鈴木誠也を救いたいっ!!!

エンゼルスの大谷翔平選手やレッドソックスの吉田正尚選手がMLBで大活躍している中、やや苦戦気味なのがシカゴ・カブスに所属する鈴木誠也選手です。

鈴木選手の所属しているカブスはチームとしては好調で、現在NLで熾烈なPO争いを繰り広げています。

そんな中で鈴木選手はチームの勢いに加われず、ベンチスタートの日々が続いています。

そんな現状を見てネットやメディアでは「鈴木誠也、干される」などといった見出しで批判をされることも少なくありません。

確かにここまでの鈴木選手の成績を見るとあまり芳しくはなく、PO進出に向けて1試合1試合が非常に大きな意味を持つ終盤戦において出場するバリューのある選手かと言われるとやや難しいところがあります。

だからといって鈴木選手がMLBに適応できていないのか、と言われるとそうではないと思います。

今回は各種打撃指標を用いて鈴木選手はメジャーに通用するのかしないのか、を考察していきたいと思います。


まず結論から申しますと鈴木選手はメジャーで通用します。

というのもレッドソックスの吉田選手が異常なだけで本来メジャーにアジャストするのはもう少し時間がかかってもおかしくないと思うからです。

契約規模を考えればある程度の結果が求められるのも納得はいきますが、今季のカブスは上振れ感もあり、もう少しゆったりとアジャストする余裕はあったはずです。

今季のカブスにチャンスが無かったわけではありませんが、NL中地区(NLC)は開幕前の下馬評ではSTLとMILの2強でカブスに対する期待値はあまり高くありませんでした。

なので今季は爆発的な成績を求められるようなシーズンではなく、というよりは来季以降しっかり働ける準備が大事なシーズンという位置付けだと僕は解釈していました。

いわゆるホップステップジャンプ、のリズムでアジャストできればOKで、今季はそのステップの位置にあたる。という考え方です。

そう考えると今季は上手くいっているんです。
なぜ上手くいっているのかはここから説明します。


まずメジャー1年目の昨季と2年目の今季の変わった点を見ていきます。

打率 .262→.249 (-.013)
出塁率 .336→.328 (-.008)
長打率 .433→.389 (-.044)
OPS .769→.717 (-.052)
三振率 24.7%→25.3% (+0.6%)
四球率 9.4%→10.4% (+1%)

成績の面では長打率がグッと下がっていますね。
そのおかげでOPSが大きく下がっています。

打率に関してもややダウン気味ですね。
この辺りも長打率低下に響いていそうです。

ただ四球率はアップしていて、そのおかげで出塁率は打率以上のダウンを免れています。
全体的に成績は下降気味にありますが、悪いところばかりではないことは見受けられます。

今季の鈴木選手の1番の問題点は長打の少なさにあると思います。
今季のカブスでストローマンの次に年俸をもらっている鈴木選手がOPS7割ちょっとは正直いただけないですよね。

単に成績を見れば鈴木選手の打撃は退化していそうですが、むしろ打撃自体は成長しています。
ここからは今季の各種打撃指標を見ていきましょう。


まずは鈴木選手の打球方向を見ていきます。
昨季までは広角に打ち分けていたのに対して今季は明らかに逆方向への打球が減り、センターからレフトへの打球が多くなっています。

なので昨年までは広角に打ち分けていたのが引っ張りを意識したバッティングに切り替えている、と考えられるわけです。

それが功を奏したのかハードヒット率は22年の41.3%から48.6%と7%強増加しており、平均打球速度も90マイルを超えています。

なので鈴木選手の打球のパワー自体は昨年より増しており、ヒット性の打球は多く生まれています。

ただ今季はあまり打球角度がついていません。

今季の鈴木選手は昨季と比べるとFB%が3%ほど下降しており、その分GB%が上昇しています。

この辺りが長打数の減少に大きな影響を与えているのだと考えられますね。

まとめると鈴木選手は今季引っ張り方向への打球が増えており、それによって打球速度は上昇傾向にある。

しかし、打球に角度がつきづらくなっており、ゴロが増えた影響で結果的に長打が減ってしまっている。
ということになります。


ただ先ほどから記載している通り鈴木選手の今季は「ステップ」の位置付けにあると考えています。

ですので、今季パワー(打球速度)が成長したのであとは打球角度と打球方向の修正さえできれば自ずと成績は付いてくるはずです。

今現在のカブスのチーム状況では、育成という観点で鈴木選手を我慢して起用することは難しいですが、鈴木選手は確実に成長しています。

なので、今試合に出れてないからといって鈴木選手はMLBで通用しない、というのは全くの見当違いであると言えます。

鈴木選手は大谷選手のような1,2番でのリードオフ的役割よりクリーンナップでの打点稼ぎの役割を期待されていると思うので、弱点を克服し、今季磨いたパワーを発揮してもらい、大爆発して、日本人野手の市場価値を更に上げてもらいたいところです。

鈴木選手はまだまだ本当の実力を見せていませんよ!こっからですからね!!!
今シーズンは難しくても、来シーズン以降は大活躍してくれると僕は信じています!

鈴木選手のこれからに要注目です!


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