第三世代の麻雀 :ネットの麻雀

 麻雀愛好家は今日さまざまな形の麻雀と接する。多くの人は断片的に理解している。そして全てをまるっと理解している人もいるが、それはまだ少数派である。ゆえに皆様の理解を促すため、私の方で文章にまとめたい。

 私は現在の麻雀は「手積みの麻雀」、「全自動麻雀卓の麻雀」、そして「ネットの麻雀」と大きくわけで3種類あると考える。

そして手積みの麻雀を第一世代の麻雀。

全自動麻雀卓の麻雀を第二世代の麻雀。

ネットの麻雀を第三世代の麻雀と定義する。

プレイ時間、ゲームの公正さの担保、体力の消耗、牌譜などについて主に論じたい。


第一世代

手積みの麻雀

仲間内で集まって、誰かの部屋で打つことが多い。

フィクションの作品だと小説は麻雀放浪記、コミックだとショーイチなどに描かれている。

 普通は巻いて収納できるロール式のマットを卓として、1組の牌を使ってプレイすることが多い。ときどき専用のテーブルを持っている人もいる。昔はコタツの裏が家庭内麻雀に対応していて、コタツのテーブルを引っくり返すと雀卓として使えるよう、緑の柔らかい生地にヘリが高くなっているものもあった。

 特徴は1局ごとに手で牌を裏返して混ぜる(洗牌)際に、悪意を持つと積んだ山に好きな牌を仕込んで優位にプレイする各種不正、いわゆるイカサマをする余地があること。いわゆる積み込み。

ツモ筋に欲しい牌を仕込んだり(元禄積み)、配牌にドラや3元牌がたくさんくるようにしたり(爆弾)、山の端っこに欲しい牌を固めて置いておいて手牌の要らない牌と交換(ぶっこ抜き)したりすることができた。


第二世代

全自動麻雀卓の麻雀

フリー雀荘で打つのが主流。卓を個人で買う人もいる。いわゆる「リアルで打つ」

最大の特徴は、2組みの麻雀牌のセットを使用して交互に使う。

対局中に機械がもう1組の麻雀牌をシャッフルして、次の局をすぐプレイできるように積んでおいてくれる。

このことにより、第一に局と局との間の時間、半荘1ゲームあたりの時間が大幅に短縮できる。同じ時間ならより多くのゲームができるようになった。ゲームの進行が早くなるのである。

 第二に洗牌と山を積む作業を機械が行い、人間の手を使わないので山に対する不正ができなくなる。公正な勝負を提供してくれるのである。麻雀愛好家が安心してプレイできるようになった。

ただし通しサインやコンビ打ち、牌交換系の不正の余地はある。

あとはリアルで打つ際、鳴きたい牌は前もって決めておかないと鳴けない。サクサク打つのが基本であり、マナーであり、成績向上の基本である。チンタラ打っていると煽られることもある。人と人とが顔を合わせて打つので気遣いや配慮は大事。


ちなみに私が初めて全自動麻雀卓を見たのは、中学生のときに通っていた学習塾の講師のM氏が麻雀にハマって中古で購入して、職場に持ち込んでいたものである。(笑)

仕事のあとで先生同士で対局していた。私が初めて全自動麻雀卓でプレイしたのは中3の受験が終わったあと、その学習塾で、1ゲームだけ打たせてもらったことがある。受験終わってお別れ会的なイベントだったと思う 。私はいったいどこで全自動麻雀卓デビューしているのだ??

チンチロリンも哭きの竜も、その先生の講義の中の雑談で教わった。(笑)

しかしゆうせーさんといい、雀ゴロK(喜多龍司)氏といい、塾講師やる人は麻雀が好きなのか?このM氏は大学生のバイトとして講師をしていたが、すごいノリノリで適正もあり、人生の早い時期で天職であることに気づき、卒業後も塾講師になり、大手学習塾でカリスマ講師を務めたあと、愛知県で独立して、複数の学習塾の支店を作って経営している。担当は英語、今も昔も「Where there is a will,there is a way:意思あるところに道は開ける」 という言葉を大事にしている。


第三世代

インターネットの麻雀

初期は麻雀格闘倶楽部、MJなどゲーセンで広まった。現在では天鳳が大手、主流。

いわゆる「ネットで打つ」

 コンピューター管理の元、インターネットに繋がって対局できる。

特徴はツモったり、切ったりするのに手を伸ばさなくていいこと。上家さんが牌をクリックして切ると0.1秒後には河に並び、さらに0.1秒後にはツモっている。このことにより、体力的にすごく楽になる。いちいち対面まで手を伸ばして戻さなくて良い。捨てる牌も河に手を伸ばさなくてよい。

そして時間の短縮になる。「手を伸ばし、戻す」が、「1~2クリック」で終了。1ゲームあたりの時間がさらに短縮され、同じ時間プレイしたらさらに数を打てる。恐ろしいことに1手あたりの思考の時間をリアルよりかけても、1局あたりの時間はネットのほうが早く回すことも可能だ。そしてデジタル管理なので鳴ける可能性のある場合は、全て鳴くか鳴かないか数秒~10数秒考えることが出来る。サクサク回しながら、熟考闘牌が可能。

 ネットに繋がっているので、対戦相手が1ヶ所(雀荘とか試合会場)に移動して集まらなくても在宅でプレイできる。つまり移動にかかる時間がゼロ。体力消費もゼロ。費用もゼロ。

 デジタル管理なのでプレイヤーは牌に触れない。つまり交換系の不正もできなくなるので、さらに公正な対局ができる。ただしコンビ打ちはできる。

 いわゆるアナログ読み、たとえば表情を見て読みの材料に加えることはできない。どこで長考したかで読みを入れることも難しい。

考えて長考したのか、コーヒーこぼして長考したのか、同時に2画面起動でツイッターを眺めながらマルチタスクでプレイして摸打が遅れたのか、あるいはアマゾンの宅配便の応対をしていたのかが、目の届くところに他プレイヤーがいないのでわからないのである。同じ空間にいないので理性を磨かないと他プレイヤーの配慮が心から消え去りやすい。精神的にはすっごくラク。

 ネットの対局は、牌譜も自動で取ってもらえる。(参加する媒体によっては有料、微課金)今までの対局が適正かどうか自分ですぐにチェックできる。第一~第二世代の麻雀までは摸打の善し悪しが自分でチェックできなかった。つまり他プレイヤーの配牌とツモが、分からないのである。ネットの対局は闇テンに刺さった時に、場をみて回避可能だったか、それとも今テンで捨て牌みても回避不能だったかが完璧にわかる。

反面、マウスやキーボードやタッチパネルを操作すれば対局できるので牌サバきが退化することもある。(笑)

あとリアルの麻雀にある、人が集まるガヤガヤ感や牌をつまむ楽しみは無くなる。

一昔前までは、牌を扱う手つきでだいたい雀力が測れたものだが…。今は全然関係ない時代に突入しました。

結論としては、

1ゲームあたりのプレイ時間は、世代が新しくなるごとに早くなる。

ゲームの公正さも、世代が新しくなるごとに良くなる。不正しづらくなる。

体力の消耗も、世代が進むごとに負担が減る。

牌譜は第三世代から自動で手に入り、低コストで入手、確認しやすくなる。

 そして牌サバきは、世代が上がるごとになまる恐れがある。(機械やコンピューターに代行させているため)

 ネットの麻雀に限り、リアルで打つ際の鳴きの判断が落ちる恐れがある。


つまり多少の弊害はあるが、害より益のほうが多い。

ゆえに麻雀愛好家としてプレイを定期的に続ける人生を送るのであればプロアマ問わず、より進んだ世代の麻雀を、ネットの麻雀を取り入れる必要がある。

ただしあくまで「取り入れる」です、「すべてを置き換える」とは限りません。

1日における、1週間における、1ヶ月における麻雀に費やす時間が短縮できるのです。その分人生のほかのことに時間を費やすこともできるし、浮いた時間を麻雀に再投入してさらに楽しんだり、腕を磨くこともできる。ワークライフバランス、ワークマージャンバランスをとりやすくなる。

そうなるとたとえば競技プロの人が「時間がないから、ネットのマージャンは無理」という発言をときどきみうけられますが、本当に適切なのでしょうか?

時間が無ければネットの闘牌には、長時間費やせないかもしれません。でも時間がないからこそトレーニング的な対局、私的な対局は週に1ゲームでも2ゲームでも4ゲームでも、とりいれるべきではないでしょうか?

時間も体力も少なめで済みますし、牌譜機能があるのでフォームや押し引きのチェックも容易にできます。週に1ゲームもそういう時間を持てない人が、そもそもマージャンのプロとして機能するのでしょうか??リアルで何ゲーム打っても押し引きや対応が適切か否か、相手の手牌やツモが見えないのでいつまでたってもわかりません。

忙しいから打つ暇がないとおっしゃる、競技麻雀プロの方は足りていないのは「時間」ではなく、「理解」かもしれません。

時間がないから、打たないではない。

時間がないから、効果的にツールを使用すべきなのです。

 そしてプロ、アマ問わず、基本麻雀は「ゲーム」ですのでプレイ時間と金銭的な費用の管理は、くれぐれも計画的にすることをおすすめします。

 以上。

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