兵藤恵昭・読書記録

山登り・温泉・博徒の墓巡りが趣味。博徒史に興味を持つ団塊世代。Noteブログは読書記録…

兵藤恵昭・読書記録

山登り・温泉・博徒の墓巡りが趣味。博徒史に興味を持つ団塊世代。Noteブログは読書記録ブログです。 特定社会保険労務士・兵藤社会保険労務士事務所。 「博徒ブログ」も開設。下記URLクリックして下さい。https://blog.goo.ne.jp/shigeaki0303

記事一覧

「漂流する日本企業」伊丹敬之著

「漂流する日本企業・どこで、なにを、間違え、迷走したか?」伊丹敬之著・東洋経済新報社2024年3月発行 著者は1945年生まれ、一橋大学名誉教授。宮川公男氏に師事、専門…

「なぜガザなのか」サラ・ロイ著

「なぜガザなのか・パレスチナの分断、孤立化、反開発」サラ・ロイ著・青土社2024年8月発行 著者は1955年生まれ、ホロコースト生き残りのユダヤ人を両親にもつユダヤ系ア…

「内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実・改正公益通報者保護法で何がかわるのか」奥山俊宏著

「内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実・改正公益通報者保護法で何がかわるのか」奥山俊宏著・朝日新聞出版2022年4月発行 著者は1966年生まれ、朝日新聞入社…

「退職代行業者が今すぐ伝えたい!Z世代が辞めたい会社」退職代行モームリ著

「退職代行業者が今すぐ伝えたい!Z世代が辞めたい会社」退職代行モームリ著・リビックブック㈱2024年8月発行 著者は「退職代行モームリ」で、退職代行業は2022年6月設立…

「何もしないほうが得な日本」太田肇著

「何もしないほうが得な日本・社会に広がる消極的利己主義の構造」太田肇著・PHP新書2022年11月発行 著者は1954年生まれ、同志社大学教授、専門は組織論、組織社会学。日…

「続・昭和街場のはやり歌・戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと」前田和男著

「続昭和街場のはやり歌・戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと」前田和男著・彩流社2024年5月発行 著者は1947年生まれ、日本読書新聞編集部勤務を経て、ノンフィクション…

「パレスチナ解放闘争史1916-2024」重信房子著

「パレスチナ解放闘争史1916-2024」重信房子著・作品社2024年3月発行 著者は1945年生まれ、日本赤軍派幹部として1971年日本出国、パレスチナ解放闘争に参加、2000年11月逮…

「NHK・日本的メディアの内幕」立岩陽一郎著

「NHK・日本的メディアの内幕」立岩陽一郎著・地平社2024年7月発行 著者は1967年生まれ、NHKで社会部記者、海外特派員を経て50歳で退職、現・大阪芸術大学教授、ネットメデ…

「藤沢周平と司馬遼太郎」佐高信著

「司馬遼太郎と藤沢周平・歴史と人間をどう読むか」佐高信著・光文社1999年6月発行 著者は1945年山形酒田市生まれ、高校教師、経済紙編集長を経て、辛辣評論家として有名…

「ユダヤとアメリカ・揺れ動くイスラエルロビー」立山良治著

「ユダヤとアメリカ・揺れ動くイスラエルロビー」立山良治著・中公新書2016年6月発行。 著者は1947年生まれ、在イスラエル日本大使館調査官、国連パレスチナ難民救済事業…

「モノ言う株主」の株式市場原論・丸木強著

「モノ言う株主の株式市場原論」丸木強著・中公新書ラクレ2024年5月発行 著者は1959年生まれ、野村證券入社、公債資金調達引受、IPOのアドバイザー業務担当、退職後「村上…

「三井大坂両替店・銀行業の先駆け、その技術と挑戦」萬代悠著

「三井大坂両替店・銀行業の先駆け、その技術と挑戦」萬代悠著・中公新書2024年2月発行 著者は1987年生まれ、公益財団法人三井文庫研究員。 三井大坂両替店は松阪商人・…

「経済学の思考軸・効率か公平かのジレンマ」小塩隆士著

「経済学の思考軸・効率か公平かのジレンマ」小塩隆士著・ちくま新書2024年5月発行 著者は1960年生まれ、経済企画庁入省11年間勤務を経て、現一橋大学経済研究所特任教授…

「それでもなぜ、トランプは支持されるのか?」会田弘継著

「それでもなぜ、トランプは支持されるのか・アメリカ地殻変動の思想史」会田弘継著・東洋経済新報社2024年7月発行 著者は1951年生まれ、共同通信社ワシントン支局長、論…

「ガザ日記・ジェノサイドの記録」アーティフ・アブー・サイフ著

「ガザ日記・ジェノサイドの記録」アーティフ・アブー・サイフ著・地平社2024年5月発行 著者は1973年ガザ地区ジャバリア難民キャンプで生まれる。ブラッドフォード大学で…

「海鳴りの底から」堀田善衛著

「海鳴りの底から」堀田善衛著・朝日文庫1993年6月発行 著者は1918年富山県生まれ、戦前、中国国民党宣伝部に徴用された経験から作家デビュー、「広場の孤独」芥川賞受賞…

「漂流する日本企業」伊丹敬之著

「漂流する日本企業」伊丹敬之著

「漂流する日本企業・どこで、なにを、間違え、迷走したか?」伊丹敬之著・東洋経済新報社2024年3月発行

著者は1945年生まれ、一橋大学名誉教授。宮川公男氏に師事、専門は経営学、日本企業の実証研究を行った第一世代。1987年「人本主義企業・変わる経営、変わらない原理」ほか多くの著書がある。

著者は、日本経済「失われた30年」の成長低迷の原因を日本企業の経営そのもにあると批判する。米国式株主重視

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「なぜガザなのか」サラ・ロイ著

「なぜガザなのか」サラ・ロイ著

「なぜガザなのか・パレスチナの分断、孤立化、反開発」サラ・ロイ著・青土社2024年8月発行

著者は1955年生まれ、ホロコースト生き残りのユダヤ人を両親にもつユダヤ系アメリカ人。ハーバード大中東研究所上級研究員。専門は政治経済学。「ホロコーストからガザへ・パレスチナの政治経済学」「ガザ地区・反開発の政治経済学」の著書がある。

書名に「なぜガザなのか」とある。理由はイスラエルの目的の本質がガザに

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「内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実・改正公益通報者保護法で何がかわるのか」奥山俊宏著

「内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実・改正公益通報者保護法で何がかわるのか」奥山俊宏著

「内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実・改正公益通報者保護法で何がかわるのか」奥山俊宏著・朝日新聞出版2022年4月発行

著者は1966年生まれ、朝日新聞入社、編集委員を経て、現在上智大学教授。内部通報研究者としては第一人者である。

兵庫県斎藤元彦知事に対する元幹部局長の内部告発によるパワハラ、当該告発者特定の結果の自殺など、知事の公益通報者保護法の違反が問われている。

本書は、ジ

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「退職代行業者が今すぐ伝えたい!Z世代が辞めたい会社」退職代行モームリ著

「退職代行業者が今すぐ伝えたい!Z世代が辞めたい会社」退職代行モームリ著

「退職代行業者が今すぐ伝えたい!Z世代が辞めたい会社」退職代行モームリ著・リビックブック㈱2024年8月発行

著者は「退職代行モームリ」で、退職代行業は2022年6月設立。親会社は人材コンサルを業とする㈱アルバトロス、代表者は谷本慎二氏。当社は1.5万件余りの退職代行に関与したという。

退職代行サービスという業務が流行っている。退職を代行する商売。本来、退職という自分ですることを第三者が代行す

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「何もしないほうが得な日本」太田肇著

「何もしないほうが得な日本」太田肇著

「何もしないほうが得な日本・社会に広がる消極的利己主義の構造」太田肇著・PHP新書2022年11月発行

著者は1954年生まれ、同志社大学教授、専門は組織論、組織社会学。日本における組織研究の第一人者。「同調圧力の正体」「承認要求の呪縛」など多くの著書がある。

「働かないおじさん」「無気力な若者」の言葉が巷に飛び交う。「何もしないほうが得だ」という考え方が社会全体に蔓延している。

一方で経営

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「続・昭和街場のはやり歌・戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと」前田和男著

「続昭和街場のはやり歌・戦後日本の希みと躓きと祈りと災いと」前田和男著・彩流社2024年5月発行

著者は1947年生まれ、日本読書新聞編集部勤務を経て、ノンフィクション作家、翻訳家。

本書は2023年8月発行「昭和街場のはやり歌」の続編。雑誌「論座」連載「嗚呼!昭和歌謡遺産紀行」を改稿、単行本化したもの。

第一話は「軍艦マーチ」から、最後の十七話北原ミレイ「石狩挽歌」まで昭和歌謡曲17曲を掲

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「パレスチナ解放闘争史1916-2024」重信房子著

「パレスチナ解放闘争史1916-2024」重信房子著

「パレスチナ解放闘争史1916-2024」重信房子著・作品社2024年3月発行

著者は1945年生まれ、日本赤軍派幹部として1971年日本出国、パレスチナ解放闘争に参加、2000年11月逮捕、懲役20年の判決を受け、2022年出所。「はたちの時代」などの著書がある。

本書は獄中で書かれたパレスチナ人民解放主体の視点からの解放闘争史。著者も自らの反省を含めてのその通史である。そのうえでイスラエル

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「NHK・日本的メディアの内幕」立岩陽一郎著

「NHK・日本的メディアの内幕」立岩陽一郎著

「NHK・日本的メディアの内幕」立岩陽一郎著・地平社2024年7月発行
著者は1967年生まれ、NHKで社会部記者、海外特派員を経て50歳で退職、現・大阪芸術大学教授、ネットメディ「アインファクト」編集長、フリージャーナリスト。

職員1万人を超える巨大メディア。受信料に支えられる公共放送NHKは、政府、大企業から独立して、真に国民のための報道と番組を目指すべきもの。その内実を元社員の目を通して考

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「藤沢周平と司馬遼太郎」佐高信著

「藤沢周平と司馬遼太郎」佐高信著

「司馬遼太郎と藤沢周平・歴史と人間をどう読むか」佐高信著・光文社1999年6月発行

著者は1945年山形酒田市生まれ、高校教師、経済紙編集長を経て、辛辣評論家として有名である。

著者は、どちらかと言えば自分は池波正太郎派という。司馬遼太郎は商人であり、藤沢周平は農民。そして池波正太郎は職人であるという。商人と職人は対立しないが、商人に対立するのは農民である。

本書は、徹底的に司馬遼太郎を批判

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「ユダヤとアメリカ・揺れ動くイスラエルロビー」立山良治著

「ユダヤとアメリカ・揺れ動くイスラエルロビー」立山良治著

「ユダヤとアメリカ・揺れ動くイスラエルロビー」立山良治著・中公新書2016年6月発行。

著者は1947年生まれ、在イスラエル日本大使館調査官、国連パレスチナ難民救済事業機関職員を経て、現・防衛大学校名誉教授。国際政治学者、専門は中東現代政治論。

本書は、米国政治、外交において大きな力を持ち、会員数は10万人と言われる「イスラエルロビー」AIPAC(アイパック)アメリカ・イスラエル公共問題委員会

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「モノ言う株主」の株式市場原論・丸木強著

「モノ言う株主」の株式市場原論・丸木強著

「モノ言う株主の株式市場原論」丸木強著・中公新書ラクレ2024年5月発行

著者は1959年生まれ、野村證券入社、公債資金調達引受、IPOのアドバイザー業務担当、退職後「村上ファンド」創設メンバー、その後、アクティビストファンド㈱ストラジックキャピタル設立、代表取締役。

現在、日本の株式市場は大きく変わりつつある。2014年スチュアードコード(責任ある機関投資家の諸原則)、2015年コーポレート

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「三井大坂両替店・銀行業の先駆け、その技術と挑戦」萬代悠著

「三井大坂両替店・銀行業の先駆け、その技術と挑戦」萬代悠著

「三井大坂両替店・銀行業の先駆け、その技術と挑戦」萬代悠著・中公新書2024年2月発行

著者は1987年生まれ、公益財団法人三井文庫研究員。

三井大坂両替店は松阪商人・三井高利が1674年、52歳の時、江戸で呉服小売業を開業。「店前売り」(たなさきうり)「現金掛け値なし」のキャッチフレーズで始めた。この手法は高利の親戚「伊豆蔵」が先に試行したと言われる。

元禄4年(1691年)呉服大坂店の隣

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「経済学の思考軸・効率か公平かのジレンマ」小塩隆士著

「経済学の思考軸・効率か公平かのジレンマ」小塩隆士著

「経済学の思考軸・効率か公平かのジレンマ」小塩隆士著・ちくま新書2024年5月発行

著者は1960年生まれ、経済企画庁入省11年間勤務を経て、現一橋大学経済研究所特任教授。「高校生のための経済学入門」などの著書がある。

経済学は与えられた制約ある資源の中でどうやりくりするかを考え、解決しようとする学問である。それは一部では一般的な発想からズレている場合もある。

実際にズレているのか?いないの

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「それでもなぜ、トランプは支持されるのか?」会田弘継著

「それでもなぜ、トランプは支持されるのか?」会田弘継著

「それでもなぜ、トランプは支持されるのか・アメリカ地殻変動の思想史」会田弘継著・東洋経済新報社2024年7月発行

著者は1951年生まれ、共同通信社ワシントン支局長、論説委員長歴任。現在、青山学院大学教授、関西大学客員教授。ジャーナリスト、思想家「トランプ現象とアメリカ保守思想」などの著書がある。

著者は「トランプは病因ではない、病状なのだ」と言う。原因でなく、結果である。トランプ現象は現在の

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「ガザ日記・ジェノサイドの記録」アーティフ・アブー・サイフ著

「ガザ日記・ジェノサイドの記録」アーティフ・アブー・サイフ著

「ガザ日記・ジェノサイドの記録」アーティフ・アブー・サイフ著・地平社2024年5月発行

著者は1973年ガザ地区ジャバリア難民キャンプで生まれる。ブラッドフォード大学で修士号、欧州大学院で社会科学博士号取得、西岸地区に居住する小説家。2019年よりパレスチナ自治政府文化大臣。

本書は、著者が15歳の息子を連れて、ガザ地区に住む親戚を訪問中にイスラエルの爆撃が始まり10月7日以降、3ケ月近くガザ

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「海鳴りの底から」堀田善衛著

「海鳴りの底から」堀田善衛著

「海鳴りの底から」堀田善衛著・朝日文庫1993年6月発行

著者は1918年富山県生まれ、戦前、中国国民党宣伝部に徴用された経験から作家デビュー、「広場の孤独」芥川賞受賞。スペイン内戦から国際的な民族問題に関心を持つ作家。「海鳴りの底から」「方丈記私記」の作品がある。1998年脳梗塞で80歳死去した。

本書は、1637年(寛永14年)10月25日、天草、島原一帯で百姓一揆が勃発。その後、老若男女

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