MLB選手紹介 vol.7 ボビー・ウィットjr
今回は2022年、AL新人王投票4位にランクインしたロイヤルズ再建のキーマン、ボビー・ウィットjrについて紹介していきたい。
・ボビー・ウィットjrのプロフィール
ロイヤルズ所属の遊撃手。背番号は7。
2000年6月14日生まれ。
→根尾昂、吉田輝星と同世代。
185cm/86kg 右投げ右打ち
2019年のドラフト1巡目指名(全体2位)でロイヤルズに入団。
2022年シーズン開幕戦のガーディアンズ戦でメジャーデビュー。
ウィットjrは2019年ドラフトでラッチマンの次に指名された選手で常にプロスペクトランキングにランクインしていた超有望株で、メジャーデビューの試合は前回紹介したガーディアンズのクワンと同じ試合。
22年シーズンは開幕にデビューしてから出場を重ねていき、最終的には150試合に出場し632打席に立ち、ルーキーイヤーながらしっかりと規定打席に出場した。
そんなウィットjrの選手としての特徴について22年の主要成績や各種指標を参照にして紐解いていきたい。
ボビー・ウィットjrの2022年シーズン成績
主要成績
G 150
PA 632
BA .254
OBP .294
SLG .428
OPS .722
HR 20
2B 31
barrel 40
DRS SS -18/3B -4
fWAR 2.3
各種指標
K% 21.4% (22.1%)
BB% 4.7% (8.4%)
HH% 38.6% (35.8%)
barrel% 8.7% (6.7%)
A exit velo 89.7 (88.4)
M exit velo 113.7 (122.4) 上位8%
launch angle 16.8 (12.1)
GB% 36.2% (44.9%)
FB% 33.4% (23.1%)
LD% 22.6% (25.0%)
PU% 7.8% (7.1%)
zone con% 82.1% (82.0%)
chase% 34.7% (28.4%)
chase con% 61.0% (58.3%)
whiff% 25.2% (24.7%)
ウィットjrの5ツールスカウティング
ミート C
パワー C
走力 A
守備 E
送球 B
(A〜Eの5段階評価)
ウィットjrのここがスゴい!
・打球角度をつけるのが上手い
・コンタクト力がある
・得点圏打率が高い
・打球角度をつけるのが上手い
ウィットjrはホームラン20本、ツーベース31本とルーキーイヤーとしてはそこそこの数字を残せた。
それでもフリオと比べると平均打球速度やハードヒット率は劣っており、平均をやや上回る程度である。
その中でホームランなどの長打がコンスタントに出ている要因は打球角度をつける上手さにある。
ウィットjrは平均打球角度がフリオやラッチマンなど今まで紹介してきた誰よりも高く、フライ率は33.4%と高めの数値。
barrel率も8.7で平均より2%高く、しっかりと効果的な打球を打てているのがわかる。
・コンタクト力がある
ウィットjrは比較的、ではあるがコンタクト能力がある。
というのもウィットjrはゾーンスイング率が70.4%と平均の66.9%を超えており、ボール球スイング率も34.7%と積極的なアプローチが目立つ中でゾーン内、ボールゾーンのコンタクト率は平均を上回っており、スイング中の空振り率もそこまで高くはない。
三振率も21.4%と平均以下でホームランや長打などをコンスタントに出せている中での数字はなかなか優秀だといえる。
・得点圏打率が高い。
得点圏打率は.323と高く、ホームランやツーベースなどの長打もしっかり出ていて、得点圏でのOPSは.867と高水準。
しっかりとクリーンナップを務められるスペックで、実際3番での出場も多く、1番多く打席に立った2番でのOPSが.670なのに対して3番では.794と結果を残しており、近い将来にクリーンナップで大活躍してくれそうだ。
ウィットjrの注目点
・高いポテンシャルを活かした更なる活躍に期待!
・守備は成長できるのか!?
・高いポテンシャルを活かした更なる活躍を期待!
→今回成績をまとめてみて22年シーズンのウィットjrは本領発揮できていなかったのではないか?と思った。
それほどまでに指標面は申し分ない成績が出ていると思う。
もちろんハードヒット率が平均の少し上、という程度なのでHR30本を越えるにはもう少し必要なのはわかるのだが、それでも平均以下、と言うわけでもないので弱点とは言えない。
しかも最高打球速度についてはリーグ上位8%と高レベルであるだけに打球速度面(パワー)も心配ないと思える。
それでいて他のルーキーたちの課題に上がることが多い打球角度面についてはほぼクリアしていてそれでいて空振り率がフリオらに比べて低く三振数も少ないのだからウィットjrの打者としての弱点は四球が取れず出塁率が上がらないことくらいだ。
23年のウィットjrはハードヒット率がもう少し上がれば信じられない能力を発揮してくれるに違いない。
メジャー屈指のスラッガーに近い将来になれるポテンシャルを持つウィットjrのこれからには要注目だ。
・守備は成長できるのか!?
ウィットjrの打撃指標には希望しかないのだが、対して守備には大きな懸念を持つ。
ウィットjrは今年もっとも多く出場したショートでDRS-18というある意味驚異的な数字を叩き出しており、3Bでも-4と守備では苦戦気味。
守備範囲、エラー数とどれも改善の余地ではあるが、3Bではまだ希望がありそうなので3Bで運用していくのか、はたまたショートでまだ行くのか、どのポジションでウィットjrは使われるのかというのも注目ポイントの一つだ。
とはいえウィットjrはまだ若く守備の改善も見込めるし趣旨さえ改善されればより最高の選手になれるのでこの辺りも注目して見ていきたい。
とまぁここまでウィットjrについて紹介してきたが指標だけ見ればここまで紹介してきた選手の中で1番23年シーズンが楽しみな選手かもしれない。
バッターとして無限の可能性を秘めたウィットjrのこれからに期待していきたい。
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