エンプレス杯 レース展望と考察

今日から3月。徐々に暖かくなり、春の足音が聞こえてくる今日この頃です。

3月は、クラシック戦線も本格化し、各地で華やかさが増してくる時期ですが、古馬勢にとっても、春の大舞台を見据え、力を磨き合う大切な時期でもあります。

その歴戦の古馬牝馬による重賞「エンプレス杯」が、本日川崎にて行われます。3月に行われるのは、これが最後とあって、一抹の寂しさも感じますが、装い新たに、また来年からどのようなレースとして生まれ変わるのかという楽しみもあります。

寂しさと希望が同居する、本日のエンプレス杯を制するのはどの馬か

本日は、このレースを考察していきたいと思います。

エンプレス杯は、川崎の2100メートルという長距離の特殊条件で行われます。

川崎記念の時も触れましたが、川崎の2100メートルは、コーナーを6回回り、勝負どころの残り800メートル付近で一気にギアチェンジを要求され、そこからゴールまでトップスピードを持続させる我慢比べに耐えうる能力が要求される舞台になります。

実にギアチェンジ後、800メートル近く我慢比べを要求されるという、この条件を得意とするのが、ノーザンダンサー系です

過去3カ年の勝ち馬は

2022年 ショウナンナデシコ
(ノーザンダンサーの直仔ノーザンテーストのクロスを持つ)

2021年 マルシュロレーヌ
(母父ノーザンダンサー系のフレンチデピュティ)

2020年 アンデスクイーン
(父ノーザンダンサー系のタートルボウル)

すべてノーザンダンサーの影響力の強い馬であることが分かります。

ノーザンダンサー系は、そもそもヨーロッパの起伏の激しいコースで行われる中長距離のレースで、厳しい負荷のかかる道中をどれだけ我慢して、最後まで他の馬に先頭を譲らないかというレースで環境の中で生き残ってきた血脈。

そう考えると、究極の底力が試される環境で生き残ってきたということが言えるでしょうし、その高い底力が伝わった子孫が、そうしたタフな舞台に強いということもうなづけます。

さて、それでは、今回のメンバーの中でノーザンダンサー系の影響力が強い馬はどの馬か。

その点について見ていきたいと思います。

【注目馬① グランブリッジ】

グランブリッジは、昨年の関東オークスの優勝馬。当時のレースでは、2着のラブパイローや、その後の活躍目覚ましいスピーディキックなどを相手に、横綱相撲で完勝と言ってよい内容。既にこの舞台への適性を見せています。

グランブリッジに関しては、母父のダイワメジャーが、ノーザンダンサーの直仔であるノーザンテーストの影響力を強く受けたタイプ。

父方のシニスターミニスターから高いダート適性が受け継がれるとともに、母方のダイワメジャーから、底力が補完されて勝負根性が強化された、この舞台向きの血統構成であると見られます。

【注目馬② テリオスベル】

前走の川崎記念では、馬券圏内にあと一歩という惜しい内容

テリオスベルも、母父は、ノーザンダンサー系のクロフネ。

もともと中央でも中長距離戦を中心に使われてきましたが、交流重賞に出走するようになり、その力が一気に開花した印象です。

キズナ産駒は、キズナ自身の現役時代のイメージとは異なり、パワーを武器にダートの中距離戦で活躍する馬が多く見られます。

テリオスベルの場合は、キズナから、ダート上級条件で通用するパワーを受け継ぐとともに、母父のクロフネの系統から、厳しい展開になっても気持ちを切らさずに粘りとおすだけの気の強さ、底力を補完された血統構成と言え、こちらもこの舞台には適した血統と言えるでしょう。

以上、今回は、上記の2頭に注目しながらレースを楽しみたいと思います。

予想につきましては、ウマニティ地方競馬プロ予想MAXにて公開いたします。

ご覧いただけますと幸いです。


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