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《冬の神、ヨーン》ブロールの氷雪カード総評(ほぼ自分用)

 こんにちはばらんです。今回は紙マルチブロールで今調整を進めている≪冬の神、ヨーン≫についての、氷雪カードのみにスポットを当てた記事となります。個人的な感想が多くかつ恐らく最も認知度の高い1vs1のアリーナブロールとは違う環境を想定していることをご了承下さい。

土地

霧氷林の滝/Rimewood Falls
森林の地割れ/Woodland Chasm
氷のトンネル/Ice Tunnel

★5
 氷雪デュアルランドであるだけで偉い。《ヨーン》で攻撃後にアンタップできるのでほぼ《Tropical Island》、《Undeeground Sea》、《Bayou》と同等の価値を持ちます。後述の《アルダガルドのスピリット》のサーチ対象なので色基盤が心許ない時は最優先でサーチしています。

不詳の安息地/Faceless Haven
★3
 前ローテでは《精霊龍、ウギン》を返しのターンでしばけることがかなり強くてミシュラランドの評価が個人的に高かったのですが、現ローテでは《ウギン》も落ち盤面を流せるPWがいなくなったため評価が落としています。警戒が《ヨーン》と被っているのもマイナスポイントです。

煌積の谷間/Shimmerdrift Vale
★4
 氷雪3c土地…!と見せかけて出るに際し選んだ一色しか出せません。序盤に置く時は緑一択、中盤~終盤ではハンドと相談しながら選ぶ色を決めます。

冠雪の森/Snow-Covered Forest
冠雪の島/Snow-Covered Island
冠雪の沼/Snow-Covered Swamp

★5
 語るまでもなく最強。原点にして頂点。《ヨーン》キャストに係わるので《森》がこの中だと★6付けたいくらいには高評価です。

クリーチャー

隆盛するスピリット/Ascendant Spirit
★5
 マナを上から下の順に払っていくとどんどん強化されていきます。一番下の起動型能力は連打するだけでサイズはどんどん膨れ上がり、「戦闘ダメージを与えると1ドロー」の能力は重複して得ます。除去耐性が無いのが若干心許ないですが、1マナ域では間違いなく最強に位置するでしょう。

霜の占い師/Frost Augur
★5
 拾える対象は氷雪カード全般なのでこの記事に書かれているカードを全て拾えます。≪ヨーン≫攻撃前と攻撃後、1tに計2回起動でき、土地や呪文と合わせると意識していなくてもデッキの半分くらいが氷雪カードになりやすいので生き残れば相当数のアドバンテージを稼ぐことが出来ます。≪隆盛するスピリット≫には武力で負けますが、それでも1マナ生物にしては異常すぎる強さを誇ります。

雪崩呼び/Avalanche Caller
★3
 集団で来られると洒落にならないサイズの生物を作って畳みかけることが出来ますが、4/4以上のブロッカーが複数立っているプレイヤーに全力起動→万歳アタックを仕掛けると戦闘の過程でマナ基盤が削れるため、デッキの相性で評価がかなりブレます。≪ヴァドリック≫のようなインスタントソーサリー軸になりがちなデッキには強く出れますが、5/5以上の暴力のぶつけ合いが頻繁に起こりやすいため現環境にはまだ噛み合ってないかなぁと感じます。

死霊堤の司祭/Priest of the Haunted Edge
★3
 マイナス修整なので破壊不能も殺せます。採用するのであれば≪コーマ≫、≪トスキ≫を徹底的に睨む形になりそうです。召喚酔いさえ解ければいつでも起動できるため、「強い生物を置いたらいつでも殺せるぞ」と威嚇出来るのがベストですが、現実はお構いなしに展開されるか単純に殺しきれないサイズで圧殺されるかなので評価はやや低めに見ています。使いまわせるギミックがあればいいですが≪オラー≫や≪リーサ≫がもっとうまく使えそうなので、ギミック導入しても劣化版になりそうです。

くすねる鷹/Pilfering Hawk
★1
 ≪占い師≫を筆頭にこれより軽く手札を増やせるカードがある以上、墓地を肥やすことに意味を見出す≪カルドリング≫面(≪ヨーン≫の裏面)を軸にした構築でないと採用は難しそう。その上VOWの墓所サイクルや《フロギーモス》、《イマースタームの捕食者》等現環境はかなり気軽に墓地を触ってくるため≪カルドリング≫面の評価がかなり低いです。飛行クロックも≪隆盛するスピリット≫に負けているため最も救いようがない氷雪カードになります。

冬を彫る者/Sculptor of Winter
★3
 現環境ブロールにおいてそこそこ珍しい2マナ域マナクリで、しかも氷雪。組み始めた頃は4.5くらいの評価で採用しましたが、土地でしっかり基盤が整っていないと色が出ず、最も死にやすい加速枠なのでこの評価に落ち着きました。

北方の先導/Boreal Outride
★4
 確実に後続の生物が一回り大きくなって出てくるようになるため戦闘で優位に立ちやすくなります。+1/+1カウンターということもあって非冠雪呪文とのシナジーも取りやすく、無限の選択肢を与えてくれます。能力の都合上、先出ししないと能力を発揮しないため≪ナーフィ≫とはいい意味で差別化されてると思います。

氷皮のトロール/Icehide Troll
★3
 ヨーンと組み合わせて実質4/2破壊不能警戒として運用が出来、全除去や地上での防御面にもある程度強く立ち回れますが、常に氷雪2マナを構える必要があるためマナ食い虫でもあります。

残忍なドローガー/Grim Draugr
★2
 パワー修整が弱いくせにタフネスの修整が入らず、威迫も正直そこまで強くありません。≪氷皮のトロール≫や≪霰嵐の戦乙女≫等のマナ食い虫と比べるとだいぶ貧弱という評価です。

霜峰のイエティ/Frostpeak Yeti
★1
 ≪残忍なドローガー≫同じく貧弱なマナ食い虫です。確実に攻撃通したい場面は確かに多そうですが、どちらかと言うと欲しいのはアンブロよりも打点アップです。しかも≪残忍なドローガー≫よりも1マナ重くてこの性能なのでこいつよりも弱いです。

ドローガーの屍術師/Draugr Necromancer
★4
 死亡誘発を禁止でき、かつ追放された生物はこちらが使えてかつ4/4のサイズを誇ります。先述の≪司祭≫と合わせれば相手の化物をそのままパクることも出来ます。ただカウンターを乗せて追放が適用されるのは死亡する時のみで、≪虚空の力線≫のような挙動ではないので効果範囲は一概にも「広い」とは評価しづらいと思います。

霰嵐の戦乙女/Hailstorm Valkyrie
★4
 飛行、トランプルと非常に攻撃を通しやすい能力を自前で常に持っている上に修整と起動コストは{S}{S}で+2/+2と存在するマナ食い虫の中では比べ物にならないくらい破格の性能を誇ります。本当は★5付けたいのですが、マナ食い虫という時点で評価が落ち気味かなと思います。

アルダガルドのスピリット/Spirit of the Aldergard
★5
 土地サーチ分も含めるとこいつだけで4/5/4の良マナレシオ生物なのに、さらに氷雪パーマネントを展開できればどんどんサイズが上がっていきます。氷雪デュアルランドのおかげで色事故も解決できるのでこれ1枚で今後の展開を考えつつ殴りにいける中堅最強の生物です。

霜のモーリット/Moritte of the Frost
★5
 コピー対象はパーマネント全部なので強いエンチャントを増やしたり、強い生物をもう1体増やしてより圧をかけていくことが可能です。しかもコピーしたパーマネントは氷雪になるので≪ヨーン≫のアンタップ効果を受けられ、非冠雪のファッティをコピーしようものなら実質警戒持ちにもなる破格のクローンです。
 またこれと≪ヘラルド、エルフを統一する≫を揃えると無限切削コンボ。≪モーリット≫、≪ヨーン≫、≪石成エンジン≫の3枚を揃えると攻撃指定ステップ限定の無限マナコンボが成立します。現時点では「決まってもそれだけじゃ安定した即勝ちは出来ない」が現実であるため実践レベルには至りませんが、今後のセット発売によるカードプールの拡張次第ではこのコンボも活用するのも視野に入るかもしれません。

氷山の徘徊者/Berg Strider
★1
 実質2t生物やファクトを止められるのは強いですが、止められるのは1つなのであまり優先的に採用されるカードではありません。マルチブロールではこんなのに5マナ使ってる余裕はありません。

背信の王、ナーフィ/Narfi, Betrayer King
★3
 氷雪に生物枠を割いていれば割いている程ロード能力の恩恵が大きく得られます。ついでにゾンビも修整の対象なので腐乱持ちゾンビを使う時も使えます。≪北方の先導≫と違い後出しでもサイズアップの恩恵は行き渡りますが、非冠雪生物に恩恵がありません。≪先導≫は氷雪マナさえ使っていれば非冠雪生物にすらカウンターを乗せられます。また≪トロール≫同様受けとして能力を構える際はマナを構え続ける必要があるため、上記のマナ食い虫程ではありませんがそこそこテンポを落とす必要があるくらいには構える要求マナが重いです。

氷砕きのクラーケン/Icebreaker Kraken
★4
 土地7枚以上並んだ後半からはプレイヤーの戦闘を縛りながら8/8警戒でどつき回すことが出来ます。{U}{U}でポンと出てくることもザラ、土地バウンスで除去から回避も可能と出されると対処が難しく厄介な存在です。横に≪アシャヤ≫がいれば氷雪クリーチャーも氷雪土地となるため全体除去が来たら他の氷雪生物も逃がすことが可能です。また戻した土地は≪耕作する巨躯≫、≪レンと七番≫で叩きつけ直すことも出来たり、≪十三嗜好症≫の手札カウントを稼いで無理やり13枚揃えて突然特殊勝利したりと非冠雪カードとも厚いシナジーを持つカードが多く、まだまだ化ける可能性を孕む強力な生物です。土地6枚からがまともにこいつを出せるラインなので暴れ始めるタイミングはやや遅めなので★4を付けています。

インスタント、ソーサリー

吹雪の乱闘/Blizzard Brawl
★5
 ソーサリーながら条件無しで1マナで盤面に干渉出来る格闘呪文と言うだけでも非常に偉いのですが、最も強い部分は「破壊不能を持つ」という部分に尽きます。これにより格上の生物をこちらは一切損することなく一方的に殺せるため打ちどころに困りにくいのです。前ローテでは≪影槍≫という破壊不能を剥がせる+装備生物に絆魂付与という天敵がいたのですが、それもスタンから落ちたのでさらに遠慮なく唱えられるようになりました。
 あと名前に「Brawl」が付くのが素晴らしいですね。

霜の祝福/Blessing of Frost
★4
 ≪ヨーン≫がパワー3なので他にパワー1がいれば2ドローが約束されるのでそんじょそこらの4マナ2ドロー勢よりはドローできる可能性を秘め、自軍のサイズを上げて戦力増強が見込めます。これは余談ですが、スゥルタイカラーのカルドハイムの氷雪呪文サイクルは全て4マナ以上であるため、対戦相手が≪レーデイン≫を出していると予想外の恩恵を得られます。他にタップインされる氷雪土地は戦闘後にアンタップされるため、唯一の氷雪メタであるカードが≪ヨーン≫にとってはそこまで痛手では無かったりします。

彫像の伝承/Graven Lore
★4
 占術で極限までドローの質を高めた上で3枚引けるので、次々抜けて行ったドロー呪文の中でもこれだけは残しています。インスタントなので見た目5マナ無くても≪ヨーン≫のアンタップするタイミングでマナを浮かせてコスト誤魔化して唱えることも出来るのでこいつのコストは実質3マナです。≪レーデイン≫がいると占術7が出来るんですが、友情コンボによるアドバンテージ付随は他の氷雪スペルと比べて一番しょぼいです。

雪上の血痕/Blood on the Snow
★5
 ファッティ1体だけなら除去後のリアニで拾えるのでアドバンテージの損失はこれ1枚である程度補えます。対戦相手が3人もいる殴り合い環境である以上、全除去を採用する必要性はカジュアルかガチか関係なく統率者以上に高いです。もし紙マルチブロールで黒を触る場合、真っ先に全体除去を採用候補に挙げましょう。そこから実践を通して不要かを見極めていけばいいかと思われます。
 また4人で遊ぶゲームである都合上、やる機会は1000ゲームに1回あるかないかの小ネタですが、破壊モードをプレインズウォーカーにして、クリーチャーだけリアニメイトしてなんらかの動きをして勝ちに行く動きも視野に入れておくと面白いかもしれません。

アーティファクト、エンチャント

複製する指輪/Replicating Ring
★5
 設置から8t経過で8つ氷雪トークンが生まれるとか書いてありますが、そのテキストがあろうがなかろうが★5の評価は揺るぎません。生物や勝敗に関わるパーマネントにヘイトが向きやすい環境で、これをわざわざ割りに来るほどヘイトを集めるタイミングはトークンが出そうになる時のみです。しかも全体アーティファクト破壊も現環境では存在していないため何かしらのついでに破壊されることもほぼありません。≪冬を彫る者≫と違って場持ちがいいのが評価を上げている最大のポイントです。

氷縛りの柱/Icebind Pillar
★3
 戦闘前にブロッカー排除、戦闘後以降はまたブロッカー排除か返しのターンでの攻撃妨害の2択が取れます。タップでその場凌ぎをするよりはバウンスで出し直させるようテンポを阻害するか破壊、追放した方が強いので個人的には若干厳しいかなと感じます。

輝く霜/Glittering Frost
★3
 非冠雪の2色土地に付けて無理やり氷雪カウントを増やすついでにマナ加速が出来るのですが、≪ヨーン≫は非冠雪の土地を採用して色基盤の安定を整えるよりも氷雪土地を出来る限り採用してアンタップの恩恵を最大まで受けられるようにした方が強いので、非冠雪の土地を氷雪に染める動き自体も強くありません。また土地につけるオーラ加速の対抗馬として、VOWで≪自然の抱擁≫が登場したことにより、色の安定度を上げつつ加速するという役割はこちらの方に軍配が上がります。≪冬を彫る者≫とのシナジーは強烈ですが、≪冬を彫る者≫自体があまり評価高くないのもあって、完全に新規カードに食われてしまった不遇枠となります。

まとめ

 氷雪ギミックが現時点でカルドハイムにしか無く、性能で採用パーツを厳選していくと非常に期待値の高いものにしか注目が行きません。またこれからのセットでどんどん強力な非冠雪の呪文が増えていくと、冠雪呪文が抜けて行きやがてマナ基盤以外氷雪カード抜けてしまったという未来もあり得てしまいます。UBGという色の多さはメリットではあるのですが、デッキを59枚に収めなくてはいけない以上、無限に湧いてくる選択肢のうち大多数を切り捨てる必要があるため、考えることが非常に多くなるというデメリットを抱えているジェネラルでもあります。

 最後に、僕が使っているデッキリストを貼って締めたいと思います。ありがとうございました。

デッキリスト

https://www.moxfield.com/decks/g8zgY_kluUqIAOGyUjd1dw

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