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 オーベルシュタインと言う男:アニメ、銀河英雄伝説ノイエ版

2022年の正月に、銀河英雄伝説のノイエ版のアニメがユーチューブにアップ!
制作元のプロダクションIGの公式無料公開だ!
TV放送してたときは途中からだったので、初めから見てみる。

第三話にして、オーベルシュタイン登場!(゚∀゚)

パウル フォン オーベルシュタイン
ラインハルト陣営の、参謀長になる男。
イケイケの将軍ぞろいのラインハルト陣営において、珍しく知を担当する。

ところが参謀と言っても、ボスのラインハルトの作戦立案能力が高すぎて、そういうものはいらん。
では何をするのか?
帝国の宮廷工作など、政治の駆け引き担当の参謀である。

旧アニメでは、年齢的にかなりのおっさん描写。


ところがノイエ版では、かなり若い


そして髪型が最新のヘアースタイルになってる。
オシャレだ



銀英伝を見た人は、忘れられない男なのである。
なぜか?
それはラインハルトが建国する新しい帝国を作るための、原則やルールを提案してくるのだが、公平、公正にして持続可能な立派な案をもってくるのである。
何だ有能じゃん!
話の頭を聞くとそう思うのだが、結果をみると愕然としてしまう

猿の手」という寓話を、ご存じだろうか?
猿の手と握手して願い事を口にすると、必ずかなう。
しかしながら、本人にとって最悪の形で願いが叶うバッドアイテムである。

例えば、「お金持ちにしてください」と願うと、ホントに大金が転がり込んでくる。
そのかわり愛する両親や妻や子供の死によって、生命保険で儲かりましたみたいな。
「いや、そんな不利益を被るなら、お金いらないです!」と思うような形で、願いがかなう。

オーベルシュタインは猿の手みたいな人物なのである。
彼の提案を採用すると、ラインハルトにとって、最悪な形で実行される。

例えば・・・
「帝国にno.2はいりません!
ボスの下に、対等な直属の部下が大勢いればいいんです。」

とか言い出す。

副官、つまりno.2を務めていたキルヒアイスは、ラインハルトの護衛として、彼だけ銃の携帯を認められていた。(ラインハルトに襲い掛かってくる敵を迎撃するため)
しかしno.2不要論を採用するとこれはダメという話になって、彼から会見の場での銃の所持を禁止する。
そしたら、やっつけた敵の総大将の部下が、ラインハルトと会見(ワシの部下にならんか?みたいなスカウトの場ね。)するときに
従うフリをして、暗殺を仕掛ける。

 普段ならキルヒアイスが銃で一撃で仕留めて無事で済むところを、銃の所持を禁止していた。
ゆえに射殺できず、やむなく体を張って止めにいって、主を守る代わりに、キルヒアイスは命を落とす。

「はい、no.2不要論を採用したら、さっそくno.2が死にました。
二度とキルヒアイス君、no.2に復帰できません。
もうラインハルトの部下の皆さん、確実に公平に扱われますよ!」

みたいな展開になる。

 ラインハルトの陣営大打撃、ボスへこんで、指揮がとれなくなる。
現帝国を叩き潰す権力闘争の真っただ中で、ここで立ち止まってたら負けてしまい、滅亡しかねない危機に陥る。

 またあるときは、ラインハルトが帝国の皇帝になったあと、帝国内で反乱がおきる。
オーベルシュタインは、「帝国の大事は、必ず皇帝にすみやかに報告しなければならない」と考えた。
 政治の世界では偉い人が寝てるとか、妻とエッチ中とか、緊急の案件でも、ボスの耳に入れずらい時もある。
しかし原則を重んじるオーベルシュタインは、そういうことを認めない。
反乱は速やかに鎮圧しないと、帝国の存亡にかかわる大事である。
迷わず、すみやかに報告した。

・・・ラインハルトが、ヒルダと結婚式を挙げている最中に。
一同から突っ込みが入る。

「おいおい結婚式の最中くらい、あとでいいだろう」
「そうだそうだ、第一大した規模の反乱じゃねーだろ、それ」

しかしオーベルシュタインはブレない。
「やかましい!!反乱は国家の大事である。規模の大小を判断するのは、臣下の仕事ではない。主がすることだ。私は臣下として、忠実にすみやかに皇帝に報告するだけだ!!」
 みたいなことを言って、平然とつっぱねる。

ラインハルトもそういう性格を熟知してるし、そういうふるまいが長期的に自分のためになることを心底理解しているので、嫌な顔ひとつせず、冷静に対処する。

 周りが、「何だこいつ」と思う中、二人だけ、淡々と対応する。
この部下にして、この主ありである。

・・・ちなみに、マジで大したことない小規模の反乱の対応ね。(笑)

オーベルシュタインは、クソ野郎ではない。
それは他に山ほど出てくる。
有能だ。
しかし面白みがなく、陰気で、そしてツカンポだ。
疫病神とか、不運の神に取りつかれたような、人物なのである。

今回のアニメでは、ビジュアル若くて、ヘアスタイルもかっこいいのだが、出演すればするほど、暗ーい感じがでているので、ホッとした。

オーベルシュタインは、嫌われ役であり、根暗キャラである。
明るく、爽やかになったら、オーベルシュタインではない。
誰も見ないわ、そんな銀英伝。

見事、表情と、声優さんのしゃべくりで、オーベルシュタインをしていた。

見てみて!この陰気な目つき、表情。(笑)

ちなみにラインハルト陣営は、基本こんな感じの陣営です。

キルヒアイス&ラインハルト。

ロイエンタール。


 ミッターマイヤー。

その他の提督。(将軍たち)

軍人さんの集まりなので、基本は体力優秀のリア充集団
この中で一人だけ、陰気なキモいおっさんがいるのが、オーベルシュタインなのである。
演出論的にオーベルシュタインが爽やかになったらもう、銀河英雄伝説じゃないから。

 まあ新版のアニメは、ちゃんと作っているようです。

「AにはAの役割があり、BにはBの役割と言うものがあるのです。
私は新版のアニメでも、それを忠実に果たすまでのこと。」

以上。

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