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高名の木登りと、ウラジミール プーチン

日本の古典、徒然草の一節。高名の木登り。
著者の吉田兼好は大変頭がよく、のちに天皇の子供の頃の家庭教師を務めたこともある人である。
日本のアリストテレス?

住まいのある京都に、高名な木のぼりがやってきた。
弟子に高い木に登らせる。
目がくらむくらい高いところのいるときに、どんなふうに声をかけるのかな?と思ってみていたら、高名のきのぼり、だまったまま。
そしてもうすこしで地面につくころになると、「失敗しない様に、注意して降りて!」と声をかけた。
降りた後に兼好さん、聞いてみる。
なんで高いところにお弟子さんがいるときに、声をかけなかったんですか?
木登りいわく、
「目がくらむくらい高いところにいるときは、
恐怖心がすごいので丁寧に上ります。
ゆえに失敗する人なんかいないんですよ。」
「しかしながらあと少しで地面につきそうになると、油断して飛び降りてケガすることがあるのです」と。
今で言うと「1メートルが、1命取る。」見たいのことを語った。

ここまでが日本の古典。


これからは私の解釈。

権力と言うものは、木のようなものである。
誰もが権力の木の頂上に登ることを望み、それが一番難しい事であると考える。
しかし、もっとも難しいのは、権力の頂点に上り詰めることではない。
そうではなく、真に難しいのは権力という木の頂点に登りつめたあとに、無事に降りることである。

ウラジミールプーチン氏は、ロシアの政治権力の頂点に登りつめた。
柔道の黒帯が、小よく大を制す。
柔よく剛を制すで、超大国アメリカと渡り合っている。

しかし彼が真に発揮すべき柔道スキルは、受け身であると私は考える。
権力の頂点にたったあと、大統領の職から離れても無事に生き残る。
試合場の畳から降りても、無事に帰る事。
それこそが彼にとって最も難しく、達成しないと困る事ではないのだろうか?

2022年8月現在、彼はまだ大統領の座から無事に降りていない。
ウクライナ戦争の、真っただ中である。

彼は生き延びることができるか?

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