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カンナビノイドシステムについて

カンナビノイドシステム(ECS)とは


エンドカンナビノイドシステム(ECS)とは、私たちの心身のバランスを保ち健康的に過ごすために、本来備わっている身体調節機能です。
人だけではなく、魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類など、すべての動物に存在しています。
これは「内因性カンナビノイドシステム」とも言われています。
カンナビノイドを細胞に作用させるタンパク質「カンナビノイド受容体」「内因性カンナビノイド」と呼ばれる情報伝達物質、内因性カンナビノイドを合成したり分解する「酵素」によって構成されています。

この内「カンナビノイド受容体」が鍵穴、「内因性カンナビノイド」が鍵のような役割を果たし、細胞内に様々な科学反応を引き起こす仕組み。

内因性カンナビノイドとは

私たちの体内で自然に生成される化合物で、神経伝達、免疫、炎症、ストレス応答、食欲調節などの生理学的プロセスに関与しています。
①アナンダミド(N-アラキドノイルエタノールアミン)
神経伝達物質として機能し、エンドカンナビノイド受容体であるCB1受容体とCB2受容体に結合して、様々な生理学的プロセスを制御します。
アナンダミドは痛覚調節、感情の調節、食欲調節などに関与。
②2−AG(2−アラキドノイルグリセロール)
脳と中枢神経系での神経伝達物質として機能し、主にCB1受容体に結合して影響を与えます。アナンダミドと同様に痛覚調節、食欲調節、炎症の制御に関与。
人間の身体に自然に存在するカンナビノイドは10種類と言われています。

CB1、CB2とは

CB1(カンナビノイド受容体)
1988年にセントルイス大学の薬理学者アリン・ハウレット博士らが発見。
カンナビノイドの内、THCが直接作用し、主に中枢神経系のシナプスや感覚神経の末端部分に存在している受容体。
記憶・認知・運動制御・食欲調節・報酬系の制御・鎮痛・脂肪代謝などの生理作用を担っている。
CB2(カンナビノイド受容体)
1993年にケンブリッジ大学のショーン・マンロー博士らが発見。
CB2は免疫系の細胞に発現し、内臓ほか全身の200箇所以上に存在。
これらは免疫機能や炎症の制御に関与。

エンドカンナビノイドシステムの作用

私たちの身体は、様々な種類の免疫細胞や神経などが存在し、細胞や病気から身体を守るため密接に連携して働いています。
エンドカンナビノイドシステムは、内因性カンナビノイドを分泌し、免疫や神経のバランスを調節することで、恒常性維持(ホメオスタシス)に貢献しているということです。

ホメオスタシスとは

ホメオスタシスは、生物が存在するために必要な内部バランスを保つ重要なしくみです。体内の様々な状態やプロセスを安定させ、外部の変化に適切に対処することができるようにするシステムの事。
例えば、体温を一定の範囲内に保つために働きます。
体温が上昇しすぎると、体を冷却する反応を起こして体温を下げます。
逆に体温が下がりすぎると温める反応を促します。これにより、体温が常に安定して細胞や酵素が正常に機能し生命が維持されます。


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