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新型コロナで日本経済はどうなる?

コロナの経済的影響は色々述べられている。

IMFは、2020年後半に終息見込の標準シナリオで世界経済マイナス3%、日本経済マイナス5.2%と予測。
終息が来年まで長期化した場合の第2シナリオは、2021年世界経済マイナス8%、日本経済マイナス11%と予測。
最悪シナリオの第2波到来の場合、4年間世界経済はマイナス成長が続き、2022年はマイナス5%、2023年はマイナス4%になると予測する。

中部圏社会経済研究所の島澤諭氏は4つの前提条件のもと、2020年日本経済のGDPは85兆円引き下がり、経済成長率はマイナス15.8%となると予測。今回の経済対策効果を政府はGDPを4.4%押し上げ効果があると主張、それを全面配慮してもマイナス11.4%になる。

4つの前提とは次のとおりである。
①世界経済の減速はIMFのマイナス3%より厳しいマイナス6%を前提。
②インバウンド減少を2020年4月~9月まで訪日人数93%減少を前提。
③家計消費は休業により6月末までピークの3割減を前提。
④オリンピック延期により五輪需要6,950億円消滅を前提。

これはリーマンショック暦年2008年マイナス1.1%、2009年マイナス5.4%を大きく上回る。衝撃の大きさである。リーマン不況は信用不安から企業の供給不足が発生し、個人の需要減に発展していた。今回は個人消費を直撃し、消費減少が企業の資金繰りを悪化させる。消費回復は企業供給回復より時間がかかり、長期化は避けられない。

日銀の黒田総裁はコロナの影響で2020年の経済成長率はマイナス5%~マイナス3%の範囲になると述べた。2021年の経済予測をプラス3.9%~プラス2.8%になると予測する。これはIMF標準シナリオの2020年後半にコロナ感染が鈍化し、終息に向かう前提のV字型回復を想定している。

奇しくも2020年は、安倍政権が4年前「日本再興戦略2016」のスローガンのもと「名目GDP600兆円」達成を目標に挙げ「東京オリンピックのレガシー」とすると掲げた最終年度である。

2019年GDPが557兆円だから、もともと見かけ倒しの看板にすぎない。しかし一気に500兆円割れの予測は厳しい数字だ。購買力基準の一人当たりGDPが韓国に抜かれた日本は、今回のコロナ対策失敗により更に韓国との差拡大は避けられない。

今回のコロナ不況はリーマン以上である。今年一杯にコロナが終息しなければ、2021年には失業者は現在より150万人近く増加する可能性がある。コロナ以後の経済体制は今までの状況と一変するかもしれない。


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