【全頭所見】


①ステルヴィオ 丸山

1年4ヶ月前のマイルCS勝利以来連対なし。
ゲートにも不安があり、初挑戦のスプリント、ましてGⅠで勝ち負けというのはさすがに望みにくい。


②アウィルアウェイ 松山

前哨戦のシルクロードS勝ち馬だが、外差し効く馬場と展開が向いての勝利。ゲートの悪さ、京阪杯の足りなさを見るにこの舞台では厳しいと見る。


③ダイアトニック 北村友

新馬戦以外全ての勝ち鞍が京都で、専用機の可能性アリ。初の中京・初の1200で通用するか未知数。
阪急杯で1200通過時はアタマだったわけで、ノーチャンスと見なすのは危険だが、思ったより人気しそうなのが悩ましいところ。


④ティーハーフ 国分優

10歳馬ではあるが、9歳時の昨年は堂々掲示板入り。とはいえ昨年は本番前の2戦も好走しており、過去3戦とも1秒前後負けている今年とはだいぶ状況が異なる。
さすがにここを抑えるのは夢見すぎというものか。


⑤ラブカンプー 酒井

13戦連続レースレベル問わず1秒以上の大敗。終わった馬と判断せざるを得ない。


⑥ダノンスマッシュ 川田

昨年の4着は外をまわされたもので、枠順に恵まれた今年はまず固い……とする論をよく見かけるが、改めて昨年のレースを見返すと確かに内から2頭分ぐらい外をまわっているものの、レース運びそのものは至ってスムーズで、もう少し肉薄してくれても良さそうな内容だった。
トップクラスのスプリンターであることは間違いないが、左回りは右回りほどには力を発揮できない可能性も否定しきれない。
また、微妙に出負け気味だったスプリンターズS、はっきり出遅れのオーシャンSと、スタートが悪くなってきているのも気掛かり。川田騎手にそういうときのリカバリが上手い印象は無い。
重馬場よりは速い馬場の方がベターとは思うが、稍重で時計のかかるキーンランドCで勝っており、そこまでは心配ない。


⑦グルーヴィット 岩田康

中京1勝2着1回という強調材料はあるが、上位候補に推すまでには至らない。


⑧グランアレグリア 池添

1200は初めてだが、阪神Cの通過時計を見るに通用しないとは考えにくい。昨秋も順調にいけばスプリンターズSに参戦していたとのことで、陣営は適性を見出しているのだろう。過去の実績から休み明けも問題なし(むしろ2戦目がやや危険)。
不安その1が鞍上。池添がどうこうでなく、デビューから長く一人の騎手が乗ってた馬の乗り替わり初戦は注意という鉄則があるので。
不安その2は渋馬場経験がまったくないこと。パワーを要する馬場になった場合は案外もろさを見せるかもしれず、朝まで雨らしい中京の回復具合が最も気になる一頭。


⑨タワーオブロンドン 福永

スプリント路線に来てからは極めて高いレベルで安定しており、前走は着差をつけられたが明らかにメイチではなく、斤量背負ったこともあり無理に勝ちにいかない本番を見据えたレースだったことは明白。本番では昨秋のようなぶっちぎりの強さを見せてくれるはず。
……という見方は大いなる思い込みで、もしあの負けが単なる力負けで、実はピークアウトしていますなんて可能性もなきにしもあらずなので信頼しすぎるのは少し危険かも。


⑩アイラブテーラー 武豊

過去全連対、上がり最速がほとんどの4歳馬ということで、3強崩しの有力候補である筈だが、直前追い切りをしないという異例の臨戦のためかあまり人気していない。寝違えとかいう説もあるがどうなのか……
返し馬で問題なさそうなら抑えておきたい一頭ではある。


⑪クリノガウディー 和田

マイル重賞中心にそこそこの結果を出しているが、トップクラスよりは一段落ちるポジション。もしスプリントの方が向いていたとしても、さすがにいきなりこの舞台では通用するとは考えにくい。


⑫セイウンコウセイ 幸

スプリンターズSでは常に凡走しているのに対し、高松宮記念は【1.1.0.1】で着外の一回もそれなりに好走している。高速決着も稍重の時計の掛かるレースもこなしており、渋馬場で相対的には有利になる今回は必ず抑えたい馬。
前走見る限り状態も悪くなく、前で残るとしたらこの馬が最右翼かと。


⑬ダイメイプリンセス 秋山

そこまで弱小ということもないのだが、この馬を買うとしたら夏のローカルがよろしいかと。


⑭モズアスコット デムーロ

ダート挑戦は大成功だったが、スプリント挑戦はどうだろうか。積極的に否定する要素はないのだが、元々芝で頭打ち感があってダートへ行ったものと思われ、ここでも都合良く通用したりはしないんじゃないかなぁと。
ただ馬場が渋るのは相対的にはかなり歓迎。取捨が難しい。


⑮ナックビーナス 田辺

モズスーパーフレアとハナを主張しあったらおそらく共倒れ。うまく前を見る位置に入れたとしても、その後ろあたりにいるであろうグランアレグリアやダノンスマッシュのプレッシャーは不可避。前についていきすぎず後ろに詰めさせすぎない絶妙なレース運びが要求される。
宮記念では割と控えがちなのでもう少し後ろの位置どりになるかもしれないが、それこそ同じような位置から他の人気馬と一緒に上がってこれるとは思えず、よりチャンスは狭まるだろう。
一昨年の3着がなければ即切りなのだが……


⑯モズスーパーフレア 松若

昨年のオーバーペース気味に逃げての大敗を含め、中京は3戦してすべて馬券外。右回り(ていうか中山)専用機の可能性有。
調教師が逃げを明言しているが、ただでさえ同型もいる上にこの枠からだとハイペースは必至で、おそらく昨年と同様の光景が見られるのではなかろうか。


⑰シヴァージ 藤岡佑

芝転向初戦の阪神Cこそ馬群に埋もれてしまったが、その後2戦、とりわけ前走は鬼の末脚を披露。今回は相手関係が全然違うが、底の見えない魅力は感じる。直線が伸び、渋馬場になるなら尚更。


⑱ノームコア 横山典

一気に2ハロン短縮のスプリントGⅠで通用するか、過去走から判断するのは困難。少なくとも昨年のVMのような超高速馬場ではないことは確か。
陣営はそれほど色気のなさそうなコメントを出してはいるが……


【展開】

ただでさえハイペース逃げを身上とするモズスーパーフレアが外枠に入った上に、それに続くと思われるナックビーナス・セイウンコウセイまで外側ということで、おそらく相当なペースで流れると思われる。好位にグランアレグリアやダノンスマッシュといった地力上位勢が控えているとなると、逃げ・先行馬にはかなり厳しくなること必至で、直線半ばぐらいには御役御免になる可能性すらある。前残り候補は中京マイスターのセイウンコウセイのみとしたい。

順当にいけば好位から抜け出したグランアレグリアとダノンスマッシュ、その後ろから迫るタワーオブロンドンで決まってしまうが、どの馬にも多少の不安があることは全頭初見で触れたとおり。また3頭とも出来落ちがなく、時計が掛かる馬場をこなし、展開不利にも見舞われないものなのだろうか。

更に後方から一角を崩す候補としては、まずステルヴィオ、モズアスコット、ノームコアといったマイルGⅠ馬たちであるが、それぞれ全頭所見で書いたとおりこの舞台でいきなり通用するかの担保には乏しい。
他の候補も、ダイアトニックは京都専疑惑、アイラブテーラーは臨戦不安、シヴァージには敷居が高い可能性が有りと、どの馬も自信を持って推せはしないので、妙味と好みでチョイスをしたい。


【決断】

◎⑨タワーオブロンドン
◯⑧グランアレグリア
▲⑫セイウンコウセイ
△⑥ダノンスマッシュ
☆⑰シヴァージ
注⑩アイラブテーラー

アイラブテーラーは返し馬の様子を見て取捨を決めたいところだが、果たしてどれほど映してくれるものだろうか。
買い方は難しいところだが、⑧ー⑨の馬連でも10倍程度付いており(最終的にはもう少し下がると思うが)、3連複ボックスでも⑥ー⑧ー⑨だけ少し買い足せばガミらないので、あまりこねくりすぎない方が吉かもしれない。

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