2024/06/05 あるところにはあるなあ。無常である。

おはようございます。朝が来た。夜は去った。わいは猿や。プロゴルファー猿や。

もう何時に起きたかは難しい。いつのまにか起きた。いつの間にか眠っていつの間にか起きた。頭がくらくらしています。
起きてから、うんうんずんずん。ネタについて毎日考えているが妙案が浮かばない。これは危険である。精神に異常をきたして休業するパターンである。ある漫才の先輩が休業した時(その方はすでに復帰済み)に言っていたのは「おもしろいことが一つも思い浮かばなくなった」ということだ。もちろん私は生まれて一度も面白いことが思い浮かんだことは無いのだけども。おいこらたここら。
お笑いはつくづく生き物としておかしくないとできないことだと思う。多くのお笑い事務所ではライブのためにネタ見せをすることだろう。「ネタ見せ」は偉い人にネタを見せることである。見せて、改善案をもらったり評価が下されたりする。
「おもしろいものを持ってきて」と言われてうんうん唸って作って「これじゃないんだよな」と言われて「じゃあキミはこのランクね」という評価を毎月受けるのって普通の仕事じゃないですよ。そしてネタ見せは、事務所のご厚意で事務所内のものについては無料だが、世の中にはお金を払ってネタを見てもらうという恐ろしいものもある。

プロ野球選手も毎日(便宜上の意味で毎日ですよ。シーズン143試合、ポストシーズン、オープン戦もあるよ)、何打席か立ってその打席毎に評価されて1軍や2軍を往復する。お笑い以上に辛いかもしれない。その一方で、お給料はとてつもない。
高校時代、他校で同学年の選手がプロ野球選手になった。友達が同じチームだったことで情報がちょいちょい入る。その選手は1軍に出場することなく引退してしまったが、契約金は数千万円、高卒1年目で500万円はもらっていた。それはもうプロ野球選手になった瞬間に普通の人が10年20年で貰うお金が発生しているわけで、厳しい世界で耐えるための心の支えにはなるだろう。
お笑いはすごい。なにがすごいかって、基本的に若手ライブは出れば出るほど赤字になる。私はその中でも頑張ろうと思っているから続けているが、普通の感覚から言えば頭がおかしいことをしていると思う。お笑いを引退する人がいても私は「悪いことではない」といつも言っているのは、この点もそう話す理由になっている。

なんでこんなことを突然言い出したのか自分でもわからなくなったけども、日記の最後の方に関わるかもしれない。

ということで今日のライブは「きんぶら単独ライブ『vol.1』」である。お誘いをいただいた際、単独ライブだから当然お手伝いだけだろうと思っていたのだが、どうやら5分ほど漫才もやっていただきたいとのこと。はて?
19:30から開演するライブだが、16時集合だ。

昨日、ラジオの録音もできなかったから15時に公園に集まって録音してから会場へ向かう。すでに我々以外のメンバーは集合していた。13時から準備をしている。不思議だなあ。
漫才ライブってマイクが置いてあって、衣装を着て舞台に立てばなんとかなる簡単なものである。もちろん音響や照明、舞台装飾を豪華にするならば、それぞれにプロの方がいて、その方々の仕事は尊敬する。ただ、今回のライブは特に装飾などもしていなかったから、やっぱり入り時間が早いなあと思った。

ということでもろもろ役割分担をして、音響照明、コントもやるのでそのデハケなどもリハーサルをしようということになる。リハーサル開始。
きんぶらさんは、リハーサルで漫才もすべて通しておこなっていた。とんでもなく緊張しているのだなあと思った。
我々もその流れで、お客様のいない舞台に向かって漫才をやって、すべての演目が終了した。およそ1時間とちょっとだった。流れはこれでOKだなということで、開演まで待機する。

さあもうすぐ開演だなというところで、きゅーぴぃゆうきさんの様子がおかしい。何度も立ったり座ったり、服を着たり脱いだり。客席を見に行ったり戻って来たり。水を何リットルも飲んでいた。絵にかいたような緊張した人である。辞書の挿絵として使えそうである。
お客様もどんどん入って、爆音で出囃子が流れ、私が照明スイッチをONにした瞬間にライブが始まる。「どーもー」と大きな声できんぶらのお二人が登場する。オープニングトークなどもなく、ストロングスタイルの漫才単独ライブのスタートである。

えらい緊張していた。とんでもなく緊張していた。リハーサルでやっていたいくつかのネタをやっていない!緊張している!
後半に差し掛かると、時間を気にするあまりにどんどんネタをカットしている。もったいないよ!
単独ライブはそのコンビが主役なのだから、がんがんやりたいように延びるなら延ばせばいいと思う。会場には「○時を超えた場合は延長料金が○円かかります」と張り紙はあるが、単独ライブなんだから気にしなくていいのだ。金は払えばいい。自分たちの考える面白い漫才を自由にやれる単独ライブなんだから。ネタの出来や緊張は、そんなもん誰でも失敗することも緊張もするからどうでも良くて、用意していたものすべてを出し切れていないところは残念であった。
おいおい。先輩の単独ライブについて何を言ってるんだと思うだろう。私も思う。

それはもちろん、私ときんぶらさんの関係性もあるし、次回が11月に行われるということで今回の成功が次回の大成功につながるように、あとこんなもん誰も読んでないから言いたいように言わせてくださいな。

そんなわけで今日のライブは終了。事務所の社長さんも厳しいことは言いつつも「次回はこのように」とライブを通してきんぶらが成長するのを楽しみにしている様子であった。素晴らしい事務所さんじゃあないか。きんぶら、これにめげずに頑張れ!

終演後はちょいと打ち上げをしようということで、お酒を飲んで。二件目は地元の日暮里でということでタクシーに乗って到着。またお酒を飲んで。内臓に悪いな。でも今日はきんぶらの頑張りに乾杯である。
2時過ぎくらいにそろそろ終わろうということになる。私の帰路ときんぶら家が同じとのことで、どのような家か拝見する。
どえらかった。東京の持ち土地、持ち家ってそれだけで日本の上位半分の保有資産である。
持ち家がすごかった。3階建て屋上付きのビルが持ち家なのだそう。それで、諸事情あってご家族が家にいないから、このビルにきんぶらの二人だけで住んでいるらしい。いっや~~~すごいな。若手お笑いでは一番お金を持ってるわ、この人たち。
それでどうやら、この近所にもう一軒家を持っているらしい。えええええええええ。いやほんと、東京には約1400万人の人が住んでいるが、上位100万位には絶対入っている。
仮にこの二軒の土地を売れば、少し田舎に入って派手に遊ばなければ、死ぬまで働かなくていいだろう。うわ~~。お金ってあるところにはあるんだなあ。

前も話したが、我が実家も持ち家、持ち土地だがはっきり言って負の遺産である。広島の田舎の土地なんかね、土地の上に建っている家を取り壊すだけで赤字ですよ。これからさらに土地の値段が下がっていく。
一方東京、それも山手線駅そばの広域な土地があるって、いやまずいですよ。日暮里周辺はまだ開発しつくされていない、古い家もたくさんある場所だ。これから再開発をするとなればきんぶら家の資産価値はどんどん上がっていくだろう。

これまで、きんぶらさんが先輩であるにも関わらず、楽屋などでお笑い草にしていることを申し訳ないなあ失礼だなあなんて思いながらやっていた。そんなもん気にしなくてよかったのだと思った。だってお金持ちだもの。
私がいくらバカにしようが、きんぶらさんは天国までの食堂車付きの銀河鉄道、グリーン指定席を持っている。
こちとら、鈍行列車どころか自転車で地獄に向かって走っており、道中でこの葉っぱ食えるかな?いやこれ犬がしょんべん引っかけてんじゃねえか!なんて言いながらヒーコラやってるのだ。

いくらバカにしても罰は当たるまい。ということで、きんぶらさん。一生ついていきます。相続人は私でお願いします。

世の中は不公平だなと思いながら、4時過ぎに眠った。いや眠すぎる。

今日面白いと思ったことは「お金はあるところにはある。」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。