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詩のようなもの

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ときどき詩のようなものを書きます。絵や写真とともに、こころに形を与える作業の記録です。よかったらご覧ください。
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記事一覧

何度目かの目覚め

何度か目を覚ましたけれど 実はずっと眠っていた 生きてきたつもりだったけれど 実はフィクションだったり 半分息をしていない 自分に息を吹き込む 愕然とするけれど それもすべて僕なのだ 詩と写真:漠(ばく)

したいこと

いつか なにかを 誰かに ではなく、 いま これを 私に。 未来のために 誰かのために そういう生き方を手放して こころをイメージや言葉にしていく それが私のしたいこと こころをちゃんと感じ、 表現することの難しさを知っている 偽りの自分をかき分けて なまなましい核を取り出す時の感覚を知っている スピードを落とす必要がある 呼吸のテンポを落として 感覚とつながる必要がある そうして初めて、 本当に人とつながれる 詩と写真:漠

ヤモリ

沖縄にいるような 気分にさせてくれる 君はヤモリ 僕の家の守り神 ちょっと怖いけど 何も悪いことはしない 君はヤモリ 僕の家に住んでいる 今日もこの家のどこかで エモノを探す 君はヤモリ 僕の家を守っておくれ

不思議な葉っぱ

折れたパキラの葉を一枚 捨てずに水に挿してたら 白い根っこが生えてきた そのうち枯れると思ってたのに いつまでたっても枯れなくて とうとう根っこが生えてきた 葉っぱから根っこ 葉っぱから根っこ 葉っぱから根っこが生えてきた 不思議なことってあるもんだ 詩と写真: 漠(ばく)

いのちの変容

切り落とされた腕の元から 勢いよく伸びる新芽たち 光を求め、緑の手を伸ばす 春は変容の季節 これは投影 世界は自分を映す鏡 詩と写真: 漠(ばく) 写真題: 変容の季節

女は、男は、ゲイは

女は「男って」と言い 男は「女って」と言う ゲイは「男って」と言わないかわりに 「ノンケって」と言う 結局、自分と違うカテゴリの人たちを 単純化してとらえたいのだ 個人差など、あたかもないかのように 他人をカテゴリに当てはめて一般化する行為に セクシュアリティの差は、きっとない 偏見とか差別とか そこらじゅうにあふれてる そういう自分も同じ 女は、男は、ゲイは 詩と写真:漠(ばく)

大変なまいにち

いろんな人に会って くたくた プレッシャー感じて くたくた 説明しすぎて くったくた 急なさよならに あれれ 若草色のスカートに涙のあと あれれ 外に出なかった日に梅雨明け あれれれれ

海の青さは

海の青さは 空の青 空の青より 青くはなれない 僕の青さは 君の青 君の青より 青くはなれない 詩と写真:漠(ばく)

スパークル

こころから好きなものを 否定されて育ったら 自分にはどこか欠けた部分があると 思ったり感じたりするのは無理もない きらきら光る貝殻は 僕の欲しいもので必要なもの 子どもの僕に手渡して 好きなものを好きと感じていいんだよと言う スパークル スパークル ときめく気持ちは、本当に大切なもの 僕の一部をもう離さない 焦らなくていい as it is 落ち着いていく 価値があるとかないとかじゃない ただ、それがそうであるだけ 光る貝殻をギュッとにぎりしめる ゆっくりとし

ソバニ色

「よくやった」だなんてイライラする 一人でやれても意味がないんだ 勝手に死んじまいやがって 涙を吸ったティッシュを ひねりつぶして硬くして 君にぶつけてやる 「ごめん」と謝るぐらいなら 苦しいって言えよ 格好なんてつけるなよ ホントに悪いと思うなら ずっと俺のそばにいろ 俺が死ぬまでそばにいろ 詩と写真:漠(ばく) 今日、森の奥に住む上級魔法使いに会いに行った。 僕が覚えたての魔法「セキララ」を使うと、その人は隠れている感情に光をあて、痛みを共有する魔法「ソノヴァ

ひらり

風にゆれるワンピース おだやかで、やさしくて ふわりと風に舞う にわかに湧き上がるオソレ ひらりと身をかわす 赤はアネモネ 通りすぎる風にさようなら 詩と絵:漠(ばく)

あかし

子どもの頃からの空想ぐせは 私に鮮やかなイメージの力をくれた 残された暖かい羽毛は 空を飛んでいたあかし 詩と写真:漠(ばく)