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投影日記

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美しいものも醜いものも。目に映る世界は自分を映す鏡。
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#自殺

いつもやさしい花

凍り付いていた時間が動き始めると、今と過去がつながって、分かってくることがある。 人と会った時に感じる見透かされそうな感じは、もしかしたら、友人が亡くなった時に感じた強い罪悪感からきているかもしれない、とふと思った。 たった1人の大事な友人が苦しんでいることに気付きもせずに、愛だの命は大切だのと子どもたちに説いていた自分なのだ。友人の自殺を知ったとき、自分を「偽善者」とののしった。善人ぶった自分が滑稽で夢や理想を放り出した。 今なら「誰にも分からなかったのだから」と客観

赤い魚、青い魚

パートナーのオッサンと僕の休みが合う日曜日の夜。 今夜も映画をみようかと誘ったら、オッサンは水草を買いに行きたいという。日中は家の中で過ごしていたので、少し外を歩きたい気がした。映画よりいいかも。夜の8時を過ぎていたけど、近所にある熱帯魚店へ歩いて行くことにした。 日曜の夜に限ったことではないのかもしれない。夜の熱帯魚店は、昼間とは違うなんとも言えない雰囲気がただよう。僕の頭の中では槇原敬之(マッキー)の歌が流れる。日曜のデートでスネてしまった「彼女」との熱帯魚店での思い