愛犬三代目


はじめて「自分の犬」をお迎えしたのは

2001年のことだった。「初めて自分の犬」というのは、12歳まで預けられていた祖父母の家では、スタンダードプードルを飼っていた。私が10歳ぐらいでやってきたその犬は、あまり私に懐かなかった。構いたくて構いたくてしかたなかったそのころ、鼻の頭をガブリと噛まれた。また、廊下に置いていたリュックサックの上におしっこをかけられたこともある。これはもう絶対「故意」と私は確信している。なので、自分の犬を飼う段階になり、選択肢のなかに「プードル」の文字はなかった。

当時は、気管の弱い家族がいて、車ももっていなかったので、私の移動手段は、「自転車」。しかも、東京と岡山の往復の生活をしていたので、新幹線持ち込みに負担にならない3キロ以内の犬しか選択できなかった。つまり、プードルかヨークシャーテリア。ただし、前述の事情によりプードルは却下。残るはヨークシャーテリアのみ。犬種を選ぶことはできなかったのだ。

はじめてお迎えした仔は、信じられないぐらい賢い仔だった。

家の者がいうだけでなく、あの仔を知っている人たちは、みな口を揃えてそう言ってくれた。だから親ばかではないと確信している。最初の仔があまりにも頭がよかったため、二番目の仔がやたら出来が悪く思えた。最初の仔が犬の毛皮を被った人間のようにさえ思えたので、二番目の仔はきっとこれが本当の「犬」なんだろうなぁと思った。

そして、本題の「るな」。この仔は「三代目」だった。「犬には違いない」。かなりおてんばな仔だと思う。なんど育児放棄をしたくなったことか。るなが調教されたのか、わたしがされたのかわからないが、とにかく、今は共存している。おてんばなわりに4歳ごろから、お腹を壊しやすくなった。パテラに白内障、歯周炎と初代や二代目が10歳を過ぎてかかるような病気に早々となってくれた。見かけによらず、繊細なのか?「おてんばな仔」なので、「もう知らん!」と突き放してひとりぼっちにすることも多い。本当は寂しくて寂しくて仕方ないのだと思う。ときどき、もう一匹お迎えしようかな?と心揺れる。

今年5歳になり、少し聞き分けもよくなってきたるな。

最近は、禁断のプードルが気になっている。るなが6か月までいたペットショップで、仲が良かった犬がアプリコットのトイプードルだった。我が家に来たとき、アプリコットのトイプーを見ると傍に行きたがったるな。もう一匹お迎えするか否か、自分の年齢と相談中。

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