今週も遅くなったので無料公開といたします。

【全頭所見】

①シャチ 木幡育

3歳春にしてもう13戦目。2コ上のフィエールマンより3走も多く走っており、がんばり屋さんと応援するか、酷使されてかわいそうと思うかは宗派によってまちまち。まあ未勝利を突破しないことには先がないのでやむなしではあるのだが。
さすがに現時点でのGⅠ挑戦は数合わせレベルと見ざるを得ない。


②タイセイビジョン 石橋脩

新馬戦以外はすべて重賞を使い、すべて連対という抜群の安定感を誇る。また、東京コース経験済というのは他の有力馬には無いアドバンテージ。
不安要素は、中2週という詰まったローテがこれまでになかったこと(しかも輸送)と、どうしても後方からになるであろう脚質。広い東京コースといえど、やはり内枠の追い込み馬は前を捌く必要が生じる可能性は高く、そもそも後ろからの馬はまったく用なしという展開になる恐れもある。もし土曜の馬場のままであれば、あまり後ろからだとかなり厳しそうではある。


③レシステンシア ルメール

2歳女王に輝き、桜花賞でも2着。鞍上にルメールを配し、逃げ・先行馬にはうってつけの枠をゲット。影をも踏ませぬ完勝もあるかもしれない存在だが、不安要素も少なくはない。
今回初輸送、しかも前走上がり38秒台かかる馬場での激闘を経ての臨戦、初の左回り、初の混合戦。凡走しても決して不思議ではない状況ではある。
また、今回そこまで積極的に行きそうな馬がおらず、この馬がハナに立つ可能性がかなり高いが、スローでのキレ勝負になってしまったら分が悪いのはチューリップ賞で示されている。いかに近年日本で最も勝っているジョッキーといえど、テン乗りの馬で直線長い府中をかっ飛ばしていけるかどうか。
ただ、やはり不安が少なくないと見られているのか、思いのほか人気はかぶらなさそう。見ようによってはこんな美味しいことはないのかもしれない。


④プリンスリターン 原田和

先行した際は崩れていない。ただ、9月のききょうS以来勝ててもおらず、決め手に欠ける印象も。関東輸送・左回りともに初。
好枠引いたことだし、レシステンシアに着いていき前残りを目指してくれれば楽しみもあるのだが、調教師が控える競馬を示唆するコメントを出しているのが気がかり。


⑤シャインガーネット 田辺

ファルコンSはきわめてスムーズな競馬ができたことを差し引いても、余力たっぷりといった強い勝ち方。
距離をマイルに戻し、相手関係が格段に強くなる舞台でどれだけやれるかわからないが、1月の中山でイマイチだったことから見切るには怖い存在。


⑥ギルデッドミラー 福永

3走前はサトノインプレッサと時計差なしで走っている。前走も早めに前を捕まえにいっての2着と、派手ではないが強い競馬をしてきている。いっそ早めに前に出していけば残り目も十分ありそう。


⑦メイショウチタン 吉田豊

昨年末の朝日杯15着から、今年は1勝クラス2つ大敗し、前走1400を勝ってここに。さすがに買えない。


⑧サクセッション 横山典

輸送だったデイリー杯を除けばマイル全勝、とりわけジュニアCは相当強い勝ち方をしており、新馬戦ではあるが東京コースも経験済と、買い要素はかなり多い馬。
横山典騎手テン乗り。良くも悪くも無難な乗り方はしないこの鞍上がどうエスコートするかで結果は大きく変わりそう。なお、ニワカの自分には国枝厩舎にノリさんってあんまり印象ないなと思って調べたところ、このコンビで重賞勝ったのは2009年のオールカマー (マツリダゴッホ)まで遡るらしい。


⑨ラインベック 津村

別名サンナンボー。実は左回りのマイルは2戦2勝。
皐月賞大敗からここに来ているが、それをもってナメてはいけないのは土曜の東西メインレースを見れば明らか。
まあ施行条件が違いすぎるので単純比較はできないが、さすがにここのメンツは京都新聞杯やプリンシパルSほど甘くはないのも事実ではあるが。


⑩ハーモニーマゼラン 大野

前走でルフトシュトロームやウイングレイテストに負け、それ以前もラウダシオンやサクセッションに負けてきている。
もしレシステンシアが行かなければ、逃げで多少の活路は見出せるかも。


⑪ラウダシオン Mデムーロ

朝日杯以来のマイル挑戦。先行力が活きる展開になれば。そして距離がもてば。
ちと追い切りの本数が多すぎるのが気がかり。もしかしたら調子が上向いてこないのかもしれない。


⑫ボンオムトゥック 田中勝

出遅れてしまう可能性がかなり高く、展開としては向いたアーリントンCで3着に入れなかったあたりここでは厳しいか。
初輸送・初左回り。


⑬ニシノストーム 江田照

小回りの1200しか走ったことがなく、府中マイルが向くか向かないかまったくの未知数。
調教師のコメントは相当悲観的ではあるが……


⑭ルフトシュトローム レーン

3戦3勝。前走のNZTではコーナーでの不利をはねのけての勝利。
テンはさほど速くないので後方で様子を見過ぎで届かずが心配なところ、どちらかといえば早めに仕掛けるタイプのレーン騎手は良さそうではある。


⑮ソウルトレイン 藤井勘

マイルにしてからのここ3戦は安定しており、決して弱くはないのだが、この舞台で勝ち負けできそうな裏付けはどうしても見つからなかった。
奇策に出るような鞍上ではないし、ここは普通に足りないと見るのが自然か。


⑯ストーンリッジ 松田

控えて失敗した前走の反省を生かし、できれば先行したいが、枠の有利不利が少ない府中マイルとはいえ、同型多いところこの枠だと厳しいか。


⑰サトノインプレッサ 武豊

こちらも無敗で臨む人気馬だが、武さん自身も言っていたように、これまで時計の掛かる重い馬場ばかり走っており、初輸送の上に、多少パラついたところで高速馬場には変わりないであろう府中でどれだけの走りができるかは未知数。
後ろからの競馬になるであろうことは確定的なので、ちゃんと強くなくては勝ち負けできない。


⑱ウイングレイテスト 横山武

前走不利を受けたルフトシュトロームにより更に不利を受けたが、良い脚を使い3着までもってきた。
展開次第ではここでもやれておかしくない。


【展開妄想】

ハナに立つのはやはりレシステンシア。好枠のプリンスリターン、シャインガーネットは中団に控え、逃げ馬を追って先行するのはハーモニーマゼラン、ラウダシオン、そしてそのやや後ろの好位にギルデッドミラー。もちろん鞍上福永が見据えているのは一番前のレシステンシアである。
ルフトシュトロームは中団の一角につけ、タイセイビジョンとサトノインプレッサは後方から、どういうわけかサクセッションが最後方という位置どりになる。

平均ペースでコーナーに入り、縦長の隊列は縮まってくるが大勢はそのまま。
4角で大きな仕掛けに打って出たのはダミアン・レーン。まくり気味に前に出て、直線向くときには先行勢と合流している。

直線に入り、力の劣る先行馬は垂れていくが、レシステンシアは勢い衰えず先頭をキープ。
馬群から抜け出て前を捉えようとするのは、実質逃げ馬をマークしていたギルデッドミラー、早仕掛けのルフトシュトローム、狂ったような動作で追うタイセイビジョン、なぜか大外にいるシャインガーネット。
サトノインプレッサは伸びてこない。

横に広がりゴールイン。粘るレシステンシアを僅かに交わしたのはギルデッドミラー。ネット界隈では福永祐一完全覚醒と囁かれることになる。
2着は粘ったレシステンシア、仕掛けが早かった分最後の最後に甘くなったルフトシュトロームはタイセイビジョンに交わされて4着。

後続に捕まるや完全に追うのをやめたラウダシオンと、最後方から速い上がりを使って6着ぐらいのサクセッションの鞍上を懲りずに叩く人も出現するのだった。


1着 ギルデッドミラー
2着 レシステンシア
3着 タイセイビジョン
4着 ルフトシュトローム
5着 シャインガーネット

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