ライオンとねずみ

イラスト童話「ライオンとねずみ」

西のはずれのサバンナに大きくて力の強いライオンがいました。

ずる賢いライオンは、傷ついたシマウマや子供のガゼルなど特に弱いものを狙っては襲いました。
弱いものが「食べないで。」とお願いししても大きな口でガブッと一気に食べてしまいます。そしてお腹いっぱいになると、決まって見晴らしのいい場所でお昼寝をするのでした。

その日も、2頭のシマウマの赤ちゃんとお母さんシマウマを食べたあと、ライオンはあくびをしながら気持ち良さそうな寝床を探して歩いていました。すると、何やら不思議な形の岩が目に入りました。
頭でっかちの大きな岩は、下の方が細くとがっていて、今にも倒れそうに「ゆうら、ゆうら」していました。
ライオンは、「おや、まるでゆりかごのように気持ち良さそうな寝床があるぞ」
そう言って、ひょいと岩に飛び乗り丸くなりました。ライオンの重みで、岩はなおさらゆうらゆうら。
本当の揺り椅子のように、気持ちよくなったライオンはあっという間に眠ってしまいました。

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