MLB選手紹介 vol.3 ワンダー・フランコ

2021年に鮮烈デビューを果たし、当時20歳ながら11年総額1億8200万ドルもの契約を勝ち取ったレイズの超有望株、ワンダー・フランコ。

今回はそんなフランコについて紹介していきたい。


・ワンダー・フランコのプロフィール

タンパベイ・レイズ所属の内野手。

2001年3月1日生まれ
→根尾昂、吉田輝星と同世代。

178cm/86kg 右投げ両打ち

2017年の海外アマチュアFAでレイズに入団。
2021年6月22日にレッドソックス戦でメジャーデビュー。

ドミニカ出身のフランコはアメリカ出身の選手とは異なりFAでの入団で、2017年には大谷翔平に次ぐ有望株とされていた。
ここからはそんなフランコの選手としての特徴を2022年の主要成績と打撃指標を参考に紐解いていきたい。


・ワンダー・フランコの2022年シーズン成績

・主要成績
BA .277
→vs R .269 (L)
→vs L .304 (R)
OBP .328
SLG .417
OPS .745
HR 6
2B 20
barrel 13
DRS SS 0/3B -1
fWAR 2.3

・打撃指標

K% 9.6% (22.1%)
BB% 7.6% (8.4%)
HH% 35.8% (35.8%)
barrel% 4.6% (6.7%)

A exit velo 87.3 (88.4)
M exit velo 112.4 (122.4)
launch angle 8.2 (12.1)

GB% 44.2% (44.9%)
FB% 18.2% (23.1%)
LD% 29.1% (25.0%)
PU% 8.4% (7.1%)

zone con% 92.5% (82.0%)
chase% 30.1% (28.4%)
chase con% 73.1% (58.3%)
whiff% 13.3% (24.7%)

・フランコのここがスゴい!
→とにかくコンタクト率が高い。
→左右どちらも苦にしない打撃

・フランコのここに注目!
→barrel率、ハードヒット率の向上
→ポテンシャルを存分に発揮した大爆発!

フランコはコンタクト率がとにかく高い。
そりゃあもう高い。
というのもゾーンコンタクト率は脅威の92.5%で平均を10%ほど上回っている。
whiff%(全スイング中の空振り率)は13.3%とこちらは平均より10%低くこれだけでもコンタクト率の高さが窺えるが驚きなのはchase con%(ボールゾーンのコンタクト率)で73.1%と平均の15%以上。
フランコはchase%(ボールゾーンのスイング率)も少し高めではあるがボールゾーンでもコンタクト率が高いとなると納得できる。

コンタクト率が高い分三振も少なく、三振率は9.6%と一桁台。
こちらは同じく空振りしないで話題となったガーディアンズのクワンとほぼ同じくらいの数値である。(フランコは規定未達だが、クワンは規定打席到達しており、その三振率はAL上位1%の好成績。)

フランコは両打ちで対右、左ともに苦にしていないのも優秀で、対右は.269で対左においては.304で、2021年は.357と左キラーぶりを見せている。
高いコンタクト率を誇りながら対右を苦にせず、対左には高アベレージを出せるので、打率期待値であるxBAは.285とAL上位4%となっている。
シーズン3割達成や首位打者を獲得する未来はそう遠くないのかもしれない。

ここからはフランコの注目ポイントを紹介していきたい。
フランコはコンタクト率の優秀さが目立つ中で、打球関連の指標はそこまで良くない。

ハードヒット率はちょうど平均くらいで、平均打球速度やbarrel率はまだまだ平均以下とこのあたりは伸び代がある。

この辺りはフランコがクワンのようなアベレージヒッターで行くのであれば良いのだろうが、(クワンは打率が高くコンタクト率が際立って優秀な代わりに打球関連の指標は良くない。)フランコはクワンよりも体格が大きいためにこの辺りの指標さえ向上すれば3割30本だって狙えるに違いないと思う。
実際、22年シーズン開幕してすぐの4月には4本のホームランを放ちながら打率も.313と高アベレージを残した。
なのでこの辺りの指標の向上とそれによる更なる成熟に期待していきたい。

そして2023年シーズンこそはフランコの大爆発に期待したい。
2021年のデビュー後、フランコが大きなインパクトを残したのは間違いないが、シーズンを通した活躍を期待された22年シーズンは度重なる怪我によって不本意な結果に終わった。

それでもフランコは開幕直後の4月や、2度目の怪我から復帰した9月は共に打率.300を超え、そのポテンシャルを発揮した。
今回参照しているデータも怪我による影響が少なからずあるので、来シーズンこそはフランコの溢れるポテンシャルを存分に発揮した大活躍を見せて欲しい。

フランコは23年シーズンにでも3割30本を達成できるポテンシャルはあると思うので、これからも注目してみていきたい。

※使用しているデータはbaseball savant、fangrafhs、Wikipediaを参考にしています。

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