あげる時間が遅くなったので、今回は無料といたします。なお今回から若干芸風というかやり口というかを変えてみました。


【全頭所見】

①モズベッロ 池添

4歳になってからGⅡ2戦使って1着2着と、勢いに乗っている。その2戦にはフィエールマンやユーキャンスマイルレベルの馬はいなかったが、逆に言えばその2頭と不安たっぷりのキセキを除いたメンバー相手なら実績上もヒケをとらない。(今回、この考え方は非常に重要)
同じく第三極として有力なミッキースワローとの力関係だが、前走は競り負けたものの、不利を受けていたこと、ホームアウェイが逆になること、そして若さを考えると、こちらの方を選びたいところか。
ゲートはあまり良くないが、少々の出負け程度。それよりも今の京都でコーナー6つのうち4つは内側をまわれるであろうことのアドバンテージを大きく見るべきか。


②エタリオウ 川田

最強の1勝馬と言われた3歳〜4歳春の印象と、上がりが速かったり良い感じで先行できるようになったりとポジディヴな要素もあって、まだ穴人気はしそうだが、言っても昨年の日経賞を最後に6戦連続馬券になっておらず、GⅠは1秒以上、決してハイレベルではなかったGⅡでもしっかり差をつけられて負けてきている。
川田騎手テン乗り。力が落ちてきたと思われていた馬を復活させた前例はあるが、今回その馬からは降ろされているのは運命のイタズラか。


③トーセンカンビーナ 藤岡康

13戦のキャリアのうち8戦で上がり最速という圧巻の末脚と、11戦で出遅れという圧倒的なゲート難を併せ持つ4歳馬。
前走の阪神大賞典ほど後ろの馬に展開が向くとも思えず、フィエールマンあたりが早めに前を潰しにいって、その後ろから一緒に進出というのが理想の展開か。


④ダンビュライト 松若

これも血筋か4歳の秋あたりからクセの悪いところを出すようになり、レース前に暴れて消耗しきったり除外になったりが幾度か。とうとうちょん切られて騸馬になってのご登場。
去勢明けで買いづらいが、鉄砲は割と効く。
京都記念や京都大賞典で連対しており淀巧者の可能性があるが、その2戦とも先行有利で展開向いた上にメンバーはさほど強くない。
枠も良く場合によっては単騎逃げできるかもしれないが、スローだと嬉々としてつかまえにきそうなのが最有力のフィエールマンはじめ何頭もいる。
といった具合に、ポジ要素とネガ要素が多数混在している困った存在。
カレンミロティックの例もあるので、人気薄の先行馬という時点で買っておくべきだろうか。なお音無師は先行して味のある馬を控えさせるなど、素人目には不可解な指示を騎手に出すこともあるので、コメントは注目しておきたい。


⑤ミッキースワロー 横山典

一昨年GⅠの壁に跳ね返され続け、昨年は中央ローカルのGⅡGⅢを交互に使い、着実に稼いできた。
GⅡGⅢで突き抜けていたわけでもなく、6歳で再び挑戦するGⅠで勝ち負けできるイメージは湧かないが、今回のメンバーの中で明確に実績が上なのはフィエールマンとキセキぐらいで、まあ強いだろうと見積もれるユーキャンスマイルを含めた3頭に次ぐグループでは筆頭格。つまり上位の一角が崩れればチャンスは十分。
オッズなど睨む必要はあるが、モズベッロ、トーセンカンビーナあたりの同型と取捨迷うことになりそう。同厩だったアエロリットほどではないが関西輸送で結果出してないことは気がかり。一方、斤量は背負い慣れているというアドバンテージも。


⑥スティッフェリオ 北村

GⅠだと足りず、GⅡGⅢだと好走が多い。
前走の日経賞では先行策でなく控える競馬で意外と味があり3着だったが、逆にそこがこの馬の精一杯のようにも思えた。


⑦ユーキャンスマイル 浜中

古馬になってからGⅡGⅢは全勝。GⅠもすべて掲示板入り。とりわけ前走の阪神大賞典での鮮やかな勝ちっぷりで、今回フィエールマン打倒の第一候補に躍り出た感があり、その安定感と妙味から軸はこちらと推す声も多い模様。
ただ、前走は単勝1倍台のキセキが自滅しつつ前でやり合ってくれて非常に楽な展開であったことには留意が必要。またGⅠでは勝ち負けまでは出来ておらず、昨年の春天では1.5秒差で敗れている。
力関係的にフィエールマンと真価発揮した時のキセキには普通に劣る可能性有り。それ以外の馬は上回っていると見積もって良いが、1頭ぐらい大駆け・大粘りする者がいるかもしれない。複でも決して鉄板とまでは言えない。


⑧キセキ 武豊

昨年このレースに出ていれば、アタマはともかく馬券内はまず間違いないと信頼して買える馬だったのだが、一転どんなことになるか全く読めない存在に。
ここ2戦連続出遅れ。とりわけ前走の阪神大賞典ではなかなかお目にかかれないレベルの出負けを披露したうえに、1周目から暴走気味にハナに立とうとしてしまい、先行馬とやり合って自滅という、思わず目を覆いたくなるような負けっぷりを見せてしまう。
見方を変えると、力を発揮して負けたわけではなく、ゲートが改善して先行して強いキセキがまた見れた場合はもちろん、また出遅れて後ろからの競馬になっても暴走さえしなければある程度やれることは有馬記念で実証済。ちなみにそのときはフィエールマンとクビ差だった。
川田に壊されてさえいなければ普通に勝ち負け候補。


⑨ミライヘノツバサ 木幡巧

前走ダイヤモンドSで最低人気で勝利し、単勝3万馬券が炸裂、3年間の低空飛行はなんだったのかと競馬の奥深さを教えてくれた。
今回もまだナメられるなら……とジャンポケ斉藤氏やカンニング竹山氏は本命にしていたが、斤量が1㎏重かった上に外をまわったメイショウテンゲン相手にほぼ同着のハナ差、今回は同斤量でこっちが遠征であることを考えると、まだ買うなら4歳馬の向こうの方なんじゃないかと。


⑩メロディーレーン 岩田望

阪神2600でレコード、菊花賞で上がり最速タイで5着の大健闘、阪神大賞典でも2着馬と0.1秒差と、十分に取捨迷うべき存在なのだが現在12番人気。
一線級には歯が立たない印象はあるものの、手広く買う場合はヒモに入れておく手もありかもしれない。


⑪メイショウテンゲン 幸

実は数少ない昨年のクラシック完走馬(すべて二桁着順)。
その後長距離重賞3戦して4着2着3着。すべて外をまわし、すべてしまいの脚色は抜群というレース振りで、可能性は大いに感じられる。
さほどハイレベルではないレースでも勝ててはおらず、まだここで勝ち負けの器ではないと見るか、テン乗り幸騎手のエスコート次第では面白いと馬券に組み込むか迷うところ。


⑫シルヴァンシャー Mデムーロ

3連勝からの重賞挑戦で展開向かなかったものの3着。条件戦で下した相手の中にはメールドグラースもいたりと、相当に強い馬。
……と互角に戦ったからという理由で、ヴァントシルムをステイヤーズSで本命にした苦い思い出があったり。
それはさておいて、重賞2戦目が長休明けのGⅠという点は鉄砲駆けするタイプなので問題なし、京都大賞典を展開向かない中健闘したととるか、ドレッドノータスで勝てちゃうレベルのレースでかろうじて3着ととるかで取捨は変わってくる。


⑬ハッピーグリン 和田

あのアーモンドアイのJCで7着に入り大健闘を讃えられた日が遠い昔のようだが、まだ5歳馬であることにやや驚いた。
時折存在感は見せているものの、重賞で勝ち負けまでは出来ておらず、京都金杯の最下位が腹に据えかねたのかいつの間にか転厩していた。
ここまでの使われ方を見る限り、記念出走的な雰囲気は拭えない。


⑭フィエールマン ルメール

国内では崩れ知らず。有馬記念では早めにアーモンドアイを捕まえにいく競馬が結果的には判断ミスで後続につかまったものの、それでも4着に踏みとどまり、やはり強いなと改めて思わされた。
強いて不安をあげるならやはり大外枠。14頭立てならそこまで気にしすぎることもないかもしれないが、⑨〜⑬番枠を似たような脚質の馬が占めており、なかなか内側に入れずに最初のコーナーで外を回らされたり、位置を取るのに余計な脚を使ってしまったりという恐れはある。
それでも連覇を現実的に見据えられるポジションであることに揺るぎはないだろう。


【妄想展開】

ゲート注目のキセキは互角に出てくれて、実況「キセキも良いスタートを切った!」といきなり興奮気味。
しかし淀の長距離を知り尽くした鞍上武豊は、好枠から飛び出したダンビュライトに先に行かせ、番手で折り合いに専念。
スティッフェリオも控える競馬を選んだことで、前が主張し合わずペースはゆるやかに流れていく。

向正面あたりで、少しずつ前のダンビュライト松若にキセキ武豊がプレッシャーをかけることで後半のラップはややタイトになっていく。それにより後続はなかなか仕掛けることができず、春天としては出入りの少ない展開で3コーナーを迎える。逃げているのは松若だが、レースを支配しているのはレジェンド武という構図。

とはいえ勿論そのまますんなりと行かせる筈もなく、コーナーの下りあたりで中団待機のフィエールマン、エタリオウといったあたりが進出を図ってくる。
ユーキャンスマイルは更にその後ろから、ミッキースワロー、メイショウテンゲンらとともに外をまわして上がってくる。

直線入るやキセキが先頭に替わり、そのまま突っ切ってしまうのではという手応えで抜け出す。
巧みなペースアップにより追走に脚を使わされた後続はなかなか並びかけられない中、やはり追いすがってきたのは昨年の王者フィエールマン。GⅠ馬2頭が後ろを突き放し、叩き合いとなる。
さすがにキタサンブラックほどは強くなくとも、真価を発揮したキセキは昨年のグローリーヴェイズよりは強かった。クビ差凌いで菊花賞以来2年半ぶりの勝利を飾り、平成の盾男は令和の盾男となり、川田将雅とは何だったのかとネット上は盛り上がることに。

その後ろの3着争いも熾烈。
前で粘るダンビュライト、外をまわしたユーキャンスマイル、最内の経済コースで脚を溜めて内回りとの合流地点を利用して更にインを突いてきたモズベッロが3頭ほとんど並んでゴールイン。
写真判定でハナ差3着はモズベッロ。通ったコースが結果を変えることになり、嗚呼浜中でなく岩田ならば外を回さずインを突いていただろうにと、多くの馬券師が溜息をつくことに。

余談ながら、この日のミルコは何もしない方のミルコだった。


【妄想着順】

1着 ⑧キセキ
2着 ⑭フィエールマン
3着 ①モズベッロ
4着 ⑦ユーキャンスマイル
5着 ④ダンビュライト

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