私にとってのコビット19

〔目次〕
1.まえがき
2.総論と現状認識
3.今後
※本文章では新型コロナウイルスという言葉を使用せずコビット19と記載してある。それはコロナウイルスの多様性と新型という言葉が「いつの新型か。」となることが目に見えているからである。

1.まえがき
 2020年初頭から世界を蹂躙してきたコビット19による肺炎症で多くの方が亡くなられた。亡くなられた方の無念さを思うととてもつらい。まずはじめに心よりご冥福をお祈りしたい。

 また、特に持病持ちや病気療養中の方の致死率が高いようで私のような2世帯同居家族、両親ともに持病持ち(特に父親は免疫系の難病で肺を始め多数の内臓疾患有)の家庭は神経質にならざるを得ない。経済的にも私の運営している飲食店は完全自粛、その他の事業も開店休業状態であり、とてもつらい日々が続いている。しかし、個人的なことだが、妻娘息子と過ごす時間が長く、それ自体はとても素敵で幸せな時間であり、私は心おだやかに過ごすことができている。本当に感謝のほかない。

 テレビをはじめ新聞やツイッターなどのマスメディアでは日々さもそれが一般論で当たり前かのごとく他人を攻撃するような情報が飛び交い、また医療や保健所、スーパーやホームセンター、それに関わる流通業などに負担を強いる状況が続いている。人それぞれが置かれた環境には違いがあり、行動には温度差があると言うことは紛れもない事実で、まずはそれを認め合うことが重要ではないだろうか。それが共生の基礎ではないだろうか。
 ニュージーランドのアーダーン首相が国民に呼びかけた「Be strong but be kindness」の精神構造はとても重要である。各個人が決して感情論ではなく事実ベースでコビット19のこと考え、対応を判断し、他人の判断も尊重できるような人間になりたいと強く思う。

 ツイッター上では日本の英知が集う政府や議会が懸命に対応しているのだから従うべきだと言うような発言も散見されるが私は決してそうは思わない。人権や人間性を担保するためには各個人が意識を強く持ち、なおかつそれが尊重されるべきであることは疑いがなく、決して思考停止に陥るべきではない。

 「新しい生活様式」といった提言がなされているがこれほど人を馬鹿にした提言はない。私が欲しいのは私の頭で考えるための情報やその判断基準であって、だれかに指図される行動指針では消してない。「新しい生活様式」ではなく「接触感染及び飛沫感染を防ぐための行動指針」。と改名し、個々人で自分の判断に落とし込む作業をするくらいのものである。はっきり言うが余計なおせっかいだ。

 まえがきが少し長くなってしまったが、上記の理由から私は「個人的見解」というものを擁護するし、私の個人的見解もここに明確にしようと思い文章をまとめることにした。
ぜひご一読頂き、またご意見を賜り、共に考え、このコビット19危機を乗り越えて行けたらと切に願う。

2.総論と現状認識
コビット19に対する世界の対応は3種類に大別できる。
①スウェーデン方式
②ニュージーランド・台湾・韓国方式
③欧米諸国及び日本方式
 なお、先に書いておかなければならないのは、政治やウイルスがどうであろうと、人間の英知には可能性があり、ワクチンやその他の医療技術によりこの危機が一斉に解消しうる可能性があると言うことだ。そうなることを切に願っている。

〔絶対日本で採用されないスウェーデン方式〕
①スウェーデン方式とはいわゆる集団免疫獲得による生存戦略だ。かなり合理的ではあるが非人間的な側面が強い。簡単に言ってしまうと「感染して亡くなる人もいるが、それは仕方がない。生き残った人達が今より幸せに暮らせるように頑張ろう。」といった戦略である。かなりの暴論だが、感染して亡くなっている人は高齢者が多く、逆に若い世代は軽症で済んでしまうことが多いというところが事実だから、国の将来を見渡すと合理的判断で、コビット19危機を最初にのりきるのはスウェーデンであることは間違いない。ひとことで「人間的ではない。」と言ってしまえるし、逆にそれを決断するときに「スウェーデンの政治がどれだけの勇気と信頼の委託を見せたか。」という賛美を送ることもできる。日本では政治不信と人口ピラミッドの偏りにより、けして採用されることがない方式である。

〔今の日本ではできないニュージーランド・台湾・韓国方式〕
②ニュージーランド・台湾・韓国方式とは徹底した封じ込め戦略のことだ。まず持ち込まない。もし感染者が出た場合早期に対応し感染を広げない。慎重な国境線をもち厳重な管理または国民の総意がある場合にかぎり採用することができる方式だ。将来にわたり自国のみで経済をある程度まわすことができる国であることも条件の一つだろう。日本でもできる条件はそれっていると思われるが、この方式も「政治の決断と信任」が不可欠であり、今の日本ではできないだろう。

〔日本が流れ着いた方式〕
③欧米諸国及び日本は感染者数と経済をコントロールしながらコビット19
に立ち向かうという方式だ。「医療崩壊」と「経済破綻」を天秤にかけた綱渡りの政策であり、また、長期間の戦いが予想されるもっとも過酷で困難な方式と言わざるを得ない。欧米諸国は1度感染爆発を起こした国が多く、日本より意見をまとめやすい状態にあるが、幸運なことではあるのだが、日本は欧米諸国の現状を見たうえで、国民の空気に合わせて対策を打っており、後手後手な感が否めない。

 欧米諸国では①や②の方式に転換する国も出てくるだろうし、また第4の方式が生まれるかもしれないが、現状、日本が③から動く気配はない。それどころか「政治からの発信で決断する。」気配がないことが日本の現状と言えるのではないだろうか。

3.今後
 先日5月4日、5月7日まで日本全国に緊急事態宣言が出されている中、5月8日からの緊急事態宣言の延長の方針が固まり、個人的には恐れていた方向性で困惑している。自粛するのであれば、しっかり自粛してしっかり効果を得て解除となって欲しかった。次に恐れていることは自粛づかれや緩和によって感染が急激に広まり、再度緊急事態宣言が出されるという事態に陥ることだ。そうなれば私の経済的な破綻がかなり現実味を帯びてきてしまう。もしそうなればすべての事業をたたみ、再スタートを切るだけなのでそこまで悲観もしていないが、思い入れのある活動ばかりである。切ない気持はぬぐえないだろう。

 この政治の会見で最も残念であったことは「基準を設ける政治判断」ができなかったことだ。それを受けて大阪府の吉村知事が独自の基準を発表したが、とても分かりやすくて実効性のある発表だった。これを受けて個人的な判断基準も作っていたが、現在再検討している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?