマスターSideMも今年で6周年です。小学生が中学生に進学するレベルの年月が経ちました。
それを思うとこんな長い間、いったい輝のどこが好きなんだろうなと自分でも不思議に思います。愛しているのがもはや当然だから……。
今日は輝の5回目の28歳の誕生日です。なんとなくキリもいいし、輝の何がどう好きなのかを振り返ろうと思います。

私のエムマス歴を振り返ると、事前登録はしていたもののサービス開始当初はまだ学生だったのもあり、ガシャやイベントにそんな課金できない点や、当時のモバエムの育成率が激渋だったのがつらく一旦離脱したのちに2014年のスパクリで戻ってきた~…っていうのが最初です。
「ドラスタいいな〜」と意識したのもこの頃だった気がします(もともとアイマスシリーズが好きなのでジュピター目当てでゲームを始めた)。
この時期は声優さんの決定を皮切りにお渡し会やライブなどリアルのイベントも増えてきて、それと同時に作品を通じてお友達になってくれる人も少しずつ増えていき、「オタクとしてめちゃくちゃ活動してる!」と体感しており、とても楽しい日々でした。

2015年はモバエム内で「Fresh Green Live」という、私が今でも1番好きなドラスタのイベントをやったこともあり、ドラスタのことをどんどん好きになりました(※都合がいい頭なので当イベントが初のチーム戦で理解不能スケジュールだったことは忘れました)。
でも、その頃はどちらかと言えばユニットそのものが好きで、あまり輝自身のパーソナルな部分について考える機会はそんななかったのかな?と振り返って思います。

輝は2015年の段階では薫や翼のように過去に何があったかハッキリと具体的に明言されておらず、自分の中で掘り下げようにもなかなか難しい部分も多かったのだと思います。
それでも仲間、そしてプロデューサー思いで、誰かに寄り添う姿勢を貫く正義感のあふれた彼の気持ちは、イベントのシナリオやセリフなどからもよく分かったから好きでした。イベント「バンド☆チャレンジ」ポイント報酬である輝の、死亡フラグにも見えかねない信頼度MAXセリフは必見です。

しかし、思い返すと輝のこと大好きで、今も変わらず大好きというか""愛""なんだけど、逆に言うと昔は「それ以外のところは見えていたのかな」と思うわけです。
というのも、2015年のモバエム内クリスマスイベントで脳天に雷が落ちるような、私を現実に引き戻すシーンが出てきたのです。

(自分の選んだクリスマスプレゼントを当てた大吾くんに対して)
家族の写真でも入れてくれ!

これは該当イベント増刊号内『メリクリじゃけー』に出てくる輝のセリフですが、これを読んだとき私は「えぇ~マジ^^;そういうこと言っちゃう???」と動揺しました。
SideMをプレイされている方はご存知のとおり、肩ポンされている少年・大吾くんは諸々の関係で家族と一緒に暮らしていません。そのことからか、次のコマでは少し複雑そうな笑みを浮かべます。

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イベント当時もかなり言いたいように言っている…

しかし、そのアイドルにどういう理由がありどういうバックボーンがあるかゲームプレイヤーである私たちは知っていますが、同じ事務所以外に共通点があまりない輝は、大吾くんのおうちの事情など知らなくても当然なのです。というか知っていてこんな声がけしていたら相当問題がある。

仕方がない…当然のこと…だって知らないんだもんね…。そう分かっていてもこのセリフを見たときその晩いろいろ考えて眠れませんでした。
「大吾くんは絶対に幸せになってほしいよ…14歳の子供なんだよ彼は…」というのは当たり前だし現在も続いているやんごとなき課題として、あれだけ「素敵な人だなぁ」の範疇で留まっていた輝に対して持つ思考・感情がかなり増えました。
急に彼に対する解像度、そう視力があがったような思いだったのです(タイトル回収)。

急に家族論みたいなデカい規模の話になりますが、私個人は「家族は一緒にいるのが一番の幸せ」という考えではありません。血が繋がっているがゆえのつらさ、離れて初めて向き合える気持ちなど、家族に対するさまざまな姿勢・考え方があると思います。
そして、輝の前職は弁護士です。私は今でも「輝の関わってきた案件にすさまじい極悪人がいたことはあるのだろうか」と思うと勝手に輝に思いを馳せて泣きそうになる限界妄想ヲタクなのですが、善悪の交わる究極の場である法廷で、それこそ輝のそれまでの人生で会ったことないような人もいたでしょう。

輝は間違っていると思っていたことはきちんと口に出しますが、価値観を押し付けるような人間ではありません。「この人は○○に決まっている」なんて偏見は持たず、自分と価値観の合わない人に対しても聞く姿勢を持てる、賢く誠実な人です。
そんな輝が、「家族の写真でも入れてくれ!」と何の疑問も持たず言う事実が少し怖くもあり、本当に変な話ですが無性に可愛く思えたのです。
「家族は揃って仲良く暮らしているもの」というイメージが、多くの人を見てきたであろう彼の中にあるのだと。知らないから、という前提はありますが、この些細な一言だけで、輝がきっと素敵な家族の中で育ってきたのだろうなということが推測できます。
そして彼のいる事務所には家族と暮らしたくても暮らせない人、親が既にいない人などもいることを再認識させてくれました。

輝への見方がハッキリ変わったのは上記のイベントからです。
本人の正義感・気質の美しさばかり捉えていたのを、「輝のことを今まで嫌っていたモブはどんな人だろう~SNSに悪口書くタイプかな!?」とか色々、それまでの周辺環境を考えるようになりました(この妄想も最悪だが…)。
輝の言ったのはある種すごく正しいことだと思うんですよ。否定のしようがない。身近な年頃の子が、まさか家族の庇護なしに暮らしているだなんて思ってもみない事態だと思います。
でも現実は違うことをゲームをやっている私は知っているから、「どうして?」と少し離れた距離で見るようになってしまう。
ただ、「大吾くんにそんなこと言うなんて無神経!」と憤る気持ちは湧かず、いや正直言ってちょっと無神経だな~と思いながらも、私にとって輝自身をよく考えるきっかけになったのが本当に自分でも不思議で、どんどん好きになっていきました。

※一応補足として、「輝を好きになったきっかけになってくれた大吾くん」というようには捉えていないというか、彼の置かれている環境はまた別で切り分けて考えています、というのは書き足しておきます。

ここからまた規模の大きな話ですが、完璧な人間なんてこの世にはいないんです。
輝を見て、そのことをなんだかすごく思い知らされました。

二次元のソシャゲのキャラに対して何言ってんだ?って感じですが、逆に言うと、フィクションのキャラなんていくらでも味付けできます。
輝にはもしかしたらあらゆる人のあらゆる事情を察する最強気配りパーフェクトヒューマンとして描かれる世界があったかもしれない。少なくとも、そう「できる」だけの要素が彼には備わってはいると思います。だって元弁護士ですよ、四年制の大学を卒業しただけでは絶対になれない、すさまじい勉強量・知識・聡明さを求められる職業に就いていたのです。

でも実際は輝が完璧超人なんてことはなく、分かったことといえば、前職のつらい体験を経てなお、輝の見えている世界が美しいこと、そして輝の見えないところでも事務所の他のアイドルがその人なりの苦難を乗り越えようとしてがんばっていること、です。

2015年のクリスマスイベントを経てから、今までのイベントを見返すと、輝は(意外なほど?)感情的になりやすく、桜庭に落ち着いて言い返される場面すらあることに気づきます(それこそが神イベ「Fresh Green Live」なので未読の方はぜひ)。
初めて読んだときは素直に「素敵なシナリオだな」という感想で区切りがついていたところに、「いやこういう考え方もできるな」と違う視点でイベントシナリオを読み返すようになりました。

完璧な人間なんていないから、時には誰かを無意識に傷つけるし、全然スマートに振る舞えないときもあるし、気にしないフリのできない強烈なコンプレックスだってある。
それでも輝は、薫と翼と一緒にアイドルとして成長しようとします。プロデューサーへ「一緒にがんばろう」と言います。尊敬の念で他のアイドルから学びを得ます。歌やダンスを通して誰かを支えようとします。

これは個人的なアイドルマスターSideMの総括なのですが(?)失敗した、夢を諦めた、うまくいかなかった、さみしかった人が、それでも自分のため・誰かのために努力して、キラキラしたアイドルとしてステージに立つ姿に励まされ、時には背中を押され、胸を打たれるのだと思います。
私の場合はそれが輝でした。元弁護士で、一人暮らしにしては意味分からんほど広い部屋に住んでいるといった、いわゆるステータスがどんなに高くても、彼にないもの・わからないものはたくさんあると正直思います。

それでも、時を重ねるごとにアイドルとして・人間として成長していく輝が、本当に大好きです。
持っていないものもあるけど、誰にも負けないくらいの魅力もたくさんある。過去の自分を悔いて、せっかく入所できた有名な弁護士事務所を辞めたところ、知らない人の幸せを本気で願えるところ、仕事をこなすごとに増えてゆく表情。

ここからは完全な自分語りになってしまうのですが、私は失敗をかなり引きずるタイプだと自覚しており、また昔に人から言われた嫌なこともずっと覚えています。負の感情を行動や思考で昇華できないタイプです。
ふとした瞬間、昔のことを思い出しては怒り悲しみ恥を覚える自分が時々本当に嫌になります。「嫌」というのは自分の性格の悪さや疲労感、そして「こんな自分はダメだな」という罪悪感など色々です。
それでも、輝を好きな自分の気持ちは確かです。彼のことを完璧じゃないとか抜かしているけど、私の方がどうポジティブに捉えてたとしても輝より遥かにダメ人間です。部屋は汚いし文章を書いてもこのざまですが、過去に囚われっぱなしの私が、今も未来に向けて成長をし続けて止まらない人を好きと言えるのは、自分単位で本当に素晴らしいことだなと自負しています。自分が一方的に向けているだけと思っていた気持ちが、輝を通じて他の考え方・別の視点で物が見られるようになっていたのかもしれません。

315プロのアイドルは、過去を踏まえて生きる本当に素敵な人ばかりです。ゲームを始めた頃から知っていましたが、気づきを与えてくれたのは輝でした。

強くも弱くも、美しき君。傷のある一番星こそが、私の目には何よりも眩しく映ります。輝、お誕生日おめでとう。

2020.02.23

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