日記(2022/12/05)

バスに乗っていたら「閉店セール 50〜30」と窓に書いているお店があって、なんの数字だよ。と思った。街の中にわからない部分があることがすごく憎い日とすごく嬉しい日があって、今日は憎い日ほうの日ね、と確認ができた。冬は近づいてくるとき足音がしなくて、みんなに嫌われている

もしも私が本を出せるような日があったら、本だけでいい、タイムスリップさせて、小学生のころのクラスの学級文庫へそっと加えたい。それで、ほかの本とおんなじように いくつかのページを破って欲しい 朝の読書の時間をやり過ごすためだけに手に取られ、読まれもせず頁を捲られ、たまに爪なんかひっかけたりして破って。可愛いキャラクターの書かれた鉛筆で汚れをつけられるのでもいいよ。自分が誰にも読まれ得ない存在であったということ、もう一度ちゃんと目で見てみたい。こういう日々があったから私はことばを今、つくれるんだ、って再認識させて欲しい。いま、傷込みで自分のことをすこし大切に思えてきたから

手が冷たい。嫌いにならないでくださいと口に出しかけてギリギリのところで踏みとどまった。気持ち悪いなあ

12月になってしまったけれど 充分だな。と思う、月が変わる度思う、充分だな、もう充分です、もうやめてください。毎回小さな声でそう言ってるんだけど、もしかして聞こえていないんだろうか そちらのほうが嬉しいのかも、わたし生き延びているんじゃなくて、忘れられてるんですよ。一旦信じてもらってもいいですか?

通学中、きょうも車窓から墓地が見えて、ああまただよ、とうんざりしてしまう。もう分かり合えない人たち、もう絶対にわたしの言葉を読んでもらうこともかなわないし、あなたに言葉をもらうこともかなわない ひとたち、寂しいよ、寂しいって毎日思ってます、もっとたくさんのこと教えて欲しいし たくさんのことを知って欲しいっていつも思ってるのに。責めないでよ 被害妄想ですか?これ そのつもりで書いています。

12月です。2022年、終わっちゃうけれど、また数字を、目に見えるかたちでささやかな永遠を奪われるけれど、生きていきましょうね、一緒に。一緒にですよ

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