2023東京盃 レース分析と考察

10月に入り、やっと夏の暑さも和らいできた印象の今日この頃

先だっての凱旋門賞では、日本からただ1頭挑戦したスルーセブンシーズが4着と大健闘の走りで我々を楽しませてくれました。

もしかすると、大健闘というのは、勝ちに行った同馬にとってはふさわしくない言葉なのかもしれませんが、慣れない異国の地で自らの力を最大限出し切った姿には、心揺さぶられるものがありました。

まずは、無事に日本に帰ってきてくれることを願います。

さて、今週は、大井競馬場にてダートグレード2連戦が予定されておりますが、その第1弾、東京盃が本日は行われます。

本日は、このレースを分析してまいります

【東京盃 大井競馬場ダート1200メートル】

東京盃は、大井競馬場のダート1200メートルで行われます。

大井コースは、南関東のほかの競馬場に比べ、ラストの400メートル付近でグッと加速する切れの要素が要求されることの多いコース

加えて、スプリント戦では、トップレベルのスピードを最後まで持続させる力も合わせて要求されます。

さらに、上級条件になると、それだけのトップスピードを持つ強豪ぞろいになるが故、消耗戦でも競り負けないタフさも求められるという、言わば「切れ、スピード、タフさ」の3要素が総合的に求められるというのが、東京盃の特徴と言えるでしょう

ここで一つ、そのタフさにまつわるデータを挙げたいと思います。

2022年
1着 レッドルゼル 487キロ
2着 テイエムサウスダン 555キロ
3着 オーロラテソーロ 506キロ

2021年
1着 サクセスエナジー 539キロ
2着 リュウノユキナ 511キロ
3着 レッドルゼル 486キロ

2020年
1着 ジャスティン 489キロ
2着 ブルドックボス 520キロ
3着 コパノキッキング 494キロ

過去3カ年を見ても、実に500キロを超すような馬格のあるタイプが、毎年馬券に絡んでいることが分かります

人間のスプリント競争を考えてみても想像がつくように、ここではまさに筋肉隆々のスピード自慢タイプの馬に相性の良いことが見てとれます。

次に、このレースに相性の良い血統背景を考えていきたいと思います。

2022年
1着 レッドルゼル(父ロードカナロア 母父フレンチデピュティ)
【欧州キングマンボ系×米国ノーザンダンサー系】

2着 テイエムサウスダン(父サウスヴィグラス 母父Langfuhr)
【米国フォーティナイナー系×米国ノーザンダンサー系】

3着 オーロラテソーロ(父Malibu Moon 母父Not for Love)
【米国エーピーインディ系×米国ノーザンダンサー系】

2021年
1着 サクセスエナジー(父キンシャサノキセキ 母父ジャングルポケット)
【日本サンデーサイレンス系×欧州グレイソヴリン系】

2着 リュウノユキナ(父ヴァーミリアン 母父クロフネ)
【欧州キングマンボ系×米国ノーザンダンサー系】

3着 レッドルゼル(父ロードカナロア 母父フレンチデピュティ)
【欧州キングマンボ系×米国ノーザンダンサー系】

2020年
1着 ジャスティン(父オルフェーヴル 母父Gone West)
【日本サンデーサイレンス系×米国ミスタープロスペクター系】

2着 ブルドックボス(父ダイワメジャー 母父デインヒル)
【日本サンデーサイレンス系×欧州ノーザンダンサー系】

3着 コパノキッキング(父Spring At Last 母父ゴールドヘイロー)
【米国ノーザンダンサー系×日本サンデーサイレンス系】

まず注目したいのは、母父ノーザンダンサー系の優位性

ノーザンダンサー系は、底力に優れるとともに、ノーザンダンサー系の中でもフレンチデピュティ、ダンチヒといった血統は、特にスピードを強化する傾向があります。

芝志向の切れ味に、母父側でスピード、タフさが強化される配合は、この舞台に向く血統構成と言えそうです

続いて注目したいのは、ミスタープロスペクター系の活躍

こちらも毎年連対馬を出している血統

キングマンボ、フォーティナイナーは、遡るとミスタープロスペクターに行きつく血統であり、大きく捉えると、ミスタープロスぺクター系もこの舞台とは相性がよさそうです。

同系統は、主に中距離でのスピード持続比べで威力を発揮する傾向を強く持ちますが、それと同様に、ダート競馬における直線の伸びが要求されるレースも得意とする傾向にあります

東京盃は、切れの要素も求められる舞台であるが故、同系統のストロングポイントが活きる舞台であるとも言えそうです。

それを踏まえ、今回の注目馬を挙げたいと思います

【注目馬① ドンフランキー】

実に580キロ台という雄大な馬格を持つ同馬

今年は、その恵まれた体に成長が追いついた感があり、オープン競走を勝って臨んだプロキオンステークスを難なく勝利し、とんとん拍子に重賞ウィナーの仲間入りを果たしました

高いスピード能力とともに、その馬格故のタフさも一級品。血統的にも、父ダイワメジャーに母父がダンチヒの血を持つノーザンダンサー系というのは、3年前のブルドックボスと同様で、この舞台に適性の高い血統構成

ここでも良い走りが期待できるのではないでしょうか。

【注目馬② ケイアイドリー】

こちらも500キロを超す恵まれた馬体の持ち主

4月の東京スプリントでは、リュウノユキナの2着に甘んじたものの、その後臨んだ北海道スプリントカップでは、門別のパワーが要求される馬場をものともせず快勝

見事重賞ウィナーの仲間入りを果たしました。

血統的にも、ダートスプリント適性が高く、切れの要素も兼ね備えたコールドアリュールの血を引くエスポワールシチーを父に持ち、母父もこのレースと相性の良いミスタープロスペクター系のシーキングザゴールドで、この舞台との相性もよさそう

オッズ的には、ドンフランキー、リュウノユキナに続く3番人気が想定され、配当的な妙味もありそうです。

以上、本日は、上記2頭に注目してレースを楽しみたいと思います。

予想はウマニティにて公開いたします。

ご覧いただけますと幸いです。


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