見出し画像

「仕事やめたい。」を考える。

 当店はこうひいやなのですが、ちょっと特殊なのはお客様ととことん会話したうえで商品を提供することに重点を置いているということです。
 そんな形態のお店ですから、日々の雑談の中でお客様のパーソナルな部分に少し踏み込んでしまうことがあります。
 お店の日々の営業の中でお客様とお話しながら私が感じたことや考えたことをまとめていきます。

「会社を辞めたい。」

「仕事を変えたい。」

「ずっと同じ職場にいる気はない。」

 そんな言葉をお客様とお話をしていて、よく耳にすることがあります。
 当初はこのような課題にゆっくりと耳を傾けたり、閉店後も話を聞いたりしながら将来について一緒に考えようとしたものですが、最近はなんとなく課題の正体が掴めてきたように思います。今は実態に合わせて課題への向き合い方を変えることにしています。

環境を変えたいという結果に対して、目的がどこにあるのか。

 僕はあまりビジョンという言葉を使うのが好きではありません。実際のところ、それは自分自身のビジョンがはっきりと定まっていないという後ろめたさからくるものだったりするのですが、今回はあえてこの言葉を使うことにします。
 「やめたい感の先にビジョンがあるかないか。」がこの課題を解決に向けていく必要があるか否かを決める争点になる気がするのです。


仕事にも慣れて、人間関係も問題ない。でも、やめたい。

 社会人も1年以上経ち、日々の生活に慣れ、仕事上のトラブルにも対応できる力も尽き、仕事の見通しもみえる。と同時にこの先同じ日々がずっと続く気がして、なんか辛い。といったそんな状況からくるやめたい感。
 このような感情は、一時の風邪のようなものであると捉えています。
 仕事に慣れ、人間関係も問題ないのに仕事をやめたくなっている方は比較的能力が高く、仕事が割とできて、継続して働くことで出世コースにのったり、結婚といった出会いのチャンスを将来への安定で持ってつかめるというような、いわゆる普通の幸せに最も近い生活ができている方が多いです。

 じゃあ、なぜやめたい感を感じているのか。    
 それは今の生活に飽きているからです。
 人間は達成感を得ることでモチベーションを得られる生き物なので、達成感が得らない状況が続くことでフラストレーションを自ずから生み出します。でも、これは自分が作り出した幻想とも言えます。
 客観的に状況を見ると、この問題を抱えた方は金銭的にも環境的にも恵まれた環境にいることが多いのです。いわゆる順風満帆な人生を歩んでいる方に多い。
 実はそれには本人も気がついていて、やめるということに対して明確な理由が持てずにやめることに踏み出さないパターンが多いです。

 では、どうすれば気持ちが晴れるのかというとなのですが、自分なりに課題を見つけたり、仕事以外で没頭できることを見つけるということが良いと思われます。
 今がよくても先々働いていくと出世していき、今の仕事と全く違う仕事をやらざるを得ない状況になったりするので、本を読んだり勉強したりしながら、いつ何時出世しても部下がついてくるような意識を持つなど、自分なりにモチベーションを上げる要素を今のうちから育てることが不安から抜け出す近道なのではないかと思います。
 逆に答えを外に向けすぎて、誰かが解決してくれると思い相談しまくった結果、あまりの変化のなさに相談相手に幻滅されないようご注意して欲しいということが心配です。 答えは内側にあるということも意識しておきましょう。


仕事があわないからやめたい。

 もしも現在あなたが仕事の中で何かしらの具体的な問題を抱えていて、その問題が今日明日今月といった期限を定めて解決する目処がつかない場合。「逃げること。」を進めます。
 このやめたい感の原因は職場で抱える何かしらの問題です。
 特にこの問題は前述のような内から湧き出た自発的な問題ではなく、原因の所在が外にあることが多く、解決することが非常に困難であることが多いです。

 「自分が職場に求める条件が当初提示されていたものが違う。」「残業30時間超えてるのに仕事が片付かない。」「同じ失敗を何度も繰り返す。」

これは言い換えると会社の環境が整っていない。個人に見合った仕事量の分配がなされていない。自分の能力が仕事の内容に見合っていない。ということになります。

 私たちは幼い頃から集団に合わせるための教育を受けてきました。ドロップアウトしたり、逃げることは軽蔑されたり、叩かれる対象と教えられてきました。
 しかし、前提として会社や組織はあなた個人の人生のために作られたものではありません。
 そもそもの目的は会社の利益の確保にあり、そこに所属して作業をした対価としてあなたは給料を得ているというだけの仕組みに準じた話です。

ぶっちゃけあなたの代わりはいます。
いくらでもいます。
綾波レイよりいます。

 スマホを閉じて、温かい飲み物でも飲みながらゆっくりと考えて欲しいのは「その問題は来月までに解決できる見込みがあるのか。」ということです。
 もしも、あなたがどんなに頑張ってもできないことにつまずき、悩み、苦しくてしんどくなっていて、なんで生きているんだろうとか思っているのだとしたら、そんな仕事はさっさとやめちゃいましょう。
 ちなみに気持ちよくやめるコツはあなたなりに状況をじっくりと観察したうえで「何とかしようとしたり、やるべきことをやりきった感」得てからやめることです。

  

人間関係から逃げるためにやめたい。

 仕事をやめたくなる外敵要因ナンバーワンはこれです。
 僕も嫌というほど感じていますし、知り合いのお坊さんが「お客さんの会社を辞めたい理由のほとんどがこれだよ。」と言っていました。アドラー心理学でも「全ての悩みは対人関係の課題である。」と言うほどに、人生を通して一生向き合う課題とも言えます。
 僕は職場の人間関係が苦しい=やめるとすぐに決断してもいいのではないかとすら思っている世間的にはクズと言われる人間なのですが、人間関係に苦しくなった時に考えてほしいことは「自分が感じたことは正しいのか?」といったことです。
 というのは人間関係の苦しさは主にコミュニケーションのズレが引き起こしていたりすることも多いので「受けた印象」と「伝えたい意図」が異なっていることが続いて大きなストレスを育ててしまうパターンも多いです。

 「言葉が通じない」ということも実際にあります。 日本語を話せている風なだけで全く受け答えができず、周りの空気感と相槌でここまで来たみたいな人も世の中にはたくさんいます。
 いろいろな人を含めて社会があり、会社であり、組織ができあがっているのです。
 ただ、最悪なのがそういった人達が勤労年数というキャリアのせいで出世して、やたらマウンティングを取ることで自尊心を誇示しようとするパターンです。いわゆるボスザルになりたいクズです。
 これに勝つことは不可能です。ボイスレコーダーを常に持ち歩いてボーナスで弁護士を雇い徹底的に潰すか。耐え忍んで彼らの退職を待つかのどちらかです。
 時間がもったいないと思うならさっさとやめることをお勧めします。組織の中にあなたの代わりになりそうな人はいくらでもいるという程度に見られているという自覚も持ちましょう。
 あなたがやめて後悔するのは会社です。引き止められたらいてあげてもいいよ。くらいな感じでいきましょう。


やりたいことをやるためにやめたい。

 あなたのやりたいことってどれくらいやりたいことですか。
 明日死んだとしたらやらなかったことを後悔するくらいのことですか。それともなんとなくやりたいと思っているくらいのことですか。

 何はともあれ、やりたいという想いに大きいの小さいもないのでさっさと仕事やめてやりたいことやりましょう。

 ただ、やりたいことをやる前に考えて欲しいのが、「あなたがやりたい分野について現役でやっている人達とどの程度語ることができるのか。」といったことです。
 泳げないのに水に飛び込むのはただの無謀です。憧れやスタイルだけでは通じないことは当たり前です。
 子どもの頃からやりたくて何かを始めた人だって、子どもの頃から10年以上夢見て焦点を絞って世の中を見てきて準備をしたうえで飛び出しているわけで、実現したのは昨日今日でもここに来るまでには長い年月があるわけです。

 だけど、通じなくても構わない、泳ぎ方はわからないけどがむしゃらに掻けば何とかなる気がする、2、3年では潰れない資金力があるといった根拠のない自信があること。それは本当にやりたいことです。
 本気で何かをやっている人を見て応援してくれる人は必ずいます。でも、厳しいけど保険をかけたり手を抜いたり、手前味噌な教養は絶対にバレます。気をつけてくださいね。


 「オメー何様だよ。」と自分に問いながら何とかここまで書きました。明日になったら思ってること変わってるかもしれないけど。


 最後に僕はこの記事を書いていて思い出した、イベントで出店している時にお会いしたアパレルで実践をあげているとある会社の社長さんから聞いた話を掲載して終わりにします。

 80代以上の高齢者に「人生で後悔していることは何ですか。」というテーマでアンケートを取り集計したところ、上位にはこのような結果の答えがあがったそうです。

 4位 くよくよと悩まなければよかった。
 
 3位 もっと他人の為に尽くせばよかった。

 2位 幸せをもっと噛みしめて生きるべきだった。

 そして、1位は

 他人がどう思うか、気にしなければよかった。

 あなたの人生を幸せに歩んでいけることを祈ってます。充実した人生を歩んでいきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?