[02] present(ダニエルとテオ)
「お誕生日おめでとうございます。テオ」
「あ、ありがとうございます。ここ最近は家族の次に先輩が先に言ってくれますね」
へへ、と照れるようにテオが話すと、ダニエルは紙袋から魔法学校の女学生服を取り出した。
「わっ!?こ、こんなの要らないですってば!お返しします!」
テオは拒否してダニエルに返そうとすると。折りたたまれた制服から、何かが落ちて――魔力で浮いていた。それは…もう一つの小さな黒の紙袋だった。
「あ…えっとこれは?」
「お誕生日ですから、それを貴方に。ああ、その女学生の服は俺のなんで、返してもらいますよ」
「え!?先輩、着てたんですか!?……いや着てましたよね。購買のパンを値下げして欲しかったんですし…」
「よく覚えていますね。とにかくそれは貴方にあげますよ」
といってダニエルはさっさと去ってしまった。残されたテオは紙袋の中を覗くとメッセージカードと包装されたプレゼント箱があった。
メッセージカードには、綺麗な文字で記されたダニエルからの誕生日を祝う言葉、プレゼントの中身は――ダニエルと似たカジュアルな服だった。
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