2023 兵庫チャンピオンシップ

ゴールデンウィークも中日となり、行楽地はにぎわいを見せていることでしょう。

競馬場もそのご多分にもれず、多くのファンの熱気に包まれている様子が伝わってきます。

この時期は、各地で重賞が行われますが、園田競馬場でもダートグレード、兵庫チャンピオンシップが開催されます。

来年からは1400メートルに距離が変更となり、時期も6月へと後ろ倒しになるということで、この条件で行われるのは今年が最後になります。

最後の兵庫チャンピオンシップを制するのはどの馬か。

今回は、このレースの分析を進めてまいりたいと思います。

【兵庫チャンピオンシップ 園田1870メートル】

兵庫チャンピオンシップは、園田競馬場の1870メートルで実施されるダートグレード

地方の3歳馬にとっては、経験することが少ない条件であり、例年中央勢の強さが際立つレースとなっています。

このレースは、血統の観点から見ていきたいと思います。

過去3カ年で馬券圏内に絡んだ馬の血統は

2022年
1着 ブリッッファング (父ホッコータルマエ キングマンボ系)
2着 ノットゥルノ (父ハーツクライ サンデーサイレンス系)
3着 コンシリエーレ (父ジオポンティ ストームバード系)

2021年
1着 リプレーザ (父リオンディーズ キングマンボ系)
2着 ゴットセレクション (父ノヴェリスト ブランドフォード系)
3着 ランスオブアース (父エピファネイア ロベルト系)

2020年
1着 バーナードループ (父ロードカナロア キングマンボ系)
2着 ダノンファラオ (父アメリカンファラオ ミスタープロスペクター系)
3着 サンデーミラージュ (父ディープインパクト サンデーサイレンス系)

ここ3年は、全てキングマンボ系が勝利しています。

3歳上級条件ともなれば、その世代のトップレベルの馬が集結することもあって、まず第一に、非常に高いスピード能力が要求されます。

加えて園田は小回りコース。それを踏まえると、園田の3歳重賞は、コーナーを器用に回りながら高いスピードを持続させなければならないという質の能力が求められるレースといえるでしょう。

その、「小回りコースを器用に立ち回り、且つ高いスピードを持続させる」という力が高いのがキングマンボ系です

中央の重賞などでも、内枠のキングマンボ系の好走が目立ったり、コーナーの多いコースにおいて、好走が目立つなど、キングマンボ系の産駒は、総じて器用なタイプが多いのが特徴

そして、特に代表種牡馬であるキングカメハメハは、ディープインパクトと双璧をなすほどの力を有し、中央のG1タイトルを数多く獲得したほどの、スピード伝達に長けた種牡馬

このことからも、小回りのスピード勝負には適した血統であるということができ、このレースでの相性の良さも納得できます。

そして、血統的にこのレースの特徴をもう1点挙げるとすれば、ストームバードの血を持つ馬が多いこと

過去3カ年でも

2022年
2着 ノットゥルノ 
3着 コンシリエーレ

2021年
3着 ランスオブアース

2020年
1着 バーナードループ 
2着 ダノンファラオ 

上記の7頭が、ストームバードの血を持っていました。

ストームバード系は、早熟傾向が強くて馬体の完成が早く、且つダートでトップレベルのスピードを伝える系統で、2,3歳戦で強さを発揮する産駒が多いのが特徴

世代のトップレベルの馬が集まるレースにおいては、そのスピード能力をフルに発揮できなければ戦えない舞台でもあり、そういう意味でもストームバード系の相性の良さもうなずけます。

では、それらを踏まえて、本日の注目馬を挙げたいと思います。

【注目馬① メイショウオーロラ】

今回のメンバーの中で、唯一の父キングマンボ系が、このメイショウオーロラ

2戦2勝でこの舞台に駒を進めてきましたが、注目したいのは前走の1勝クラス戦

不良馬場でスピードが出る馬場で、前走よりも一気に2秒近くタイムが縮まるスピードレースであったにもかかわらず、難なく2番手につけて快勝

スピードレースへの適性と能力の高さを見せるレースでした。

血統背景もあっており、ここでもよい勝負が期待できるのではないかと考えます。

【注目馬② ミトノオー】

血統的には母父方に、ストームバードの血を内包しています。

こちらも、前走中山の伏竜ステークスで、不良馬場でスピードの出るレースを逃げ切り

オープンということもあり、メンバー的にも、既に2勝を挙げているJRAのメンバーや、南関東3歳世代のトップホースの1頭であるヒーローコールなど、かなり強力なメンバーが揃っている中での快勝

力的には、今回の中でも最上位候補の1頭です。

今回は、牧調教師の愛弟子の木幡巧也騎手を降ろしてまで武豊騎手を確保してきたところに、勝負気配も感じます

こちらも有力な1頭でしょう

【注目馬③ キリンジ】

血統構成的に面白いのが、このキリンジ

父方にストームバードを内包し、母父はキングマンボ系のルーラーシップ

キングマンボ系とストームキャット系を併せ持つのは非常に魅力的な血統構成です。

初勝利までは時間がかかりましたが、近走は安定したレース運びで2連勝

こちらも前走は不良馬場でタイムの出る馬場でしたが、その前のレースから一気に2秒以上タイムを縮め、スピード競馬への適性を見せていました。

前走内容、血統構成の両面から、注目してみたい1頭です

今回は、以上3頭に注目してレースを楽しみたいと思います。

予想はウマニティにて公開いたします。

そちらもご覧いただけますと幸いです。

https://nar.umanity.jp/professional/



 

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