地味な女の子に割と強引に勉強に誘われる台本

（学校のチャイム）
（生徒たちの喧騒）

あ、起きた。…うん。君、授業終わって、そのまま机で寝てたよね。みんな帰っちゃったよ。

…ねえねえ。今日の国語の時間さ、私のこと、見てたでしょ。…ううん、見てた。私気づいてたもん。私が一生懸命黒板の文字ノートに写してたら、すっごい視線感じて。だって…。授業中…、私と目、合った、でしょ？

…ち、違うよ！私は見てなかったもん！き、君がずっと見てたんでしょ！

ね、ねえ。今日さ、私、図書委員の当番なんだ…。え、うん。だから…。図書室って、放課後、誰もいないし、とってもヒマなんだ…

だ、だから！…今日、一緒に、図書室で、勉強しない？き、君も！勉強するつもりで、学校残ってたんでしょ？

きょ、今日だけでいいから…お、お願い…。

い、いいの…！ふふ。やった…。ううん！なんでもない！じゃ、行こっか…。

（足音、ドアの開閉音）

ほ、ほら、誰もいないでしょ？放課後に図書室来る物好きなんて、いないのかな。

私は、本とか好きだし、委員の仕事がなくてもたまに来るけど…。ほら見て、結構本棚多いし、種類もいっぱいあるんだよ？…ってごめん！私ばっかり喋っちゃった。ごめんね？ほら、しよ？勉強。

君って、結構頭いいよね。授業中とかも、先生に指されてもすぐ答えてるし。私、物理が苦手だから…。

ねえねえ、ここ、教えて？この問題で使う式、分からないんだ。

ふんふん。ふん。あっ、そっか、ここでこの式使うんだ！うわあ、すごいね、君。教え方上手。…うん。なんか、先生みたい。ふふ。

じゃあはい、先生。…ええ？いいじゃん。先生〜。先生って呼ばれるのやだ？ふふふ。

…えっ？う、うん。普段は、あんまり笑わないから…。な、なんか、今日は、楽しくて…。ご、ごめんね？君のこと、強引に付き合わせて、私ばっかり楽しくなっちゃって…。

ほ、ほんと？君も、楽しい？そ、それなら嬉しい、けど。ふ、ふふふ…。

（しばし沈黙）

…ね、ねえ。また、こうして、君と一緒に、勉強、したいな。

き、君からしたら、面倒くさい、かもしれないけど…。

わ、私は、すごく、楽しいし…。な、何より！勉強、はかどるから…。

きょ、今日は、無理言って、ごめんなさい。でも、もしよかったら、また、一緒に図書室で…。

い、いいの？や、やったあ。ふふ、ふふふ。じゃ、じゃあ、次も、誘うから。絶対、だからね。

あっ、きょ、今日のこと、誰にも言わないでね。あっ、違っ、別に深い意味はないからね！

じゃ、じゃあ！また明日ね！…先生！ふふ！

（993文字）